対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
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基礎死活の独習法(書評)

2005-06-19 22:09:11 | 棋書


誠文堂新光社の本は「初級囲碁読本」以外、貶してばかり。
しかし別に誠文堂に恨みがあるわけではなく、ここらで良い本を紹介しなければと思ったところ…あった。

基礎死活の独習法」(誠文堂新光社:大竹英雄)。

これは強く薦められる。
本書は読む前に出来れば「ポケット詰碁200」の基礎編や「ひと目の詰碁」を完璧に解けるくらいにしておきたい。
対象としては「ポケット詰碁200」の応用編や「第一感の死活」に取り組んでいる辺りの人が、死活の知識を整理するのにはピッタリ。
特に「ポケット」の方は問題数を優先させたためか説明不十分なきらいがあるので、解答で十分な納得を得られなかった人は本書で補っておくことをお勧めする。
解説に重点を置いているので問題数はやや少ないが「欠け目」や「中手」といったテクニックに応じて問題がまとめられているので、難度の割にスムーズに問題に取り組んでいける。
前二者と違って、不思議と巻頭から順番にサクサク読んでいきやすいし、またそうした方が理解が深まると思う。
キーワードで解く初歩の死活」から冗長なところを除いて、発展させた感じか。
あまり問題を解くのに長く時間をかけず、全体を再読、再々読するのが良いだろう。

また嬉しいのが、第3章で「星の大ケイマシマリに三々打ち込みの後、出来やすい死活」など実戦頻出の死活を学べるところ。
その形の成立過程まで載っている。
こういう本を必要としている人は多いだろう。
厳密にはこの第3章のような成立過程の載った実戦頻出死活に関しては「実力五段読本 隅に強くなる」や「実戦に役立つ死活反復トレーニング」の方がそれ専門の本なのでヴァリエーションも豊富。
しかし本書は第1章、第2章の基礎死活手筋をどう応用するかの為に書かれているのでそれと連動して他の死活にも応用が利きやすくなっている。

ケチな私からすると、本書もちょっと値段がネックだし題名が最悪だが、まぁ許せるところ。
何故かあまり書店では見かけない。
最近、シリーズ「死活の基本」なる類書がシリーズで誠文堂から出てきたので、このまま消えてしまうのではないかと恐れている。
Amazon誠文堂のネット販売でどうぞ。