大雪の空

46歳から始めて嵌ってしまった山歩きの記録と野球などの雑記帳。時々帰郷中の島暮らしの日常。

白根三山縦走 1999年8月

2010年05月08日 | 南アルプス
丹沢の尊仏山荘で知り合い浅草岳や平ケ岳など一緒に歩いたT氏との山行。
広河原、肩の小屋、大門沢下降点で幕営。
北岳から先は花も少なくてどうってことなかった。
北岳周辺で遊べば充分です。
あの農鳥小屋のオヤジは噂どおりのアホだった。

1999年8月8日-10日(山中2泊3日、テント泊)(T氏同行)

1.初日
広河原山荘から北岳肩の小屋
5:40-9:00二俣10:00-12:50小太郎尾根-14:00

前日T氏の奥さんと娘さんに広河原まで送ってもらい広河原山荘で幕営した。
二俣までは沢沿いなので涼しいが、右俣に入ると途端に暑くなった。
荷が重くてあの法則どおりの牛歩だ。
この二俣から小太郎尾根分岐までがお花畑で、いろんな種類の花が虔を競っている。
初心者なら雪の無い大樺沢ルートで八本歯へ上がり、北岳から右俣を降りれば
花と展望が楽しめる。広河原山荘泊りで何とか日帰りも可能だが、北岳山荘や肩の小屋に寝るのが
一般的だろう。小太郎尾根分岐からは甲斐駒ケ岳が目の前だ。右手には鳳凰三山が大きい。
テント設営してT氏が水場を往復してくれた。案外と降るらしい。
夕焼けが素晴らしくてT氏は写真を撮りまくっている。
星などはあまりに多くてどれが一等星やら同定が難しいくらいだ。
アンドロメダ大星雲も確認できたし、夏の大三角近くのいるか座、矢座、さそり座の
アンタレスもわかった。
3時頃にはオリオンが東に昇ってきている。

2.二日目
肩の小屋から大門沢下降点まで
4:40-6:00北岳-7:25分岐-8:10北岳山荘9:15-13:30農鳥小屋-16:10

モルゲンロートに染まる甲斐駒を見たかったがあんまり赤くならなかった。
なかなか足が上がらないでメチャクチャに時間がかかってやっと頂上だ。
まあしかし破天荒な大パノラマが待っていてくれた。
南は聖岳の先まで、中央アルプス、御嶽、乗鞍、笠ケ岳から穂高、槍、立山、剣岳の先は
白馬までも見えている。右手に目をやれば八ヶ岳、浅間山や遠くに日光連山、尾瀬の山まで
見えている。
当然あの富士はくっきりと雲海の上に飛び出ていて、その前衛に鳳凰三山。
目の前には仙丈ケ岳と甲斐駒ケ岳ともう疲れるくらいの山岳風景だ。
久し振りの第一級の絶景を楽しみながら、仙丈とバックの乗鞍から剣までをスケッチした。
北岳山荘への下りにイブキジャコウソウの大きな株があった。
分岐からは花が楽しめるトラバース道を歩いたが、キンロバイの大群落が圧巻だった。
山荘で大休止して中白根へ向かったが何か呼吸器の調子が悪い。軽い高山病だったのかも。
途中にチョウノスケソウが残っていてくれて久し振りに対面した。
中白根を越えて着いた間ノ岳は岩くずの頂上で殺風景極まりない。
岩くずを蹴散らして下り、農鳥を目指すが花も殆ど無く、展望だけが楽しみの稜線歩きが続く。
農鳥の小屋で水を汲んでいると中年の夫婦がオヤジに明日の天候はどんなもんだろうかと聞いた。
するとなんと、「そんな事は自分で調べて来い!」とわめいた。
聞きしに勝る馬鹿オヤジでないか!
お前は登山客の落とす金で生きているんだろうがよ。ボランティアならまだしも、ふざけんじゃねーよ。
まったくふざけた野郎だぜ。こんな奴には遭難しても助けてもらいたくはないぜ。
あーあ気分が悪い。さっさと出かけよう。
西農鳥への岩壁をジグザグで登り、大門沢への下降点にたどり着いた。
周囲を見回すとテント一張り分の場所がある。設営して夕食を済ませ疲れを癒す。
何か楽しみのない歩きの上にあの馬鹿オヤジなんだからまいったまいった。
おまけに夜はとんでもない風で、テントが吹き飛ばされるんじゃないかと一睡もできなかった。
(注意:原則幕営は禁止です。成り行きとはいえ規則破りは申し訳なかった)

3.最終日
幕営地から奈良田 4:40-10:30

なんと6時間近くも下山に要するとは。今までで最高の下山時間かもと思ったが小赤石からがあった。
南アルプスは山が深いのが実感できるが、ちと度が過ぎるんだがなあ。
大門沢まで降りついて少しは涼しくなったが先はまだまだ長い。人気のない大門沢小屋を
横目に見て先を急ぐ。長い歩きを終えて奈良田林道に着いた時にはヤッターと叫びたいくらいだった。
温泉で汗を流してからバスに乗り込み、身延へ出てJRと小田急で帰った。
後半は楽しみも無く、辛い山だったが前半の北岳で楽しめたので良しとしとこう。

花の記録

ミヤマミミナグサ ミヤマコウゾリナ クルマユリ ハハコヨモギ タカネグンナイフウロ
ハクサンフウロ キタダケトリカブト カイタカラコウ アカバナシモツケソウ キンロバイ
ミヤマアキノキリンソウ ツリガネニンジン ヤマハハコ ミヤマシャジン クガイソウ
ホタルブクロ マルバダケブキ タカネナデシコ ミヤマキンポウゲ タカネニガナ 
ウメバチソウ ミヤマダイコンソウ タカネツメクサ イワギキョウ トウヤクリンドウ 
ヨツバシオガマ イワベンケイ ウサギギク チシマギキョウ シラネアザミ チョウノスケソウ 
イブキジャコウソウ ミヤママンネングサ ミヤマオダマキ オトギリソウ ハクサンイチゲ
ミヤマウイキョウ コバノコゴメグサ ミネウスユキソウ ヤツガタケタンポポ

さすがに花の山といわれるだけあって8月というのにすごい種類だ。
花を見るなら7月中旬位が一番いいのでないか。

次は荒川三山から赤石岳縦走。
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キタダケソウの北岳 2002年6月

2010年05月08日 | 南アルプス
やっと念願の花に会いに行った。
行こう行こうと思っていたが梅雨時でもあり、うまくタイミングが合わずやれてなかったのだ。
土日に晴れるとの予報で急遽行くことにした。
大樺沢にはタップリと雪渓が残っていて、梯子まで雪の上を歩いた。

2002年6月22日-23日(1泊2日、小屋素泊まり)(単独)

1.初日
広河原から八本歯経由北岳山荘
11:10-14:30二俣-16:30梯子-18:10分岐-19:10

甲府9:00発のバスのため歩き始めが11時過ぎてしまった。
いくら雪があっても18:00までには小屋に着くだろうと思ったのが大甘だった。
いつもの通りにつり橋を渡り、歩きなれた道を二俣目指して歩くが、沢沿いなので涼しい。
二俣遥か手前から雪渓が出てきた。見上げると雪がベッタリとついていて黒い所が無い。
結構降りてくるが、長靴で軽快に降りてくる若者がいて感心する。
さっさと6本爪の軽アイゼンを着けて歩き出すがペースが上がらない。
斜度が増した梯子取り付き付近から後ろを振り返ると、何とまだ4グループほどが登ってきている。
もうだいぶ時間が押しているのに大丈夫かよと余計な心配をする。
やっとアイゼンを脱いで梯子を登り、分岐に着いたらもう18:00過ぎだ!
こりゃちと遅いぞと思ってもどうにもならず、トラバース道を小屋へ向かう。
おおキタダケソウがあちこちに咲いているぞ!!
しかし明日ゆっくり観察する事にして先を急ぐ。
小屋に着いたらノンビリくつろいでいるツアー客とおぼしきオヤジが「着くのが遅すぎだ」と
ぬかした。
頭にきたがまあごもっともではあり、完璧にシカトして小屋に入った。
クソー、情けないなあ。あんなオヤジに意見されるなんて。
自炊部屋では3組だったが案外と狭い。その後どうやって寝たか記憶が無い。

2.二日目
北岳山荘から北岳を越えて下山
4:00-6:10山頂-7:05小太郎尾根分岐-9:35二俣-11:30

さすがに明るくなるのが早い。4時にはヘッドランプ無しで普通に歩ける。
待望のキタダケソウとの面会だぞ。
トラバース道のあちこちに群生している。
案外と小振りな花で、何となくはかなげだ。
ハクサンイチゲを二周りほど小さくした花だがシベの緑がポイント。
花弁が多くて菊っぽいが清楚さというか気品がある。
充分に堪能して山頂を目指す。別にピークハントではなく、雪渓を下りたくないだけ。
分岐から辛い登りをこなしてやっと頂上だ。
超一級の大展望だ。いつ見てもといっても四度目だが、最初はガスだったので三度目だ。
ぐるりと360度。北岳以外の殆どの山が見えるんだから苦労して登る甲斐は充分にある。
下の広河原山荘か御池小屋に寝れば日帰りできるので初心者でも何とかやれる。
頑張って登ってみてください。7月中旬からはキタダケソウには遅いけどそれこそ百花繚乱です。
稜線ではハクサンイチゲとオヤマノエンドウ、ミヤマキンバイが目立った。
小太郎尾根分岐で食事をゆっくりとり、目の前の甲斐駒に見惚れてマッタリする。
二俣も時期が早いのと雪が多くて、ハクサンフウロなどはまだみたいだ。
2時間かけて広河原に戻り、身体を拭いてバスに乗った。

花の記録

キタダケソウ ハクサンイチゲ オヤマノエンドウ ミヤマキンバイ キバシャクナゲ
ミヤマミミナグサ カラマツソウ ミヤマハナシノブ オドリコソウ ミツバオーレン サンカヨウ 
マルバキスミレ チシマアマナ ヤツガタケタンポポ

期待通りのキタダケソウで大満足。
あのオヤジのダメだしは余計だったが。

次回はT氏と歩いた白根三山縦走。


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