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【断末魔の中韓経済③】THAAD配備で長期化する中国の対韓報復 韓国を襲う「輸出依存」の経済成長を追求したツケ

2017-09-28 | 韓国の歴史・韓国情勢
2017.09.28

中国国内で閉鎖されたロッテマート(ロイター)

米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD(高高度防衛ミサイル)」の韓国配備に対する、中国の報復が長期化している。韓国の商工会議所などは、2017年2月にロッテグループや化粧品・旅行業界を中心に、中国での経済被害が本格化した後も、THAAD配備に抗議することも、中国を批判することもなかった。下手に騒ぎ立て、中国の反発を招き、被害が大きくなるのを恐れたのだろう。

もっとも、中国における韓国企業の経済被害は、とどまるところを知らずに膨らみ続けている。

THAADに用地を提供したロッテグループは、中国国内の営業店に対する、当局の嫌がらせ行為(営業停止措置など)により、5000億ウォン(約490億円)の損失を被った。また、現代・起亜グループの中国における自動車販売は、それぞれ前年同期比64%減、同62%減と、大きく落ち込んだ。

被害は中国に在留する韓国人にも及んでいる。

中国の韓国大使館は、中国国内の韓国人に対し「身の安全に注意する」ように呼び掛けた。実際、在中韓国人の犯罪被害件数は、15年が675件だったのに対し、16年は1332件と倍増した。

現代経済研究院によると、THAADが韓国に配備された3月以降、中国における韓国企業の経済被害は、年末までに8兆5000億ウォン(約8346億円)に達するとのことである。

もっとも、だからといって文在寅(ムン・ジェイン)政権は、北朝鮮の「核・ミサイル危機」がここまで深刻化している状況で、THAAD配備を拒否できるはずもない。実際、9月7日、文政権はTHAADのミサイル発射台の追加配備に踏み切った。

興味深いのは、文政権のTHAAD追加配備に際し、発射台が配備される韓国南部の星州(ソンジュ)の住民が、「配備により北朝鮮の攻撃対象にされる」と猛烈な反対運動を繰り広げたことだ。何というか、日本も他国のことを言えた話ではないが、韓国のナショナリズム(国民意識)や安全保障に対する感覚も、相当に壊れている。

もちろん、星州の住民の懸念を全く理解できないという話ではない。とはいえ、そんなことを言い出した日には、軍事紛争が勃発した際に、国境の向こうから飛んでくる砲弾が降り注ぐ可能性がある、ソウル市の方がよほど危険である。

結局のところ、韓国は「平和が常に続く」という荒唐無稽なグローバリズムの下で、安全保障を軽視し、輸出依存の経済成長を追求したツケを支払おうとしているのだ。日本は韓国を他山の石とし、内需中心の経済成長を志向し、安全保障を強化しなければならない。

■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。経済評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は「経世論研究所」所長。著書に『中国不要論』(小学館新書)、『今や世界5位「移民受け入れ大国」日本の末路』(徳間書店)など多数。

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