マジャル人の血が騒ぐのか?
ハンガリーを建国したアジアの騎馬民族を祖先とするマジャル人は周縁地区を含めて1450万人、クルドより少し少ないが、ちゃんと国家がある。クルド族とロマ(ジプシー)は国がない。
EUの異端児とされるハンガリーのオルバン首相の言動は地政学的観点にたてば極めて常識的である。
オルバンは「ウクライナのNATO加盟はロシアとの全面戦争、翌日には第三次世界大戦につながる。EUがウクライナ加盟を急ぐと、前線はヨーロッパの中心部にまで引きずり込まれるだろう」と述べた。
すでに何回目かの警告だが、オルバンは一貫して武器供与やロシアへの制裁など、ウクライナ紛争に関するブリュッセル(EU本部)の政策に反対してきた。
ウクライナのEU加盟はハンガリー経済を含むEU全体を破滅させると主張するオルバン首相は敬税制策についても、安価なウクライナ産農産物がハンガリーの農家を圧迫していると激しく不満を述べていた。農作物に関してはポーランドも同様にウクライナへの不満を述べているし、エネルギーをロシアに依存するスロバキアはほぼオルバンに同調している。
6月26日、オルバンはEU外務理事会でウクライナに関するEU共同声明を拒否した。
つまりウクライナのEU加盟も阻止したのである。
またハンガリーで実施された「ウクライナのEU加盟を支持しますか?」という世論調査では95%がウクライナのEU加盟反対だった。
オルバンは、「ウクライナは『勝ち目がない』。ところが戦争に飢えた政治家たちは、戦争を継続しなければならないと我々に信じ込ませようとしている」と主張した。
「私たちはウクライナのために死にたくない。息子たちが棺桶に入って戻ってくるのも望まない。隣にアフガニスタンのような国があってはいけない」
オルバンが『ハンガリーのトランプ』と呼ばれる所以は第一に移民・難民に対し強硬な政府姿勢を貫き、第二にLGBTに反対しているからだ。
しかしオルバン政策でもっとも注目されるのは少子化対策である。
第三子出産以降の所得税免除や不妊治療の無償化など徹底的な少子高齢化対策を行い、2人以上の子供を持つ家庭に対して住宅補助金および利子補給金給付を支給。
2019年からは「出産ローン」という制度が創設され、結婚し出産を控えた夫婦に対して無利子で1000万フォリント(日本円で約410万円)のローンを提供。子供を4人産むと母親の所得税(15%)が免除される制度も導入されている。
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