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「台湾侵攻」絶対阻止、中国の軍事的威嚇にクギ 米中外相会談 「クアッドと同タイミングでの開催はインドを引き止める意図」識者

2022-09-26 | アジア情勢

2022.9/24

ブリンケン国務長官(左)は王毅外相に対し、米国の強い姿勢を伝えた=23日、米ニューヨーク

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は23日、中国の王毅国務委員兼外相と、国連総会が開かれている米ニューヨークで会談した。習近平国家主席率いる中国が軍事的覇権拡大を続けるなか、ナンシー・ペロシ米下院議長が8月に訪台して、中国が台湾周辺での大規模軍事演習に踏み切って以降、米中外相が直接対話するのは初めて。ジョー・バイデン米大統領は、中国による台湾侵攻があれば、米軍が防衛する意向を重ねて表明している。安倍晋三元首相は生前、「台湾有事は日本有事、日米同盟の有事」と警鐘を鳴らしていたが、米国は中国による「台湾侵攻」を阻止する姿勢を強めている。

「台湾海峡の平和と安定の維持は、地域と世界の安全と繁栄に不可欠だ」

ブリンケン氏は会談でこう述べ、中国に軍事的緊張を高める行動を慎むよう求めた。米国が「一つの中国」政策を維持していることも伝え、台湾海峡の安定を求めた。

また、ロシアのウクライナ侵攻を改めて非難し、中国による対露支援に懸念を表明し、北朝鮮を含めた「新・悪の枢軸」の形成を思いとどまるよう、クギを刺した。

米国務省は会談後、ブリンケン氏と王氏が「緊張状態にあるときこそ、開かれた意思疎通を維持し、米中関係を管理する必要性」について議論したと発表し、対話の継続を強調してみせた。

バイデン氏と習氏による、初の対面による米中首脳会談への調整も進められているが、台湾海峡をめぐる緊張は緩和する兆しを見せていない。

日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「クアッド(QUAD)」の外相会合が23日開かれ、中国の覇権主義的行動を念頭に、「『自由で開かれたインド太平洋』の推進に向けて協力を深める」ことで一致した。

中国による東・南シナ海での軍事的覇権拡大が進むなか、ペロシ氏は8月2日、現職下院議長として25年ぶりに訪台し、「活力ある民主主義を支援する米国の揺るぎない関与を示すもの」と断言した。

中国は逆ギレし、台湾を取り囲むように大規模な軍事演習を実施し、日本のEEZ(排他的経済水域)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んできた。狂気の沙汰というしかない。

バイデン氏は18日に放映された米CBSテレビのインタビューで、「米軍が台湾を防衛するのか」と質問され、「前例のない攻撃が行われたなら、イエスだ」と明言した。

バイデン氏は5月の訪日時などを含めて4回、台湾有事の軍事介入を表明している。ホワイトハウスは毎回、「米国の立場に変更はない」と説明しているが、もはや「戦略的曖昧さ」からの方針転換と見て間違いない。

習氏は来月16日からの共産党大会で、「中華民族の偉大な復興」の実現に向けて、異例の「3期目」の承認を目指している。台湾統一も、明確な「目標」として位置づける見通しだ。

米国は「自由」と「民主」「人権」「法の支配」を守るため、同盟国とともに、中国への牽制(けんせい)を強めそうだ。

東京・北の丸公園の日本武道館で27日に営まれる安倍氏の国葬には、バイデン氏の代理としてカマラ・ハリス副大統領が代表団を率いて参列する。

米国は参列理由について、安倍氏の功績をたたえ、日米同盟を擁護し、「自由で開かれたインド太平洋」の概念を自由主義国に広げたリーダーシップの重要性を改めて強調するためだとしている。ハリス氏は訪日に合わせ、岸田文雄首相と会談し、台湾問題について協議する見通しだ。米海軍横須賀基地も訪問して、日米同盟強化について演説するという。

一連の動きをどうみるのか。

国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「バイデン政権は、台湾に対する『戦略的曖昧さ』から、関与を強める『戦略的明確さ』に移行するだろう。米中外相会談とクアッドの外相会合を同じタイミングで開いたのは、中国に腰が引けたインドを引き止め、厳しい対中姿勢を示す意図だ。米上院外交委員会は台湾を実質的な同盟相手とし、軍事支援の大幅強化や、有事での対中制裁を盛り込んだ『台湾政策法案』を賛成多数で可決した。米議会は超党派で『厳格な対中姿勢』で一致している。岸田政権も『台湾有事は日本有事』と再認識して、中国の動向をさらに注視し、厳しい姿勢で臨むべきだ」と語った。


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