ウクライナ戦争によりロシアからの石油、ガス輸入が制限され、あるいはドイツのように海底パイプラインが破壊され、物理的にガスの輸入に大きな支障が出た。
供給先の多元化を急いできたが、エネルギー代金の高騰は物価を押し上げ、インフレを招きよせる。
ところが中国は悠然と、西側が制裁対象とするロシア、イランから膨大な石油を輸入している実態がある。とくにロシア、イランは中国向け輸出に値引きしている。直近の通 . . . 本文を読む
中国人民解放軍戦略ミサイル部隊「ロケット軍」の司令官に王厚斌上将(大将)が、「政治委員」に徐西盛上将が就任した。突然、ロケット軍のトップ2人が同時に交代するという「異例の人事」である。背景には汚職や機密漏洩問題が取りざたされているが構造的には軍内の権力闘争である。
前任の李玉超は2022年1月に上将に昇進したばかりで僅か1年半で交代。新任の王は海軍出身、徐は空軍出身で、ロケット軍の生え抜きではな . . . 本文を読む
7月25日に全人代常務委員会は中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁退任にともない、後任に同行の副総裁で党委員会書記の潘功勝を決めた。
国際金融界は驚きを隠せず、潘、WHO? を連発した。
潘功勝は安徽省出身。人民大學で経済学博士の「ドメス専科」(国内専門派)。米欧で勤務経験があるとはいえ、目立った業績はなく前任者の周小川、郭樹清ら国際派人脈と比べると金利通貨政策への不安感は払拭できない。
潘は . . . 本文を読む
ピューリサーチは信頼性の高い世論調査機関である。
7月26日に発表した世界25ヶ国、およそ30000人を対象とした中国の印象、世論逃散で「中国は好ましくない」が67%、「好ましい」は28%という結果が出た。
マスク外交の失敗、戦狼外交への反発、ウクライナ問題での鵺的姿勢など、嫌われる理由は山のようにあるが、反省しないところが中華思想の国らしい。
とくに中国への期待がひっくり返り、「G2」「ス . . . 本文を読む
中国の若者の失業率は公式では21・3%。実態は専門家が暴露したように46・5%前後、すなわち新卒の半分に職がない。
1158万人がことし中国の「大學」なる機関を卒業した。
「各地の寺院には週末になると長蛇の列ができ、若者が就職祈願をする姿が多く見られるようになった」(ロイター、23年4月27日)。
碌な職場がないため、良い企業に就職できますよう、無神論の中国人が祈りに来る。たいそう矛盾した話 . . . 本文を読む
「秦下王上」(秦剛が失脚し王毅がまた外相に)と騒いでいる。
謎だらけだから憶測も多彩である。女性スキャンダルは共産党幹部に付きもので、これで失脚した中国の政治家はいない。張高麗は有名なテニス選手を愛人にしていたが、メディアが騒いでも「おとがめ」は無かった。
したがって香港フェニックステレビの女性キャスターと秦剛が愛人関係であろうと、子供がいようと、失脚理由にはなりにくい。
ところが例外は外国 . . . 本文を読む
オバマのシェフが事故死したが、溺死である。
オバマ元大統領が現職時代、ホワイトハウスの料理長だったタファリ・キャンが、オバマの豪邸が建つマサチューセッツ州のマーサズ・ビニヤード島で死亡していた。パドルボードを漕いでいて溺死した(7月23日)。暗殺?
ただの事故死である。同じ料理長だったプリゴジンとは違う。
そのもっと前、4月26日に習近平のボディガードのトップだった王少軍(中央警衛局長)が . . . 本文を読む
王毅前外相が大忙し、なにしろ外相の代行までつとめなければならない。おれは政治局員に昇格し、いちいちアフリカの奥地まで飛んでいけるかっ、と怒りの表情が読み取れる。
それもこれも秦剛外相が舞台から消えたからだ。
秦は外交畑のエリートコースを驀進し、2021年に駐米大使を拝命、2022年12月には、外交部部長(外務大臣)への就任が決まった。2023年3月の全国人民代表大会で国務委員にも選出された。
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ネット上に飛び交っている不満のなかに次のような意見が散見される。
「おれのような惨めな下積み仕事じゃなくて、息子には何としても大學を出て貰いたかった。で、賢明には朝から夜中まで働き、徹夜の土木作業、道路清掃、建築現場の労働はきつかった。そして息子がやっと卒業した。ところが就職先がなくていまデリバリーをやってる。国有企業はよほどのコネでもないと入れないし、息子の夢だった外資企業は中国からでていくば . . . 本文を読む
中国人民解放軍のなかでAI開発に辣腕を発揮していた一人の大佐が急逝し、7月15日に八宝山革命墓地で葬儀が行われたと『サウスチャイナ・モーニングポスト』が伝えた(2023年7月17日、電子版)。
この人工知能の指導者は軍事シミュレーション用AIのソフトウェア開発を担った馮陽河大佐で、享年38歳という若さだった。死因は交通事故という。
そもそも八宝山で葬儀が催行される「資格」とは軍人ならば、元帥、 . . . 本文を読む
2023.7/15
習近平主席率いる中国の危険度が上がっている(共同)
習近平国家主席が君臨する中国で1日、「反スパイ法」が改正された。従来の「国家機密」だけでなく、「国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料、物品」の提供や窃取も取り締まりの対象とされた。定義が不明確で、恣意(しい)的な運用が加速される危険性が高まっている。
ジョー・バイデン米政権は、自国民に中国への渡航を再考するよう警告 . . . 本文を読む
昨今、中国では公園や森林の破壊が進んでいる。飢饉が迫り、急遽、農耕地に転換して農作物を増産する目的である。
また既存のバナナやトウモロコシ畑を、収穫を待たずにブルドーザをもってきて破壊し、適正な農作物への切り替えろと強要し、各地で農民の不満が爆発している。緑地帯ははげ山に公園は地盤が農耕に適さないため地盤改良が必要だが、上からのノルマは果たさなければならない。
「あれだけカネをかけて造成した公 . . . 本文を読む
三年前まで筆者は著作を通じて、中国の地方政府の債務を860兆円と見積もってきた。昨年に中国は1100兆円と半ば認めていたが、筆者はたぶん1600兆円を越えたはずだと予測した。
多くの世界的なエコノミストやシンクタンクは、1100兆円説を報じた。これだけでも中国のGDPの半分である。2019年のコロナ以後、債務は50%増えた。
主要都市の三分の二が歳入より債務が多くなり、とくに甘粛省蘭州市の債務 . . . 本文を読む
7月7日、イエーレン米財務長官は北京入りし、李強首相と人民大会堂で会談した。
イエーレンは「米中関係はデカップリングではなく、公平なルールに基づいた良性の競争を求める」と意味不明の言動、李首相も「中米が正しいつきあいをできるかは人類の将来、運命に拘わる」などと大げさなことを言い出し「協力の強化は正しい選択だ」とこれまた意味不明の言葉でかえた。
イエーレン訪中など李強首相にまかせ、習近平は7日ま . . . 本文を読む
嘗て中国は日本向けレアアースの輸出を止めたことがある。
戦略備蓄を怠ってきた日本企業は悲鳴を上げた。代替供給地を求め、カザフスタンなどと交渉した経緯がある。昭和電工などは中国に生産工場を移転して対応したほどだった。
中国は2023年8月1日からガリウムとゲルマニウムの輸出を規制すると発表した。対中ハイテク供与禁止の西側へ報復のつもりらしく、いずれも半導体、通信機器、太陽光パネルの材料に使われ、 . . . 本文を読む