まず文章構成のアドバイスから始まり、比喩や引用の上手な使い方の説明など、実用的な事次々と説明してくれます。またこのような指摘だけではなく、句読点の打ち方、ひらがな・カナ・漢字の使用比率など文章を書くに当たっての基本的な知識も説明してくれます。このような説明は、文系の学校を出た方には当たり前の事かもしれません。しかし文系の学校を出ていない私にとっては、このような基本的な知識こそ知りたかったので本当にありがたかったです。
また筆者は言葉遣いにも拘りがあるらしく、「小生」「浅学非才」「貴兄」などの表現は、却って嫌味っぽく感じるので辞めた方が良いと語っています。これについては私自身その傾向があったので、今後は改めようと思いました。
他では先日を感想を書いた清水幾太郎著の「論文の書き方」でも書かれていた、「曖昧接続の『が』を使うな」というのを、本書でも書かれていたのが印象的でした。一応私も「論文の書き方」を読んで以来、「が」はなるべく使わないように努力しているつもりです。そのように気を使ってる最中に、本書でも同じ注意がされていたので、この「が」については今後も注意していこうと改めて思いました。
このように本書は全編で、上記のような文章を書くに当たっての実践的な技術が書かれています。おかけで読んでいるこちらも引き込まれてしまい、一気に最期まで読みきってしまいました。
しかし一方で、本文中に自分の著書の宣伝を何度も行なう筆者の品性には、最期まで馴染む事は出来ませんでした。