歴声庵

ツイッター纏め投稿では歴史関連(幕末維新史)、ブログの通常投稿では声優さんのラジオ感想がメインのブログです。

うたわれるものらじお 第51回(最終回)

2007年06月26日 23時01分27秒 | 声優ラジオ関連

 約一年間聞きつづけた「うたらじ」も今回が最終回、そんな最終回はリスナーの多くが待ち望んだ本当に全編フリートークと言う最後に素晴らしいプレゼントをしてくれました。最終回と言う事で、正直柚木姉さんのテンションが下がってしまうのではと不安でしたが、いざ放送が始まると二人ともテンション全快で、とても最終回とは思えないノリの良い内容でした。しかし本当に番組の初期と比べると力也さんは(良い意味で)変わりましたね、かつては自身がよく口にするように品行方性を絵に描いたような力也さんでしたが、最終回の今回は「俺のキンタマを食え~!」と叫ぶまでになり、正に柚木姉さんの調教により新たな人格が生まれたのですね(笑) 一方の柚木姉さんも力也さんにラブラブ光線を発しているのは初期から変わりませんが、力也さんに対して「もうオチてるでしょ?」と語るなど、最終回の今回は一種余裕がある感じでしたね(笑)
 また今回の全編フリートークでは、先日行なわれた箱根旅行についても多く語られたのですが、柚木姉さんが「初めて力ちゃんが私にデレった」と語れば、力也さんもそれに対して強く否定しないなど、お二人の仲の良いストロベリートークをニコニコと聴いていました。
 そんな楽しい時間も永遠に続く訳ではなく、いよいよ最後の挨拶となった時、柚木姉さんが「最終回では結婚式をすると言ってましたが事務所NGが入りました」と語ったのですが、正直言うと少しは「最終回で結婚式」というのを期待していたんですけどね。そう言う意味では本当に楽しい最終回でしたが少し残念だったかな。
 こうして最後の挨拶が終り、これで最終回も終わりかと思ったら、最後の最後で再びドラマが開始、このドラマは常にオープニングだけだったので意外に感じていたら、その内容はラジオで生まれたハクオロの人格をウルトリィに代わってエルルゥが封印すると言うシリアスな展開ながらも(力也さんが終始良い声)、このラジオの内容を考えると中々意味深な終わり方でしたね。このようなラジオ番組の最終回がドラマで締めると言うのは知らないので、そのような点でも「うたらじ」は最終回も規格外の本当に印象に残る終わり方でした。
 そして放送と同じくらい毎回楽しみにしていた収録風景も、最終回の今回は衝撃の写真だったので、こちらも最終回に良い者を見せて頂いたと思っています。力也さん、柚木姉さん、そしてスタッフの皆さん一年間本当に楽しい番組をありがとうございました。

 そんな訳で約一年間毎週楽しみにしていた「うたらじ」も遂に終わってしまい、少々放心しています。このような気持ちは「はにはにラジオ」の最終回以来なので、私にとって「はにラジ」と「うたらじ」はやはり特別な番組だったと実感しています。
 さて「うたらじ」の感想自体はこれくらいにしますが、当雑記張にとっても「うたらじ」は更新の良いモチベーションになってくれた気がします。一時期はそれこそ月に数回しか更新しない時期もあったのに、「うたらじ」のおかげで定期的に更新するようになり、次第に更新のペースも上がってきたので、そのような意味でもこの「うたらじ」には感謝しています。ところで現在当雑記張では「うたらじ」のカテゴリが設けられていますが、番組が終わった以上ある程度したら「声優関連2(うたらじ関連)」とカテゴリ名称を変更したいと思っています。


白石・福島・二本松・白河日帰り紀行記

2007年06月24日 23時27分29秒 | 登城記・史跡訪問

 先日夏コミ向け原稿の作成が一段落しましたので、前々より行こうと思っていた宮城県(旧仙台藩領)白石の世良修蔵の墓所に昨日行ってきました。ただ折角白石まで行くのだから白石と、同じく世良が暗殺された福島しか行かないのは勿体無いので、また訪れた事の無い二本松と、まだ関連史跡を全て訪れていない白河に行ってきましたので簡単に紀行記を書かせて頂きたいと思います。

 行きは夜行バスを使いましたので、23日の早朝5時には白石駅に到着して、そのまま世良の墓所がある陣馬山に向かいました。駅から15分程歩いて陣馬山に到着し山頂の世良の墓の墓参をする事が出来ました。去年の11月に世良が生まれた山口県の周防大島を訪れて半年余、遂に白石の世良の墓参をする事が出来たので感無量でした。
 ところで世良の墓を実際にみて印象的だったのが、「小説家」の星亮一氏等が騒いでる世良の墓にある「削り跡」ですね。これについて星氏等は「賊と書かれた事に義侠心を燃やされた地元の方が削り取った」と言っていますが、実際に墓を見た感想としてはとても素人が削った跡とは思えないので(正直最初はどこが削られたのか判らなかったくらいです)、星氏等には悪いですが、あれはやはり大赦を受けて役所が本職の人に依頼して、賊の文字を極力墓所を傷つけないように削ったと言うのが正しいと感じました。星氏がいうように義侠心に燃えた旧仙台藩士が削ったのなら、もっと破壊するのではないでしょうか。
  
左:陣馬山
右:陣馬山に建つ世良の墓

 そんな世良の墓所がある陣馬山を後にして次に向かったのは白石城、ここは奥羽越列藩同盟の公議所を設けられた場所なので訪れたのですが、そう言えば不勉強の為この公議所が二の丸に設けられたのか本丸に設けられたのか、まだ知らないんですよね。

 白石城を訪れた後は電車で二本松に移動、ここではレンタル自転車を借りて移動したので、本来一日では回りきれない距離を効率よく回る事ができました。まずは二本松城攻防戦の前哨戦に当る大壇口倶中口の両古戦場を訪れた後に二本松城に向かいました。二本松城に関しては、まりもさん梅痴鴉さんから二本松城は意外と大きいと聞いてはいましたが、それでも想像以上に大きい城だったので驚きました。何せ大手門をくぐって城内に入ったと思ったら、そこには丘どころか小山があるんですもの。そんな小山をえっちらおっちら登っていたら頂上に天主台の石垣がそびえ立っており、そこからは二本松市内を一望出来ました。正しく二本松城は広大な堅城でしたね。 そんな二本松城が新政府軍の攻撃の前で一日で落城したのは、「逆に城が大きすぎて在城の兵力だけでは守れなかった」というまりもさんの説が正しいと実感出来ました。
 しかし二本松城を訪れて思ったのが、史料には当時の二本松藩首脳部は玉砕覚悟で新政府軍と抗戦したと書かれていますが、玉砕覚悟で戦うのならば大壇口や倶中口等に戦力を分散配置するのではなく、城内に篭って新政府軍を迎え撃った方が良かったんじゃないですかね? 外郭を放棄して新政府軍を城内に引き入れ、進行ルートが固定される城内に大砲を配置して迎撃した方が出血を強いれると思うんですけどね。常識的に考えれば城下町を放棄して城内に敵軍を引き入れて迎撃するなどは愚作ですが、玉砕覚悟なら下手に兵力を分散するよりも城内で集中して迎撃する方が損害を与えれると思うんですけどね、上手くいけば新政府軍の第一次攻撃くらいは撃退出来たのではと思うのですけどね(最終的には殲滅させられますが)。そんな妄想をしてしまうほど、二本松城は想像以上の堅城でした。
 また話は代わりますが、二本松市内の本屋で大山格先生の「慶喜、謀叛!!」を見かけたので嬉々として購入しました。ずっと探していたのに見つからなかったのに、薩摩軍も参戦した二本松でこの本を見かけたのは何かの縁かと思いました♪ 

  
左:大壇口古戦場
右:二本松城大手門口

 二本松を後にして今度は福島に移動、福島について誤算だったのは期待していたレンタル自転車を借りれなかった為、想像以上に時間が掛かってしまいました。そんな福島では世良の霊神碑と、世良が襲撃を受けた金沢屋跡、そして仙台藩(列藩同盟?)の軍事局が設けられた長楽寺を訪れました。世良が襲撃を受けた金沢屋は現在ビルが建っていて当時の面影は全くありませんでしたが、それでもようやく訪れる事が出来たという思いがありました。ところでこの福島で印象的だったのが、世良の霊神碑を訪れた時に、世良の碑を訪れる人が珍しいのが地元の方に声を掛けられ、その家族と少し話したのですが地元では漠然とですが世良はやはり良いイメージを持たれていない事に、この世良問題の根の深さを改めて実感しました。


世良の霊神碑

 そんな福島を後にして続いては白河に移動、白河には六年前に訪れた事があるのですが、まだ訪れていない史跡がたくさんあるのではりきっていたのですが、しかし福島でレンタル自転車を借りれなかったのが響いて、白河に到着したのは夕方の五時半、これでは回れる場所も少なく、結局訪れる事が出来たのは白河城及び平城及び棚倉城攻防戦で戦死した薩摩軍戦死者の墓、そして同じく白河城攻防戦で戦死した仙台藩士の供養塔だけで、ここを訪れた後新白河駅から新幹線で帰宅しました。


仙台藩士戦死者の供養塔

 以上が今回の日帰り取材旅行の感想です、今回ブログでアップした以上に撮影した画像はたくさんあるのですが、二本松城攻防戦について記事を書くのは当分先になりそうです。ただ世良の暗殺事件に関しては、先日書いた幕長戦争大島口の戦いの記事内で書かれた箇所に加筆修正し、また今回撮影した画像も加えて独立した記事にして今年中には完成させたいと思っています。


佐々木克著 「戊辰戦争」

2007年06月21日 22時43分22秒 | 読書

 先日感想を書いた原口清の「戊辰戦争」、石井孝氏の「維新の内乱」「戊辰戦争論」を受けて書かれた著書です。筆者の佐々木氏も、原口氏と石井氏が唱える「明治新政府=絶対主義権力」には異論はないらしく、本書の特徴として「徳川慶喜についての考察」と「奥羽越列藩同盟の性格についての考察」が挙げられ、これが原口氏と石井氏の主張と異なります。
 慶喜については筆者は全般的に批判的で、「その場の思いつきで行動する」と非難して鳥羽伏見の開戦の責任、敗戦後部下を見捨てて脱出した、江戸帰還後も他人任せとかなり酷評してるのが特徴です。ただ江戸帰還後の慶喜の動向については原口氏の説と本質的な意味では同じで、これを慶喜に対して好意的に書くか否定的に書くかの違いで原口氏の説と佐々木氏の説が分かれていると感じました。
 また恐らく筆者が最も主張したかったと思われる「奥羽越列藩同盟の性格」については、原口氏の唱える「大政奉還が目指した理想のコースの現実化した政権」を更に超えて、新政府に対抗出来る諸侯連合による東日本政権と非常に高い評価を与えているのが特徴です。ただし奥羽越列藩同盟を高く評価していると言っても、「小説家」の早乙女貢や星亮一氏の様にただ「会津こそ正義!、薩長は悪!」と感情論を煽り立てて、肝心の内容は史料の後付けがない感情論の羅列ばかりと言った煽動屋とは違って、きちんと史料を調査して持論を展開する姿勢は流石は本職の歴史家の先生だと好感が持てました。
 しかし好感が持てると言っても、個人的には佐々木氏の意見には反対で、幾ら立派な体制や条文を作ったとしても、軍事指揮権の統一すら出来なかった奥羽越列藩同盟が政策面で統一行動が可能だったとは甚だ疑問ですし、そもそもあくまで薩長主導の明治新政府に対抗する勢力として誕生した、あくまで能動的な立場で発足した奥羽越列藩同盟が時代を先導する事が可能な政権だったとは思えません。

 まあ私の卑見はともかくとしまして、奥羽越列藩同盟に好意的な意見を述べてる佐々木氏ですが、箱館戦争については五稜郭の榎本一党を蝦夷共和国と呼ぶ風潮に対し「首脳部の人事決定を公選で行なったという形式と過程に目を奪われ過ぎている」とあくまで徳川家浪人の脱走軍と説明し、何でもかんでも反新政府勢力を美化する「小説家」とは一線を介した史料に基づいた持論を展開してくれます。
 また原口氏とは違い、実際の軍事行動についても踏み込んだ説明と考察をしてくれているのが特徴です。

 その様な訳で徳川慶喜に対してはやや感情的と思えるような批判もありましたが、奥羽越列藩同盟については支持をしつつも、あくまで学問として奥羽越列藩同盟を再考察と言う論調になっているので、非常に興味深く読ませて頂きました。


うたわれるものらじお 第50回

2007年06月19日 21時58分07秒 | 声優ラジオ関連

 いよいよ「うたらじ」もラスト二回となりましたが、そんな今回はまさかの大御所飯塚昭三さんがゲストでした。飯塚さんは声のイメージから豪快な人柄を想像していたのですが、初めて素の声での会話を聞いた実際の飯塚さんは確かに豪快でしたが、ただ豪快な訳ではなくユーモアもあり、番組中力也さんと柚木姉さんが語っていた通りお茶目なお爺様でした(^^) いや本当に今回は飯塚さんの独壇場でしたね、トークの面白さでは常にパーソナリティーの二人を圧倒し、それでいて少しでも隙を見つければ駄洒落を連呼、また時には下ネタも語りましたが、不思議といやらしさを感じなかったのは人生経験の賜物でしょうか。またトウカのコーナーでは柚木姉さんだけではなく、力也さんにまで「アーン」をする飯塚さんには爆笑させて頂きました、本当に飯塚さんがこんなに面白い方とは知りませんでした(^^)
 また面白い話だけではなく、時には先輩の役者としてはお二人にアドバイスをし、そしてラストニ回になって初めて「うたわれるもの」のストーリーについて深い感想を語ってくれるなど、本当に良い意味で普通のラジオとして面白いと感じれた、ここ最近ではダントツに面白い回でしたね(^^)

 そんな本当に楽しい回だったのですが、前回ゲストの大川さんもそうですが、このような素場らしいベテランの役者さんを何故もっと早くゲストに呼んでくれなかったのだろうとつくづく思ってしまいます。若い女性声優さんが出演する番組はそれこそたくさんありますが、この「うたらじ」のようにベテランの役者さんを呼べる番組は殆ど無いと思うので、もっと早くからベテランの役者さんを呼んでほしかったですね。それこそ池田さんとか京田さんとかラジオでお話を聞いてみたかった役者さんはまだ居ただけに余計そう感じてしまいます。

 ところで今回「うたらじ」のムック本の紹介がありましたが、その際の柚木姉さんの「売る物を作りましたよ~」には爆笑させて頂きました。売る物が無くなったら作れば良い、なんてポジティブな人なんでしょう(笑)


石井孝著 「戊辰戦争論」

2007年06月17日 16時14分41秒 | 読書

 先日感想を書いた原口清氏著の「戊辰戦争」と、後日感想を書く予定の佐々木克氏著の「戊辰戦争」に対する批判として書かれたのが本書です。著者の石井氏(以降「筆者」と記述)も「明治新政府=絶対主義権力」との見解は原口氏と同意見なのですが、原口氏が戊辰戦争の性格を「個別領有権(封建主義)を否定する絶対主義権力と個別領有権を認める列藩同盟(公議政体派)権力との闘争」を評してるのに対し、筆者は戊辰戦争の性格を服部之総氏が唱えた「絶対主義権力を目指した二つの勢力の闘争」の説を継承しているのが特徴です(申し訳ありませんが私は服部氏の著書は未見です)。
 ただこの服部氏の説は原口氏に「もし戊辰戦争が二つの絶対主義権力を目指した闘争なら、新政府に敵対した勢力の主力の奥羽越列藩同盟も絶対主義権力を目指す勢力なのか」との反論の余地が無い批判をされている為(奥羽越列藩同盟は贔屓目に見て公議政体派権力が限界でしょう)、筆者は新政府と徳川氏勢力との戦いが鳥羽伏見の戦い~上野戦争という従来の説を否定して、幕長戦争~上野戦争までを絶対主義権力化を目指す明治新政府と、同じく絶対主義権力化を目指す徳川氏との戦いと位置付け、これならば期間的に新政府と奥羽越列藩同盟との戦闘期間より長くなるので、これをもって戊辰戦争を「絶対主義権力を目指した二つの勢力の闘争」との根拠としているのですが、正直これは原口氏の批判に対抗する為のこじつけと言わざるを得ません。
 また徳川慶喜を徳川勢力の絶対主義権力化への指導者と位置付けているため、鳥羽伏見の戦いは慶喜の指示によって行なわれたとしていますが、そうなると慶喜の江戸脱出は矛盾した行動になるのですが、これに対して筆者は「江戸での決戦を目指して江戸に帰還した」と解釈していますが、本当に最初から慶喜が開戦を目指していたのならこの解釈は苦しいと言わざるを得ません。
 また江戸に帰還した慶喜は新政府との再戦を試みていたという解釈は同意出来るのですが、では何故慶喜が再戦を諦めて恭順したのかについては詳しく述べられていないので、正直「慶喜は当初は江戸で再戦するつもりだった」と言う筆者の説は尻切れトンボの感がありました。

 この様にこの本で著者が訴えたかった「戊辰戦争は絶対主義権力を目指した二つの勢力の闘争だった」の説は残念ながら説得力を感じる事が出来ませんでしたが、恐らく著者にとって副次的な内容であろう本書後半の主張「奥羽越列藩同盟は遅れた封建領主のルーズな連合体に過ぎない」「箱館戦争は徳川家浪人による士族反乱に過ぎない」は非常に共感出来る物でした。
 原口氏は列藩同盟を「公議政体=大政奉還コースの現実化した諸藩連合政権」と評価していましたが、少なくとも軍事指揮権すら統一出来なかった同盟が果たして諸藩連合政権と呼べるものなのかと思っていた私にとって「奥羽越列藩同盟は遅れた封建領主のルーズな連合体に過ぎない」という筆者の主張は非常に共感出来るものでした。
 また一部で蝦夷共和国と持て囃される榎本一派を「徳川家浪人による士族反乱」と斬り捨てたのも、当初は過激な意見と思いましたが、読み進めるに従い著者の主張こそ理にかなっていると感銘を受けました。

 この様に筆者が最も主張したかった「戊辰戦争は絶対主義権力を目指した二つの勢力の闘争だった」については説得力を感じられませんでしたが、それ以外の奥羽越列藩同盟と箱館戦争の説明については原口氏の説明より説得力を感じました。原口氏と石井氏どちらの意見が正しいと言うより、両者の意見を読み両者の意見で自分が支持する説を折衷するのが一番良いのではと思います。
 尚、軍事面での説明は皆無だった原口氏に対して、筆者は軍事面での説明をしてくれていますが、こちらは正直特筆すべき事はありませんでした。


久々に「はにラジ」聴いています

2007年06月15日 22時15分42秒 | 声優ラジオ関連

 「うたわれるものらじお」最終回の知らせを聞いて以来、「うたらじ」と並んで私が好きな声優さんのラジオ番組の「はにはにラジオ」を最近よく聴き直しているのですが、聴けば聴く程「うたらじ」と「はにラジ」は正反対の番組だな~と実感しています。
 ご存知の通り「うたらじ」はパーソナリティーの力也さんと柚木姉さんの素の魅力が番組の持ち味ですが、反面力也さんと柚木さんに全ておんぶと抱っこで、番組サイドの作りこみは弱かった気がするんですよね。
 一方の「はにラジ」はそもそも出演する声優さんが全編キャラを演じて放送をしているので、台本がしっかり作りこみされていたのが特徴でしたね。反面その為声優さんの素は聴けず、毎回番組終了後数分間のフリートークでしか声優さんの素の会話は聴けなかったので、全編フリートークの「うたらじ」とは正反対に感じ、また羨ましく思えてしまいます。
 そして「うたらじ」を聴いた事により、実感した「はにラジ」の特徴が毎クール毎に各種コーナーの変更がなされた事ですね。聴いていた当時は面白いと思っていたコーナーがゲストが一巡すると(クールが代わると)終わってしまうので、正直残念に思っていましたが、今考えると頻繁にコーナーを入れ替えてくれたおかげで毎回新鮮な気分で聴く事が出来ました。これは「うたらじ」が力也さんと柚木姉さん頼りでコーナーのリニューアルを怠り、現4クール目でようやく新コーナーを導入しましたが、結局物にならずに番組終了に至った現状を見ると、「はにラジ」の番組構成は正しかったのかなと思えるようになりました。
 と言うか愚痴ですが、スタッフが番組構成を考えもっとコーナー変更を頻繁に行なっておけば、もう少し「うたらじ」は続いたのではないかと、ついつい思ってしまうんですよね。
 さて、そんなコーナーを頻繁に行なっていた「はにラジ」ですが、特に好きだったのは、積木崩しをしながら質問に答え、積木を崩すと「センブリ茶」など不味い物を飲まされる(食べさせられる)「はにはに積木崩し」、ゲーム中の各ヒロインの名台詞を英語で話す「はにはに単語帳」でした。またコーナーとは違いますが全6クール中に2クールも毎回屋外収録があったのも印象的でした、人気番組なのに一回も屋外収録が無い「うたらじ」と比べると顕著だと思います。
 以上、私の好きな声優さんのラジオ番組の「うたらじ」と「はにラジ」を比べてお互いの特徴を書いてみました。しかし「はにラジ」が終わった時はてっきり「夜明けなラジオ」としてリニューアルするものだとすっかり思い込んでいましたが、結局「夜明けなラジオ」はやりませんでしたね。う~ん「FORTUNE ARTERIAL」のラジオはやらないのかな?、もしやらないのなら「はにラジ」を復活させて「FORTUNE ARTERIAL」の宣伝をしてほしいな~と思っています。


小田中直樹著「歴史学ってなんだ?」

2007年06月14日 22時41分20秒 | 読書
 夏コミ向けの新刊に私も参加させて頂きました日本史探偵団様のブログが開設されました、大山先生が執筆した記事についての話なども書いてくれるみたいなので、これから楽しみにさせて頂きたいと思います(^^)
 ところでこの夏コミ向けの新刊の原稿も一応一段落したので、最近また色々本を読んでいるのですが、どうもこのブログでの読書感想では良かった本の感想ばかり書いていますが、たまにはハズレと感じた本の感想を書いてみようと思ったので、今年読んだ本の中では一番のハズレと感じた今回紹介する本の感想を書きたいと思います。


 「歴史を学ぶなら歴史哲学を身に付けたほうが良い」とアドバイスを受けて、『歴史とは何か』に引き続いて読んでみた本です。
 筆者は一般の人が歴史を敬遠しがちなのを憂いてこの本を書いたらしいですが、この本を読んでまず感じたのは、本文中やたら横文字が多用されている事です。もしかしたら学会では「アクチュアル」や「コモン・センス」など日本語で言えば良い事をわざわざ横文字で書く事は普通の行為なのかもしれませんが、個人的には却って軽薄と感じてしまいました。また各章のまとめでは、自分では結論を書かずに「それぞれに判断してほしい」など良く言えば「自分の意見を押し付けない」、悪く言えば「自分の発言に責任を持たない」態度が無責任に感じられました。おかげで学術書の形式で引用を一々挙げてくれている本来なら親切と感じる構成も、「他人の意見を挙げるだけで、自分の意見は述べていない」と写ってしまいました。
 またタイトルの「歴史学ってなんだ?」に対する筆者の答えの「コミュニケーショナルに正しい認識」も、何が言いたいのか私にはさっぱり理解出来ませんでした。正式に史学を学んでいる方には受け入れられる内容なのでしょうが、私としては筆者の様な学者さんがこの本の様な曖昧な事ばかり述べるから、一般の人は歴史を敬遠するのではないかと、逆に納得してしまった内容でした。

うたわれるものらじお 第49回

2007年06月12日 22時25分10秒 | 声優ラジオ関連
 最終回を控え普通の番組ならヒートアップしていきそうな所ですが、どうも「うたらじ」の場合はゴールが定まった事により、むしろ落ち着いてきた様な気がします。
 今回のゲストは「うたわれ」本編最初の敵だったインカラ・ササンテ役の大川透さん、役柄とは正反対の温厚な人柄が伝わってくれるトークをしてくれたのですが、大川さんの人柄によるものなのか、それとも上記の通りゴールが定まって力也さんと柚木姉さんが落ち着いたからなのか、今回は「うたらじ」としては終始落ち着いたペースで三人が和やかに話す、「うたらじ」としては盛り上がりに欠けるかもしれませんが普通のラジオ番組として楽しい内容でした。
 しかし最終回に向かうにつれて、今までの主パターンだった柚木姉さんが力也さんに猛アタックするとは別に、真面目な力也さんがテンパったり、天然ボケ発言をするのに対し、柚木姉さんが突っ込むという新しいパターンが確立しつつあるような気がするので、この新パターンで今回の大川さんの様にベテラン俳優さんを呼んでトークをすれば、今までの「うたらじ」とはまた違った楽しさの番組になるような気がするので、改めて今月で番組終了と言うのが残念に思えてきますね。
 ところで今回の放送で改めて力也さんの機械音痴ぶりが発揮されましたが、今考えれば力也さんがハイテク機械に挑戦するコーナーがあったら面白かったかなとも思ってしまいます。

原口清著 「戊辰戦争」

2007年06月10日 20時06分04秒 | 読書

 私の戊辰戦争史への興味が軍事関係に偏っており、戊辰戦争自体の性格等に関しては今まで不勉強だったので、遅ればせながらこちらの方も学ぼうと原口氏の「戊辰戦争」、石井孝氏の「戊辰戦争論」、佐々木克氏の「戊辰戦争」を購読したのですが、まずは原口氏の戊辰戦争の感想から書かせて頂きます。

 まず原口氏は戊辰戦争の性格を、最終的には個別領有権を否定する絶対主義権力と、個別領有権(封建主義)を認める列藩同盟(公儀政体)権力との戦争と唱えており、その理論の元で戊辰戦争史を説明しているのですが、その中で印象に残った事を箇条書きで列挙させて頂きますと。

「明治新政府は成立当時は公儀政体派の意見が優勢だったが、鳥羽伏見戦の突入と勝利を経た事により倒幕派が実権を掌握して急速に絶対主義政権化していった」
「徳川慶喜は将軍就任時は幕府の絶対政権化を目指したが、情勢の不利を悟り公儀政体派が支持する個別領有権を認める諸侯会議政権の首座に座るのを望んだ」
「草莽隊を新政府を弾圧した理由は幾つか有るが、攘夷性質が強い草莽隊を諸外国が嫌ったという点もあるのではないか」
「当初大総督府は中央政権である新政府の統制から半ば独立した存在だったが、彰義隊を巡る情勢の中で新政府の軍事官僚である大村益次郎が東下し、その指導の元で彰義隊を上野戦争で殲滅した事により、東征軍は完全に新政府の指導下に入り、後の戊辰戦争は新政府(大村)の指導下で行なわれる様になった」
「民衆は時の情勢に合わせて活動しただけで、積極的に新政府軍にも反新政府軍にも協力した訳ではない」
「奥羽越列藩同盟の性格は封建諸侯連合であり、ある意味大政奉還が目指したコースの現実化した政権だった」

 私が読んで印象に残ったのは以上の事柄です、個々の説に対する私の卑見は後日述べさせて頂きますが、これまで戊辰戦争の性格などは考えずに戦略・戦術レベルの事ばかり注目してきた私にとっては、戊辰戦争は絶対主義と公儀政体主義の戦いだったという原口氏の説は斬新であり、衝撃を受けました。この「明治新政府=絶対主義権力」の図式を当てはめる事により、今まで不勉強により上手く説明が出来なかった事の説明が出来るようになったので、これからも戊辰戦争史を調べるに当っての貴重な骨子を得る事が出来ました。
 この様にこれからも戊辰戦争を学ぶに当って非情に参考になる内容で、何故この本をもっと早く読まなかったのだろうと悔やむ程の素晴らしい著書でした。

 尚、最後に上記の通り本書は戊辰戦争の性格を述べていますが、個々の戦闘についての説明や考察はなく、箱館戦争については筆者が副次的な戦いで大勢に影響は与えなかったと判断したのか概要すら殆ど述べられていない事の二点も本書の特徴として挙げさせて頂きます。


うたわれるものらじお 第48回

2007年06月05日 22時36分18秒 | 声優ラジオ関連
 今月いっぱいで終了ですか、確かにここのところ力也さんの「もう少しだけ」とか「この期に及んで」など気になる発言が多かったので気にはなっていたのですが、いざ本当に今月で終りと知らされて正直心にポッカリ穴が空いてしまった気分です。でも考えてみたら今クールで終わらせてしまえば、力也さんが言っていた「人気のある内に終わらせたい」と言うのが実現しますし、今終わらせれば本当に伝説になるので、番組としては今終わらせるのが一番の華なのかなとも思ってしまいます。
 実際私が声優さんのラジオ番組にハマるきっかけとなった「はにはにラジオ」も人気絶頂期に終わらせたので、未だに私の中では「うたらじ」を除けば最高の声優さんのラジオ番組となっているので、そう考えれば今終われば「うたらじ」は心に残る番組になるんだろうなと、今月で終りと言う出来事を前向きに考えれるようになってきたかなとも思います。
 しかし一方で今回の放送の内容が今後に含みを持たせる様な内容だったので、期待もしてしまうんですよね。はっきりと名言はされていませんが、今回の放送を聴く限りでは「イベントの開催」「うたらじ本の出版(これは確実そう?)」そして「番組リニューアル」が有るとも取れるような発言があったので、上記の番組終了を受け入れるとの発言に相反して一方で番組リニューアルに期待している私が居るんですよね(汗) う~ん番組を最終回に向けて盛り上げるのは結構ですが、せめて続編が有るのか無いのかだけははっきりしてほしいというのが本音です。

 ・・・と今回の放送は「最終回発言」ばかりが印象に残って、正直本編そのものは印象に薄いのですが、よくよく聴くと過去最大の二人の距離が縮まっている放送だったと思います。『トウカの旅行記』ではお菓子の包装紙を二人でキャーキャー言いながらビリビリ破ったり、果ては「良いではないか、良いではないか」「ア~レ~」とベタですが、とても力也さんが他の女性にはしないような事をしていたり、毎度の如く力也さんが他の女性の名前を挙げても柚木姉さんが余裕を持って受け流したりなど、最終回発言ばかり印象に残りますが、第一回からは考えられないほど二人の距離は縮まっていると感じました。特に力也さんの「フォークが無い&品行方性なのが物足りない」発言は二人の立場が完全に入れ替わったなとも思いました(^^;)
 う~ん第五クールがあれば、柚木姉さんの野望は達成すると実感する内容だったのですが、本当に最終回はどうなるんでしょう? 何か本当に今月は「うたらじ」一色で終わりそうです(汗)

夏コミ原稿書いていて思った事

2007年06月03日 21時56分39秒 | 戊辰戦争・幕末維新史
 まだ修正や引用文献の提示等は当然あると思いますが、とりあえず夏コミ原稿執筆は一段落したかと思います。しかし鳥羽伏見の戦いについてはそれなりに知っているつもりでしたが、いざ記事を書いてみると知らない事ばかりで、4月なんかはほぼ毎週都立図書館に通うなど自分の勉強不足を改めて実感しました。
 どうも私は今まで戊辰戦争の戦略・戦術レベルの事を調べる事ばかり重視して、当サイトでも戦略・戦術レベル重視の記事を書きそれに満足し、逆に戊辰戦争の政略レベルの話や戊辰戦争の性格についてなどは、正直今まで真剣に学んだ事がありませんでした。しかし今回の夏コミ原稿執筆を通して今更ながら自分の勉強不足を実感した為、優れた先行研究を読もうとGW辺りから何冊か購読し始めました。
 そんな訳で通史として原口清氏の「日本近代国家の形成」と遠山茂樹氏の「明治維新」、戊辰戦争研究書である原口清氏の「戊辰戦争」と石井孝氏の「戊辰戦争論」の四冊を購入し、本日やっと読み終えました。四冊とも学ぶ事がたくさんありましたが、特に後者二冊は「明治新政府は絶対主義政権か、単なる封建諸侯同盟か」「徳川慶喜の目指した体制は何だったのか」「奥羽越列藩同盟の性質」など、正直今まで真剣に考えなかった事柄を考える機会となりました。
 特に後者二冊は一回読んだだけではとても内容を理解出来ないと思いますので、この優れた先行研究をもう一度読み直して、その上で感想とそれに対する卑見を述べさせて頂きたいと思います。