歴声庵

ツイッター纏め投稿では歴史関連(幕末維新史)、ブログの通常投稿では声優さんのラジオ感想がメインのブログです。

清水幾太郎著「論文の書き方」

2007年08月09日 22時52分01秒 | 読書
 私は正規の文章の書き方を学んだ事がないので、正式な文章の書き方を学びたくて購入しました。実は購入後にこの筆者が社会学者の大御所だと知って驚いたのですけど、流石は戦中・戦後に活躍した大御所の著書だけあって、言葉遣いが難しく無学の身としては読むのに苦労したものの、その苦労に見合う読み応えのある内容でした。
 単に小手先の技術を教えるだけの様な軽い内容ではなく、論文の書き方だけではなく、文章そのものの書き方や文章を書く事に対する心構えから説いてくれる重厚な内容でした。しかし反面あまりにも真剣に文章の書き方を説いてくれる余り、「経験と抽象との間の往復しよう」の章の部分などは、難解すぎて無学の身には理解出来ませんでした。
 しかし「書物を読むのは、これを理解するためであるけれども、これを本当に理解するには、それを自分で書かねばならない。自分で書いて初めて書物は身に付く」と「『が』に頼っていては(正しい)文章は書けない」という二つのフレーズは非常に印象に残りました。特に「『が』に頼っていては(正しい)文章は書けない」については、今まで自分が書いた文章を読み返してみると、「が」を余りにも多用している事に我ながら驚きました。確かに「が」を使うと文章を楽に書けますけど、「が」を多用し過ぎると読み手の心に届く文章は書けないので、苦労してでも「が」ではない接続詞を使うべきという筆者の言葉は無学の身でも理解出来、かつ今すぐからでも実行出来る事ですので、早速この感想から「が」を極力使わないように書いてみたつもりです。
 何はともあれ今回読んだだけでは理解出来ない部分もありました、しかしその理解出来なかった部分にも学ぶべき事がたくさん含まれていると思いますので、日を置いてまた読み返したいと思っています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿