爺の社会科見学

年金生活12年目に突入。好きな地理と写真を生かした、一味違ったブログを目指して。

成田山新勝寺を散策

2018-03-03 09:36:19 | 日記

2月の「退職者の会」日帰り散歩は、成田山新勝寺となった。「日帰り散歩」84回目にしてして初めての千葉県入りである。そのせいか参加者が12名での散歩となった。
JR武蔵野線、常磐線、成田線と乗り継いで成田駅に到着。

昔、成田市は社会科の「都市分類」で「宗教都市」に分類され、古くから成田山新勝寺と宗吾霊堂(東勝寺)の二大霊場から門前町として栄えた所である。東勝寺は、創建がはっきりしないが成田山新勝寺より古いようで、それより新しい創建のため新勝寺と寺号が付けられたと言われている。
駅前の通りを左に曲がると参道がある。数分歩くとY字路があり社があった、標示には「成田山旧本堂 薬師堂」とあった。3つ前の本堂で2つ前は現在の大本堂裏手にある、飛び地のため成田山とは思えない。旧本堂の前には小さい婦人の像があり、案内には「三橋鷹女の像」とあった、鷹女は成田町(現成田市)の出身で中村汀女とともに昭和を代表する女流俳人である。Y字路の坂を下るとさらに参道らしくなってきます、古さを残し往事がしのばれますが参道にしては車の一方通行路になっておりダラダラと歩くとチョットあぶない。寺に近づくとお土産、漬け物屋、和菓子店、名物のうなぎ店が両脇に並ぶ。下った所に総欅造りの総門に着く。

この高低差は、北総台地によるもので市内のほとんどが丘陵上にあり、それを関東ローム層が覆っている。
丘陵が浸食され現在の地形となっている。

幹事のMさんが、これから回ると時間がかかるので昼食にしましょうということで、総門まえの食事処に入る、「うなぎ」と言いたいところだがパスをして昼食をすませる。
総門をとおり境内にはいる、ここが初詣客が明治神宮次ぐ全国2位(仏閣としては1位)のお寺か!!、節分では毎年TV放映されているが何処から豆まきをしているのか?と想像を巡らし参加者12人がゾロゾロと広い境内を回る。

石段を上がると大本堂が正面に、右手に三重塔(重文)と一切経堂、鐘楼が並んでいる。三重塔は、正徳2年(1712)建立、高さが約25m、五智如来が奉安され周囲は彫刻が施されている。
大本堂には弘法大師が彫ったと言われる御本尊・不動明王が祀られている。

左手には、長い階段があり「出世稲荷堂」とある。退職した身で今更「出世」とはと思っていたが、Sさんがこれは人生なんだと・・・上がることに。鳥居の横には露店が出て油揚げが売られていた。稲荷神社の使いである「狐」の好物が油揚げのため奉納される。そこから油揚げを使う寿司が「いなり寿司」呼ばれた。

出世稲荷を下りた所にあるのが「釈迦堂」(重文)です。総檜造りで安政5年(1858)開運厄除けのお祓いの祈祷所(前の本堂)である。釈迦堂の回りには見事な五百羅漢などの彫り物が見られる。

釈迦堂の脇の道を上がると額堂、開山堂、光明堂等の並ぶ。額堂(重文)は、文久元年(1861)その名の通り「額」が仏閣の上の方に信徒から奉納された額が掲げられている。「成田屋・七代目市川團十郎像」、「梵鐘」(1867)、地球儀(1907)が置かれている。歌舞伎の初代市川團十郎の父は、新勝寺に近いところの出身で、お寺とは少なからず縁があり、初代団十郎が子宝祈願をしたところ二代目を授かり、感謝のため山村座で「成田不動明王山」を上演、これが大当たりし大向こうから「成田屋!」の掛け声が、これが屋号となった由来である。
光明堂(重文)は、旧本堂で元禄14年(1701)建立。不動明王、愛染明王が奉安されている。移動により向き等が当初より違っているようです。

その先にある毉王殿、平和大塔は、比較的新しく建立された建物です。その下に広がるのが「成田山公園」となっています。この成田山公園は、お寺の公園とは思えない、東京ドーム約3.5個の面積で四季折々の植物が楽しめる。

結局は、一日「成田山新勝寺」で終わった。それだけ境内にはいろんな仏閣が点在している、また、境内が起伏に富んでおり公園まであり、さすが成田山新勝寺である、廃寺が話題になる中、財政力豊かな事を感じさせられる。

蛇足であるが、千葉県の財政力指数のベスト3は、①浦安市②成田市③袖ヶ浦市となっており浦安市は東京ティズニーランドによる観光収入、成田市は1978年の空港開港によるもので産業構造の変化が影響している、昼夜間人口比が約141%で成田市は大都市と同じレベルとなっています。産業構造も、運輸、飲食・宿泊、複合サービスの比率が高く、成田市の財政を底上げしているようです。地方自治体にとって何か特徴的な産業がないと財政に影響すると感じました。その点、成田市は成田山新勝寺+成田国際空港は双璧です。

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