爺の社会科見学

年金生活12年目に突入。好きな地理と写真を生かした、一味違ったブログを目指して。

「春分の日」の浅草散策

2014-03-23 21:00:24 | 日記
秋分の日」・「お彼岸」・「仏事」の構図が若い頃は理解出来なかった。この年になると、何かしら「しきたり」に従うようになり、浅草へ。お寺より、ぶらぶら散策が目的でもあるが・・・東京は、神社仏閣が多いが、この浅草はひときわ多く、仏具屋さんが多いのが物語っているのでは。この一帯は、「明暦の大火」でお寺が集められたと言われている、時の幕府の寺院の管理政策があったのだろう。
お寺で「しきみ」と線香を買い求める、この宗派(真宗大谷派)は「しきみ」という葉でのお参りなので経済的には助かる。(近年、色花が多くなった)お墓参りが終わり、「伊能忠敬」のお墓があるという源空寺へ、東本願寺を左手に見て、合羽橋の通りへ。この通りだけは、客層が違う飲食業に関わっている雰囲気の方が多い。この地は、大正時代に数件の道具商から現在にいたる有名な道具街である。道具街を通り過ぎ、住所表記では浅草ではなく東上野にある源空寺に到着、境内に入ると本堂と左手に鐘楼が、この鐘楼は徳川家光が寄進したと言われる。境内をうろうろするが墓石がない、お寺を間違えたのかと思い脇から出ると、道を隔てた所に「源空寺墓地」とあった。入ると時代を感じる墓石が幾つか並んでる。「伊能忠敬」と隣には師匠でもある「高橋至時」の墓が並んでる、2人は「日本地図の父母」言われている、「伊能忠敬」は、遺言で師である「高橋至時」の傍らに葬るようにとの事。墓石には、業績がびっしり刻印されている、彼の偉大さと師を思う気持ちが表れていた。また、高橋至時の長男でもある「高橋景保」の墓石もあった。「高橋景保」は、忠敬の実測した「大日本沿海輿地図」を完成させた人で、シーボルト事件(シーボルトに返礼として大日本沿海輿地図の縮図送る)で獄死したが、彼がいなければ「伊能忠敬」の偉業がなかた。もう二人、有名人の墓石があった、侠客「幡随院長兵衛」(元祖侠客?)と谷文晁(画家)である、一つのお寺でこれだけ有名人の墓石があるのも珍しい。

次に行くお寺は、誓教寺である、「浅草通り」渡ると寺があった、ここは「富岳三十六景」の葛飾北斎である、山谷堀で亡くなりここに祀られている。30回の改名、93回の引越し、狂人とまで言われ、北斎の奇行は映画にもなった、墓石には「画狂人卍墓」と刻印されていた。

以外に早くお寺を回れたので、隅田川公園を通り言問橋の方を散策、言問橋は、震災復興事業で建設された端で、三大ゲルバー橋(桁と継ぎ目からなる構造)の一つと言われたが、3月10日の東京大空襲では悲劇の橋となってしまつた。橋を渡ろうとした避難の人が橋の上で身動きがとれなくなり言問橋は人が燃えて真っ赤だったと言われている。

もうチョット足を延ばし今戸神社へ、途中、山谷堀を通る、かつては水路で吉原まで通じていたが埋め立てられ公園となった、付近には都立浅草高校があるが、この校舎は珍しくR建築?である、かつて神奈川県で円形校舎を見学したが(教室が扇型)、そこまで円形ではないが学校としては珍しい。

今戸神社は、「招き猫発祥の地」「沖田総司の終焉の地」「縁結びの神」で有名な神社で、訪れた時は、女性が多かった、願いの絵馬は他の神社では見られない丸い物で、縁と円の語呂を掛け合わせたものである。

続いて訪ねたのが待乳山聖天である。読み方が分からなかったが「まつちやましょうでん」と言う、本殿に向かう左側に大根が売られていた、お供え物である。右手には、唯一、江戸時代の物が残る築地塀が残る。人力車の車夫がカップルに説明しているのを聞くと、夫婦和合の神様である事をSEX秘仏をからめて説明してた。大根と巾着はこの神社のシンボルで大根は体内の毒と煩悩を自らを洗い清め、巾着は商売繁盛の願いが込められています。東京では一番低い自然の山との事です、江戸時代には、見晴らしが良く眺望の名所であった。しかし国土地理院の地形図には山名表示はない。

帰り道、言問通りに出て旧猿若町へ、この一帯は江戸時代に中村座・市村座・河原崎座の猿若三座があった所である。歌舞伎が一大娯楽となり風紀の乱れに規制統制を強めてきたが、老中・水野忠邦は「天保の改革」で廃止予定だったが、遠山左衛門尉影元(遠山金さん)の「庶民の娯楽を奪うことは人身の安定に役立たない」の助言で日本橋周辺から猿若町に集められた。いまは、まったく昔の面影はない。

東京ラプソディーという歌があるが、♪楽し都、恋の都、夢のパラダイスよ花の東京♪を聞くと銀座と浅草を思う、♪明けてもくれても歌う、ジャズの浅草ゆけば・・・♪まさに庶民の娯楽の街である、江戸時代から栄えた浅草歓楽街もTVにより様変わり。昔のような「粋」な事がないだろうが、近年、浅草がサンバカーニバルやスカイツリーで賑わいをとりもどしつつある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする