ニュースやブログ、趣味の情報ページや仕事の調べ物、こういった様々な情報に簡単にアクセスできるインターネット。世界中に広がるネットワーク網の他に、統一された記述言語であるHTMLの功績も忘れてはなりません。
私はタグ打ちから離れて久しいですけれど、Windowsに標準で付いてくるメモ帳だけでも書ける手軽さと、柔軟なレイアウトが可能な汎用性、そして文中にリンクを埋め込める利便性がHTMLの魅力。W3Cというインターネット標準化団体の定めた使用に則ってさえいれば、どんなブラウザからでも同一の表示結果が得られることから、使用するハードウェアやOSを問わず、様々な目的で使用されています。
そのHTMLのバージョンは、現在「HTML 4」となっています。これは1997年12月に策定された、もう10年以上も使われているものです。次の新標準と目論んでいた「XHTML」がいまいち普及しなかったからですが・・・ここに来て、直系の後継規格である「HTML 5」の草案がお目見えすることになりました。
「HTML 5」ドラフト、W3Cが公開 ITmedia
World Wide Web Consortium(W3C)は1月23日、次世代HTML標準「HTML 5」の初期草案(ドラフト)を公開した。一般ユーザーから意見を募集し、改善につなげる。
HTML 5は、HTML 4との互換性を確保しつつ、動画・音楽の埋め込み機能や、Webアプリケーション開発の簡易化、ブラウザ互換性の向上に向けた仕様などを盛り込む予定。2010年9月にW3C勧告として公表する計画だ。
ここで重要だと思われるのが「ブラウザ互換性の向上」。と言いますのは、もう11年も使われているHTML 4ですが、未だにそれぞれのウェブブラウザで、細かい動作が違います。それぞれのブラウザメーカーの独自の解釈や、勝手な拡張が行われているからで、以前は「IE5以上推奨」なんて言う表示をいろんなページで見かけたものです。今回のHTML 5の策定にはMicrosoft、Apple、Googleと言った企業が最初から関わっているようで、一社の良いように迷走すると言う事態にはなりにくいだろうと思いますが、せっかく策定したXHTMLを骨抜きにするかのような決定をしているのですから、万人が納得をするようなHTMLの仕様確定と、ブラウザ互換性の向上を期待したいところ。
正直な話、私は今回のHTML 5のニュースは非常に好意的に受け取っています。というのは、XHTMLやXMLなどの半ば競合する言語の整理に加え、各社ブラウザの差違をまとめ上げるという意味では、今回のバージョンアップは非常に良い区切りとなると考えられるからです。そのためにも、OperaやFirefox陣営にも議論に十分に関わってもらい、より住みやすいインターネットにしていってもらいたいものです。