Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ミイラ取りがミイラ・・・か?信用できない判事、敗訴

2007-06-26 20:41:01 | Thinkings
 アメリカといえば、些細な、本当に些細なことが高額の賠償金につながる「訴訟大国」として知られています。
 この原因としては、弁護士連中が高額報酬目当てに行われているという分析がなされていますが、そんな金儲けのために訴えられた方はたまったものではありません。

 これまでもマクドナルドやトヨタに対して起こされた超高額訴訟が報道されてきましたが、今回のものはちょっと毛色が違います。
 被告が「町のクリーニング屋」で、原告は「現職の判事」。そして、争っている内容は「ズボンの紛失」。賠償請求金額は「66億円」・・・なんでズボン一本が66億円になってしまったのでしょうか?

ズボン紛失66億円…現職判事の法外要求退ける ワシントン地裁 sankeiweb

スーツのズボンを紛失されたとして、現職判事がクリーニング店の韓国人店主を相手取り、5400万ドル(約66億円)の損害賠償を求めていた裁判の判決が25日、首都ワシントンの連邦地裁であった。同地裁判事は原告の訴えを退け、裁判にかかった費用数千ドルを支払うよう命じた。この裁判は、米国の訴訟乱用ぶりを象徴しているとして、米メディアなどの関心を集めていた。

 現在の日本でさえ、「6億円あったら一生遊んで暮らせる」といわれていますので、単純に11人の人生が買える金額です。とてもじゃないけれど、一介のクリーニング店店主に支払える金額だとは思えません。

 訴訟の内容も、「一日につき1800ドル」「ほかのクリーニング店へのタクシー代」など、おおよそ800ドルの程度のズボンには似つかわしくない・・・というか、1800ドル/日の根拠って何?といわざるを得ないもの。

 当然、原告の主張はことごとく却下。裁判費用の支払いに加えて社会的信用と判事という職も失う可能性があるとか。ま、自業自得ですよね。

 今のところ、日本においてこのような超高額損害賠償訴訟が起こされる可能性はゼロに等しく、今後もまず起こらないことでしょう。アメリカは日本にとって大切なパートナーですが、このような、個人が突然、高額の負担を強いられるような「社会的欠陥」までは「輸入」しないでほしいものですね。