こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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病理医もゲノム医学という新時代への過渡期に対応しなくてならない・・・2021年9月の読書記録

2021年10月02日 | 読書、映画、音楽、美術
 台風一過の晴天。朝はひんやりしていて気持ちよかったが日中には暑くなった。湿度はまあまあで気持ちの良い1日だった。
 先週から腰痛を発症していて、しんどかったが講演を何とか済ませることができた。WEB講演(今日の学会はハイブリッドで、半分ぐらいの先生は会場から発表していた)で助かったが、この形式にもだいぶ慣れてきた。これに内容が伴っていたらいいのだが、それは今後の私の精進次第。
 9月はじめから都合4回話をしたり、司会をしたりしたが、脳腫瘍、腎疾患、血管病変などそれぞれ全く別の領域についてのもの。病理医は人の体の全部の領域に精通していなくてはいけないからこれは仕方がない。その都度、付け焼き刃の感が拭えないが、それぞれの疾患、病態を勉強してお話をさせていただいた。
 さて、その領域だがいまやボーダーレスとなりつつある。次世代シークエンサーという機械が開発されて、ヒトの遺伝情報を”あっという間”に解析することができるようになり、がんの薬物療法に役立てることができる様になってきた。ところが、これはがんの話だけではなくて、がん以外の多くの疾患について遺伝子情報が急激なスピードで明らかになってきている。今後、遺伝子異常がわかったら病変の定義・病態も正しく決めることができる様になるだろう。
 遺伝情報がどんどんわかる時代になって、疾患の概念、ヒトの存在そのものの概念が変わっていくかもしれない。医学は今過渡期にあるといえる。病理医は分子遺伝学的情報を含めてこれまで以上に治療に役立つ病理診断を行っていかなくてはならず、まあ、ますます勉強しなくてはいけないということのようだ。

9月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:250
ナイス数:13

がんゲノム医療結果報告書の読み方と患者への伝え方〜エキスパートパネルの実際〜がんゲノム医療結果報告書の読み方と患者への伝え方〜エキスパートパネルの実際〜感想
筑波大学附属病院のがんゲノム医療チームが作った要員教育用テキストブック。薄い本だからすぐに読み切れるだろうと思っていたらそんなことのない内容の濃い一冊。がんゲノム医療を理解するためにはもう一度大学院の頃の記憶を呼び起こさないといけないのだが、ちょっと歳を取りすぎたか。

読了日:09月30日 著者:
遺伝子診療よくわかるガイドマップ 初診から検査そして結果報告まで遺伝子診療よくわかるガイドマップ 初診から検査そして結果報告まで感想
急速に進む遺伝子検査技術の進歩と治療応用。分子生物学的研究で学位を取ったぐらいだからすんなり頭に入ってくるだろうとたかを括っていたら、あれこれずいぶん忘れていて、よくわからず、勉強しようと手に取った。わかりやすい言葉で書かれていて理解が進んだ。入門書としておすすめ。
読了日:09月12日 著者:中山智祥

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