こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

「昭和が終わった日」に立ち会えなかった病理医の物語をみて

2022年10月22日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
昨晩は夜中じゅう雲にうっすらと覆われて、カーテンを開けて空を見ながら頑張ったのだが、残念ながらオリオン座流星群を観察することは叶わなかった。
流れ星は、おととい1個みることができたのでよしとしよう。

今日はセッションをひとつを任せてもらった学会が都内であり、朝からお出かけ。
臨床系の学会だが、会長が病理診断にとても熱心で、おかげで病理医にとっても興味深いプログラムとなっていた。
臨床医も病理学的な研究を熱心に勉強している人は私などよりよほど詳しく、1日よく勉強させてもらった。

昨晩、NHKのアナザーストーリー「昭和が終わった日」という番組で、昭和天皇の病理診断についての話があった。
主人公である、昭和天皇の病理診断をした当時東大の病理学教室教授だった浦野順文先生は、病理医としての大先輩であることのみならず、病理のそのまた私が専門としている領域の草分けで、直接お会いすることはかなわなかった(浦野先生は昭和天皇の診断を残したのち、天皇より早く・・・昭和が終わる前・・・に亡くなった)が、そのお名前を研究会の古参の先生方が尊敬の念とともに口にするのをしばしば聞かされてきた。
ちなみに浦野先生のご子息(昨日出演していたのは弟さんで、私が知っているのはお兄さんの方)というのが、大変素晴らしい人物(私の論文執筆でも大変お世話になった)なのだが、彼も病理の道に進み、今では米国で大変立派な仕事をされている。

それはさておき、昨日の番組は期せずして病理診断、そして病理医のことがクローズアップされたという点で感慨深かった。
病理診断の何たるかを一般の人に知ってもらうのは難しいし、どのように説明したところで、病理医の苦労や苦悩を理解してもらうことはできない。
臨床医だったら、医療ドラマでそういったことを描くことができるが、いつも顕微鏡を覗き込んで常にじっとしている病理医はテレビには全く向かない。
なにせ、1時間ぐらいほとんど動かないでいることなどザラなのだから仕方がない。
もちろん、肉眼所見、顕微鏡所見を映し出してディスカッションする様子は、病理診断に興味のある臨床医なら少しは見てくれるかもしれないが、一般視聴者にはやっぱり受けないだろう。
そいういう意味で、昨日、NHKが番組の中でそのことを丁寧に描いてくれたのは画期的なことで、わかる人はわかってくれているのだと、単純に喜んだ。

今日の学会の担当セッションの相方は臨床医で、その先生の仕切りを横でみて視点の違いというものがよくわかった。
ちなみに、それぞれのセッションの司会者が二人というのは、どちらかが当日来れなくなった時の保険で、たいてい、前半後半で分担を分ける。今日のセッションは6題だったので、3題ずつ。
私はいつも、”臨床医が知りたいことを診断書に書く(これは、臨床医がこうあって欲しいということではない!)”ことを心がけているが、こうやって臨床の先生方とある意味ひざを交えてのディスカッションができたということはありがたかった。
やはり会場で直接話すのはいい

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