ある本の新聞広告を眺めていたら、人生の勝負、という言い方が目に留まった。そもそも人生に勝ち負けというものがあるかどうかわからない。勝ち負けというものはそもそも他人との比較より生じるもので、そんなもの自分固有のものである人生にはない。
人生に勝ち負けはないけれど結果はある。
人がその命をいつ落とすかなどということはまったくわからない。現代社会の人間、様々な安全対策を施して、なんとか生きながらえているものの、それらがいつ破綻するかなど、わかったものではない。
命尽きる瞬間が人生の結果だとすれば、それは今ということになる。今、生きていることに感謝し、幸せだと思い、今できることをする。
今、人生が思うに任せない人も少なくないだろうけど、それが今のところの結果だし、結果は刻々と変わっていくものだ。今ある結果から、将来の結果を推測してもそれはあまり当てにはなるまい。そういう意味では私は運命論者ではないといえる。