ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

本当は私は「画家」というより、「絵画技法研究家」なのです

2012-09-02 14:43:47 | 犬たち

HP動画で納得トレース水彩画最新作がアップしました。ぜひご覧ください。

このシリーズは、トレース水彩画の描き方を動画化したものですが、予想以上の好評のようなので、今回はこの動画を作った背景の話をすることにします。 

上の絵は最新作の「ゴンドラのある風景」を描いたものですが、それは正確な表現とは言えず、「ゴンドラのある風景の写真」を描いた、つまり写真を模写したものと言うのが正しいのです。
トレース水彩画の技法の本質はまさにそこにあり、初心者の方もレベルアップした絵を描くポイントでもあるのです。

これまでの正統的な絵の描き方は立体的な風景を、画用紙という平面に置き換えていくことになるわけですが、3Dの立体を2Dの平面にするのはとても難しく、特にデッサンの壁が立ちはだかることにより、その段階で絵を描くのを断念してしまう人が多いのです。
しかしトレース水彩画では、3Dの世界を写真に写すことで2D置き換え、その2Dの写真を同寸の2Dの画用紙にそのままトレースするわけですから、いともカンタンにデッサンの壁を越えることが出来るのです。
それだけでなくその写真を横に置きながら形も色も写真そのままに模写していくのですが、それはそれほど難しくなく「写真のような正確な絵」を描くことが出来るのです。 

現在の画家で「写真のように正確な絵」を描く実力を持っている人が、本当に少なくなりました。
皆さんご存知の展覧会をのぞいても、同じデフォルメした絵でも、正確に描く能力を持ちながら意図してデフォルメする絵と、正確に描けないからデフォルメせざるをえない絵が渾然一体となっているのですが、それを観れば一目瞭然その2つには天地の開きがあるのです。
つまり「写真のように正確な絵」が描けるか否かが、絵の魅力を引き出せるか否かの登竜門なのです。 

自信を持っていえますが、トレース水彩画は本格的な水彩画では日本一「写真のように正確な絵」を描くことができる画法です。
だから初心者の方も絵の苦手な方も要領さえ掴めば、そんなに苦労せず「写真のように正確な絵」を描くことができるのです。
しかし「写真のような正確な絵」を描くことができるようになれば、それで終了ではありません。
トレース水彩画ではそれは中級者の卒業で、それから先の上級者の道は写真を模写するという意識から離れ、無限の可能性の世界に飛び立つことになるのです。 

私の職業は「画家」となっていますが、本当の職業は「絵画技法研究家」だと自分で思っています。
もし「絵画技法研究家」と名乗れば、新手の何か?と世間から怪しまれるだけなので、とりあえず自らあみ出した絵画開発のテストマンとしての役割もあることから、「画家」と言うことにしたのです。
その目的は、水彩画を普及するには絵画の技術の向上もさることながら、よりやさしい描き方の開発こそ大きなインパクトを持つと思ったからです。
それにより学校以来ず~と絵筆を握ったことのない絵画初心者の方や、絵を描くのが大の苦手と思っている人も、「意外と絵はカンタンかもしれない!」と思ってトライして欲しいために、HP「動画で納得・トレース水彩画」シリーズを思いついたのです。 

絵を描く上で何が楽しいかといえば、何といっても上手な絵が描けることであり、描けば描くほど上達することです。