ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

トレース水彩画はプロが隠し続けた画法なのです

2008-11-16 07:20:08 | 犬たち

私が絵を描き始めたのが50歳のときですから今から15年前になります。
しかし経歴は美術大学卒となっているので、若い頃はたくさん絵を描いたのではとお思いでしょうが、私の専攻はデザイン科なので、カリキュラムとして描くことは描きましたが、単位をとって「ハイさようなら」と通り過ぎただけで、訓練したという意識はありません。
そのため絵を描き始めたときはほとんどゼロからの出発で、案の定描いてみればあまりにもヘタなので悪い夢を見たとばかりにすぐ止めようと思いました。
その理由はひとえにデッサン力不足にあり、ある程度のデッサン力を身に付けるには長い期間の特訓しかありませんが、そんな苦労など真っ平ごめんでした。
となればデッサンが特効薬的に上達する新しい描き方がないか、と思いついたのが写真をトレース(なぞる)することでした。
写真は実体を正確に写すわけですから、写真をトレースすることは完璧なデッサンを描くことになるわけで、試みにその方法で描いてみると、あ~ら不思議!マジックのように突然上手な絵が描けました。
このときがトレース水彩画の原型が誕生した時であり、絵のとりこになった時でもあります。

60歳の定年退職を機に画家になって1年あまりのある日、美術関係の出版社より出版化の話がありました。
絵の描き方を出版する話で、二つ返事で引き受けましたが、何回か打ち合わせを重ねるうちに双方に深い溝があることがわかりました。
私の描き方の最大のポイントは、当然のことながら写真をトレースして描くことなのですが、出版社側はその部分を避けてほしいとのことでした。
なぜ避けなければならないかを問い詰めるうち、出版社の方がこんなことを言いました。
「プロの方では写真をトレースして描くのはもはや常識!
○○先生も△△先生もそれで描いているだけでなく、漫画家も建築家もイラストレーターも同じ方法で描いているんですよ。ただそれをひたすら隠し通しているのです・・・」
つまり出版社は多くの画家やクリエイターのプロたちの利益を阻害すれば仕事に差し支えるため、プロの意向に沿う必要があったのです。
それではなぜプロたちが隠さなければならなかったのか、あなたにはすぐわかりますよね。
しかし私はプロたちのアンフェアなやり方に憤りを感じたことだけでなく、なにごとも隠さずオープンにする作戦を意識していました。
その作戦とは60歳から画家としての遅い出発では、これまでの画家と決定的に違うものがない限り決して世に浮かばれないということであり、写真をトレースして描くことこそが作戦の核と決めていたからです。だからこの一線を越えてまで妥協することができませんでした。

 双方が膠着状態の中、まったく別の出版社から出版化の話がありました。その出版社は美術関係に関心があるわけではなく、時代のトレンドを捉えるのが得意なようで、たまたまその時期は塗り絵ブームであったため私に話があったようです。
私は美術関係の出版社にお断りし、後から打診してきた出版社から出版することにしました。その本が「プロが隠す秘密の画法 トレース水彩画入門」です。
この本のタイトルに私の思いがあることが充分おわかりいただけたと思います。

その後5冊の本を出しました。累計で12万部以上発行しそれなりに売れたことになるとのことですが、私の実感として道半ばというより百里の道も一里ぐらいしか来ていないと思っています。
私の画家としての仕事は トレース水彩画の啓蒙と普及にありますが、残念ながらほとんど啓蒙も普及もされていないからです。
しかし私には自信があります。
写真という表現方法がこれほどまでに普及したのは、だれもが簡単に写真を写せるようにカメラの技術が開発されたことに他なりません。
そのように、これまで数多くの絵の描き方が登場しましたが、トレース水彩画ほど簡単にしかも本格的に絵が描ける画法が他にないという自信があるからです。
そしてトレース水彩画でその実感を持たれた方がすこしづつ増えてきたからです。

 


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2 コメント

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画期的な画法です (08ドーナッツ)
2008-11-17 00:32:00
絵を描きたくても、デッサン力を付ける、長い訓練の途中で多くの人が挫折すると思います。自分の書きたい題材や使ってみたい、画材があっても、デッサンの段階で挫折してしまうのです。でも先生がトレース水彩画を世に発表してくれたから、私は今自分の趣味は水彩画だと、人に言えます。色々な写真を撮って、その中から今度はどの写真を絵にし、さらに綺麗に表現
するか考える時間は、かなり楽しいですよ!先生これからも頑張って下さい、影ながら応援しています
Unknown (ken)
2008-11-17 03:51:03
コメントありがとうございます
トレース水彩画を開発した目的は、まさに08ドーナッツさんのおっしゃるように、より多くの人が絵を描く楽しさを実感してもらいたいからです。
絵を描く楽しさはなんといってもうまく描け、描けば描くほど上達することではないでしょうか。そして描き続けるうちに自分の内面が少しづつ変化していく、豊かな感性が生まれてくることではないでしょうか。

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