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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ものづくり企業の意地で30年、リネンニット開発に成功 8C26

2019-03-14 12:03:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ものづくり企業の意地で30年、リネンニット開発に成功 8C26

【元気な企業紹介・成功企業の紹介】は、毎回拍手をいただいています。

 皆様から寄せられたり、私が支援したり見聞した企業で、元気な会社、成功している会社・お店等などを紹介します。貴社経営のご参考にして下さい。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ ものづくり企業の意地で30年、リネンニット開発に成功 8C26

 

 リネンは数千年前から使われ続けてきた人類にとって最も古い繊維だ。日本では「麻」と総称されるが、丈夫で硬いラミー(苧麻)と柔らかくしなやかなフラックス(亜麻)がある。フラックスは使い込むほど柔らかさを増し、洗濯機で毎日洗ってもへたれず長持ちするので、欧州では下着やディッシュクロス(布巾)などに加工され、嫁入り道具のひとつとして受け継がれてきた。

 フラックスは海洋性植物で、産地はフランス、ベルギー、オランダなど北緯49度以北のドーバー海峡に近い地域に限られる。3月から4月に種を蒔き、7月のはじめに4時間ほど青紫の花が咲く。7月中旬までに根本から抜き取り、畑に1カ月間寝かせる。その後に繊維を取り出して加工するという手間のかかる繊維だ。素材の特性上、織って布帛を作ることはできても編む(ニット化)は難しいとされてきたが、山形市で創業以来60年、ニット製品を作っている工場兼メーカー、ケンランド(大沼秀一代表取締役)が成功した。

 ハードルは低くなかった。「上質なリネンは繊維が柔らくしなやかで、吸水性・速乾性に優れている。ニット製品にすれば軽くてシワになりにくい」と開発に着手したが、リネンを編むには、高度な紡績技術が求められる。温度や湿度の微妙な管理が必要だし、染色も難しい。加工や製造手順を工夫し、製作アイテムを少しずつ広げ、ようやく年間を通じてリネンニットを提供できるようになったのは着想から約30年後の2011年のことだった。

 リネンニットは、糸がブロック状やチェーン状に繋がって多くの隙間を持つ。隙間の空気の層が、夏は汗を吸収して涼しく、冬は体温を閉じ込めて温かい。オールシーズン使える素材だ。ペクチンがブロック状につながり繊維を守るため、汚れが浸透しにくいのも特徴で、雑菌を侵入させずに繁殖を抑え、臭いも抑えてくれる。染色法の工夫で鮮やかに発色し光沢がある。軽くて柔らかくしわになりにくいのでアイロンは不要。リネン糸にウールやカシミアを組み合わせればニットのバリエーションも広がる。

 2011年10月からミラノやパリで展示会に参加。12年10月にはブリュッセルでヨーロッパリネン連盟(CELC、加盟約1万社、本部パリ)が主催した第1回世界会議でメーカーとして唯一、プレゼンテーションした。CELCの教材でも紹介され、世界のリネン業界での知名度は高い。セーターや靴下などの衣料品からタオルなどの生活用品まで、ものづくり企業の意地が結実したリネンニットは通信販売のほか、全国の百貨店などで展示販売されている。

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 


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