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■■【連載 経営トップ15訓】  第14訓 「感情に走ったままで行動を起こさない」

2016-03-11 08:34:00 | 経営トップ十五訓

■■【連載 経営トップ15訓】  第14訓 「感情に走ったままで行動を起こさない」

 グローバルな視点の経営者・管理職 

 


経営トップ15訓 ”当たり前”が実行できる


 経営コンサルタント歴25年を経過した時点で、(特)日本経営士協会の理事長を拝命することになりました。その際に、自分自身を戒める意味で「理事長十戒」を作り、それを日々座右におきながら仕事をしてきました。

 私の経営に対する考え方の基本は「当たり前のことが当たり前にできる」「暖かい管理ができる」、その様な企業作りのお手伝いをしています。

 理事長歴も長くなり、そろそろ後任の選定やその人への傾斜引き継ぎを考える時期といえましょう。この十戒に加筆をして、企業や組織のトップ・管理職の方々に向けて焼き直したものを「トップ15訓」としてまとめてみました。経営トップの皆さんだけではなく、私自身にも必要なことなので「社員」という言葉と共に「会員」という言葉も使っています。

 まだまだ内容的には不充分ですが、今後もこれをベースに推敲・改訂を重ねて参りますが、その第一版として茲にご披露させていただきます。トップの方々や管理職で日夜ご奮闘されている方に、少しでもご参考になれば幸いです。



 

第 14 訓

感情に走ったままで行動を起こさない

■ 売り言葉に買い言葉

「人間は感情の動物である」と言われます。ちょっとした言葉上の表現方法で相手の感情を傷つけることが時々あります。いわゆる「売り言葉に買い言葉」ということも起こりえます。

 ある人が、私のことを「性急」だと言いました。私は、拙速と言うことも必要だと考えていますが、彼の仕事への考え方は「巧遅」しかないので、私は、彼の仕事のやり方に我慢に我慢を重ねています。「性急」だと言われて、思わず「そういうあなたには、その反対の言葉を返したい」と言いそうになりました。幸いに、強い表現を使わずに思いとどまることができましたが、もし、その言葉を発していたら、彼は私の許を去って行ったかもしれません。

 別のある人は、「理事長は、他の人より一周早く廻っているのに、それでも全力疾走を続けている」と言って私を諫めてくれました。これには返す言葉もなく、全社の人と都同じことを言っているのですが「反省の契機を与えてくれるとは、なんとうまい表現をする人だろう」と感心するほどでした。

■ 一呼吸を置く


 私のところの協会では、各理事が自分の本業を持っているので、一般の企業の役員のように会社の会議室や役員室に一堂に会することは年に数えるほどしかありません。そのために、通常の業務はメールでやりとりをします。緊急性あるときには電話を利用するし、会議はSKYPEなどネット・インフラを利用します。

 メールというのは大変便利ですが、微妙な問題や感情が絡むようなときには要注意です。感情が高ぶったままメールを書くと、ひと言余計なことを書いてしまったり、表現がきつくなったりしてしまいます。

 自分にとってあまり良い感情を抱けないような要件の時には、メールで返事を書いても、すぐに発信せず、翌日再び読み直すことにします。その時に、「こんなことを言って良いのか、自分が言われたらどうか」という視点を忘れないようにして読み直します。すると、こちらの言いたいことをきちっと伝えることもでき、相手を傷つけなくても済むような表現が思い浮かぶことが多いのです。

 別のあるとき、ある会員が「○○先生は、大企業を定年で退職したので、いまだにサラリーマン根性が丸出しだ」と憤慨していました。その時に、不用意に、「私だってそうだし、先生も時々そういうことがありますよ」と言ったのが彼の気分を害してしまいました。その結果、彼は私とは疎遠になってしまいました。

 一旦発してしまった言葉は取り返せません。それを心していると、比較的人とのトラブルを回避することができるような気がします。

 

 

 

 


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