路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

降り続く秋に来る人来るたより

2010年10月31日 | Weblog
 台風とて雨。終日雨。小止みになったかと思うとまた降り出す。寒い。

 雨の中、家の若干のリフォームのために業者来てくれる。年寄りの介護のためにいくつかの補修の準備。
 考えてみれば我が家の介護生活も十数年前の祖母から始まってそれなりに続く。
 その人とお茶を飲みながら少し世間話。無縁社会、殊に地方においてただ事ならざるものに、と言う話。社会の根底が腐り始めている感が。

 そのあと諸々頭の痛い問題についての打ち合わせに出向く。世の中の詰まり具合、ついにただ事ではないところまで来た感が。やはり身の丈にあった暮らしをせねば。


                       


 午後突然お客さん来訪。毎年秋に来てくださる御家族。この辺をグルッとまわって最後によってくださる。今年はあいにくの雨で、という話をする。まさにその台風が接近しつつあるあたりに帰って行かれる。

 その後、これまた毎秋来るある依頼のファックスがお客さんから入る。今年は今までなかったからどうしたのかと思っていたところ。
 例年のとおりに忘れずにいてくださるお客さんというのは、本当にありがたい。

 日々感謝、だな。

 夜、家人が図書館から借りてきた、岸本葉子の俳句の本を少しだけ読む。文章が上品で謙虚でいいな。
 文は人なり、だな。

 分を守って、だな。



木枯らしや夕焼け見たかと妻が問う

2010年10月30日 | Weblog
 昨日よりは若干いいけれど相変わらず寒い。行く先々で、寒くなったな、あんなに暑かったのに、で会話が始まる。

 朝から気の重い電話で始まる。
 その後は終日慌ただしく。


                      


 某所から「神社新報」なる新聞を貰う。お宮さんたちの業界紙ですかね。
 下段の広告(サンヤツ)見てるだけでも面白い。神社関係の出版だけでもそれなりにあるらしい。その他、社寺建築とか鳥居工事とか装束とか。茅の輪まで商品になってるらしい。
 なによりスゴイのは本文しっかり旧カナである。今上陛下がお田植ゑあそばされる、その大御心をすべての国民が拝すべき、とする「論説」欄がある。社説をもつ業界紙というのはほかにどのくらいあるのだろう。ワシ全然知らんけれど。
 國大、というのは国学院大学のことらしい。

 夜更けより雨。
 11時ころには就寝するも、3時ころ目覚めてまた眠れず。そのまま輾転反側するも暗闇で目をつぶっているとやっぱりロクなことを考えないので、仕方なく灯りをつけて、枕元にあった、井出孫六『アトラス伝説』から「『太陽』の葬送」を読み始める。
 4時半ころ半分くらい読んだあたりで朝刊がきたので本格的に起きだす。

 新聞屋さんは早起きだな。




陽も年も墜ちゆくころのさむさかな

2010年10月29日 | Weblog
 寒い。そして終日雨。寒い雨。
 そろそろ灯油の心配をせねばならない。

 なんだかんだと慌ただしい一日。


                  


 急ぎの配達があって出かけると、先方の年寄りは催促したくせに悠長で、しきりに話をしたがる。
 お前はパソコンをやるか、と言う。パソコンを習いたいがどうしたらいいか、と聞く。町のパソコン教室は金がかかるからいやだ、と言う。市や区でも初心者向け講座があるのでは、と言えば、それはどうしたら入れるのかと聞く。そんなことワシゃ知らん、ということだけど、そんな話が延々と続く。
 解放されて帰ってきたら、すぐ電話で、領収書が無いという。そりゃあんまりせかすから忘れちまったじゃねえか、と思いながらあわててもう一度行くと、また話につかまる・・・。
 そんな一日。

 ワシ自身わけも分からんパソコンと格闘して数時間つぶす。

 なんやかや、気忙しいことばかり。

 それにしても、寒い。



線香のなかなか点かず神無月

2010年10月28日 | Weblog
 晴れて寒い。とっても寒い。急に寒いからなあ。
 朝起きてヒーター入れる暮らしが始まった。つい最近まで朝起きて窓開けてたのに。

 いろいろ出かけて空振りの多い一日。


                       


 百年文庫から、石川淳「明月珠」と長谷川四郎「鶴」
 石川淳の方はよくわからん。なんだか気取った高校生の作文みたいだなあ、という感想。まあ、もともと石川淳ってのはよくわからんけれど。
 長谷川四郎「鶴」は再読。以前(だいぶ以前)の時は特に感想もなかったけれど、再読してみて、こんなに美しい物語であったことに驚く。歳月のもたらすものということであろうな。

 夜のストーブの匂いは、懐旧をそそる。




山頂に雲冠さりぬ雪くるか

2010年10月27日 | Weblog
 雨やむも曇天。寒い。
 今年は秋がないらしい。
 昼過ぎより風強くなり、やがて音立ててひょっとしたら木枯らし。家ときにガタガタと音を立てる。


                      


 仕事で床屋さんに行き、ついでに散髪してもらう。
 初めてのところで馴染みはないけれど、仕事もらってマア義理ではある。
 新装なったばかりの床屋さんで、なんというかオシャレである。調度も体に巻くキレも(あれ何て言うの?)みんな現代風である。店内に流れる曲もなんか洋楽だし、若い店長さんは腰のベルト(?)にハサミその他七つ道具を装着してシャッシャッシャッという感じだし。
 いつも行くところは夫婦二人でラジオがかかっていて、冬はストーブに薬缶の音で昔ながらの使い込んだ剃刀を布鑢でシュッシュッシュッてしてからじっくりアタッテたいがい寝ちまう、みたいなところだから全然勝手が違う。
 だいたいシャボンの匂いが全然しなくて、(あの匂いとっても好きなんだけど)いつものところは顔にシャボンをペタペタ塗ってから時間をかけて髭そってくれるのが、そこはなんかシェービングクリームみたいなのを塗って一回シャッて感じ。全体の時間もいつもより半分くらいで終わってしまった。
 で、ワシはいつものところが好きだなあ。料金もちょっと高かったし。

 夜寝ながら、中島敦「カメレオン日記」読む。
 カメレオン殆ど出てこなくて、なんか哲学小説みたいでよくわかりませんでした。もっとも後半眠くて読んだようでもないから、論評外ですな。

 明日は寒くなるらしい。



閉ざされて足音去れり秋の暮

2010年10月26日 | Weblog
 雨が降ったりやんだり。
 バラララと屋根の上で鳥たちがダンスするような音が聞こえ、何事かと思うと不意の驟雨がすぐに去っていく音だったりする。

 さびしい一日。


                          


 ツバメの推薦で、田中彰『小国主義 日本の近代を読みなおす』(岩波新書)を読む。
 米欧回覧実記から植木枝盛、中江兆民、大正デモクラシーを経て日本国憲法まで至る。
 面白い。面白いけど難しい。なんで難しいんだろう。そこがよくわからない。なんか一直線というか、正解はこの通りみたいなところか、こちらの学力が足りないのか。まあ理解力不足でしょうね。まだ何度か「読みなおす」必要あり、というところでしょうか。
 植木枝盛、三浦銕太郎、石橋湛山、この辺がキイですかね。

 ナンカほんとにサムくなってきたな。



秋苗のこれより寒に立ちゆかむ

2010年10月25日 | Weblog
 曇天なかなか明るくならない朝から二人で畑へ。
 草取って耕して玉ねぎの苗を植える。
 すべからく苗のおぼつかなさ。ヒョロヒョロの奴が掌を時々逃げる。

 今年の畑は、前半比較的頑張ったものの、やはり例年通り梅雨のころから負けが込み、夏の猛暑で結局完敗であった。
 イモは不安定でカボチャは大豊作、ネギは思わぬ援軍により空前の出来の予感、大根はついに不戦敗である。
 それにしても、寒い春、長すぎる梅雨、異様に暑い夏、と異常気象に振り回された野良であった。


                        


 午前中かかって畑に区切りをつけ、午後は家の周りの草取りでもしようと思っていたら、昼過ぎより雨降り出し、やがて本降りとなる。

 日曜の午後家に閉じ込められて半日無聊。

 秋霖さしてもの思うことなく過ぎる。

 夜はまた深更目覚めて、そのあと寝つけず。




秋天ややがて露わな塗り残し

2010年10月24日 | Weblog
 おそらく今年最高の秋日和。
 商店街のお祭りらしく、花火があがったり太鼓が鳴ったり、賑わいがすぐそこに聞こえてくる。


                      


 朝早くから思い立って塀の防腐剤塗りの続き。昼食をはさんで3時ころまで。
 疲れてくると塗り方も雑になって、ボタボタ垂れても平気になる。養生してないから敷石なんか真っ黒になるし。
 それでもやり終わった部分にはなんとなく自己満足。
 まだまだやることはいっぱいあるけど、少しづつこなしていくしか仕方あるまい、ということである。

 夜は年寄りの見舞いなど。




朝焼けの塀の向こうの話し声

2010年10月23日 | Weblog
 会う人が、すっかり寒くなりましたね、つい最近まであんなに暑かったのに、と言う。そんな季節になりました。

 もう10日ほど背中がひどく痛くて、ついに医者に行く。
 3時過ぎに入って、6時ころの診察。診察は1分もかからない。
 要するに筋肉痛らしい。薬もらって帰ってくる。


                      


 『パンとペン』読了す。
 詳細に調べられた見事な評伝だと思った。堺利彦という人物を今まで殆ど知らなかったことを恥じ入るばかり。ことに売文社に関しては、完全に間違った先入観だけでありました。なにか職に困った元政治犯が細々と内職に売文していたようなイメージしかなかったけれど、まさにみごとな編集プロダクションであったとは。
 それにしても、いろんな人物が出てきて、それぞれに目配りが行き届いているのが見事だな。参考文献にはワシも既読のものがいくつかあるけど、殆ど忘れているからなあ。

 病院の待ち時間に、置いてあった『ゲゲゲの鬼太郎』を初めて読んだけど、やっぱり怖かった。







鳥たちが行きつ戻りつする小庭

2010年10月22日 | Weblog
 とりたてて書くほどもない日々が続く。凡人の平凡な日々。
 ツバメはマラソン大会とて、朝起きてみると小雨がちょうど落ち始めたところ。小雨決行と出かけていくが、その後降ったりやんだり。本格的な雨空になることはないものの終日曇天。

 ホントにそろそろ炬燵がほしい。


                       


 それにしても奄美の集中豪雨はすごいなあ。
 このあたりであんなに降ったら我が家はカンゼンに流されるな。エライこっちゃ。

 ま、流されゆく日々。