いよいよ三月も終わり。
なんか長い三月だったなあ。ずっと冬だったからな。今日だってサッムイもんな。
なんか小説読みたくなって、とりあえず本棚から拾ったのが、山田稔『コーマルタン界隈』(1981 河出書房新社)
もう三十年も前の本だから、ページのぐるりがやけちまってるけどな。
三十年前に読んだんだろうケド、当然のごとく何も覚えてなくて、で、読み出すと楽しい。パリ暮らしをめぐる八篇の連作。さして事件が起こるでもなし、ぎらつく描写があるわけでもなし、淡々と綴る文章がいい。ヤッパ文章だな。ウム、文章に尽きる。主題も筋も時には思想もすべては文章に帰する。文章さえあれば他のものは一切いらない、そんな小説がワシの理想であるナ。
と、ともかくこの小説が読めるようになったというのはワシも齢をとったということだ。タブン三十年前にはまともに読んではいないんだろう。
で、この本1981年初版だけれど、帯が二つついている。
裏の篠田一士の推薦文は同じだけど、表は、下になっていたのは、「文学の健在を証明する連作名篇!」と見出しがあって、6行の帯文。その上にかけてあったのには、帯文が文字も小さく4行になって、「各紙誌時評・書評で絶賛された連作名篇」という見出しの下に、白抜きで「芸術選奨文部大臣賞受賞作」とある。
九月の出版ということになっていて、それから「各紙誌時評・書評で絶賛され」て芸術選奨受賞(芸術選奨っていつだっけ?)しても初版のまま店頭にあって、そのあともとの帯を取替えずに新しい帯まいたのだろうか。書店の人か出版社の人が取り替えるのめんどくさかったのかなあ。
この本どこで買ったんだっけかナア。
と、そんなわけで、実はまだ半分くらいしか読んでないけど、これからゆっくり読むつもり。
明日から4月。
3月と4月はなんかふつうの月末月初めと違う感じがする。12月と1月ともまた違って。なんだろう、峠のてっぺんの右左みたいな。(相変わらずよくワカランが。)
梅はまだかな。