路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

曇り日も雨とはならず芋の苗

2005年05月31日 | Weblog

 五月も終ろうとしているのに寒い。
 曇天で時々ポツポツと雨らしきものが落ちるが、
結局本降りにはならない。
 ツバメは風邪気味で鼻をグズグズいわせている。

 通信指導問題、最後の一つを仕上げる。
「言語が文化であることの・・・」
いくつか手持ちの本を漁ったが、なかなかいいもの
がなくて、結局ツグミの国語の教科書から、丸山圭
三郎の文章を借覧。それを核にナニゴトかをデッチ
あげる。(多謝)
 丸山圭三郎といえばソシュールだけど、大岡信の
回想記に時々顔をだしていた人物としても、記憶に
残る。(小生の記憶に間違いがなければ)それ以上
に、確か晩年にはカラオケ大好き文化人の代表みた
いなとろがあった。(これも記憶違いでなければ)
だからなんだよと云われれば何でもないけど。
 ともかくこれで宿題は一つ片付けた。
 ムカデの足が一本とれた、というところでしょうか。

 夜九時過ぎになって、ようやく本格的に降り出す。
 終夜降り続き、久しぶりに雨音を聞きながら就寝。




夏へゆく門をくぐれば妻の庭

2005年05月30日 | Weblog
 朝五時半から冬眠鼠さんとお墓掃除。
 お墓使用者(?)一斉の清掃だから大賑わい。
日ごろご無沙汰の人にも会ったりするのがこうい
う時。お墓自体にもご無沙汰だけど。

 日曜朝のNHK週間ブックレビュー。
今日の特集に出てきた早稲田の名誉教授、言語学
者先生(名前失念)の日本語論がおもしろかった。
 日本人は、ら行が嫌い、という話。
 日本語はしばしば省略されて使われる。それでも
内容が伝わるからだけれど、近代以前より多くの省
略例はあって、なかでも特に、ら行は簡単に文節か
ら抜け落ちる。
 終ワリタリ が 終ワッタ になり、ヤッパリ
が ヤッパ になって、それで普通に会話は成り立つ。
 つまり、ら抜き言葉は、日本語の乱れではなくて、
日本語の特質、歴史の必然だという。
 へー、ぽろり(←ウロコの落ちる音)ダナ。

 これについては、小生ヤッパなあ、という感じがあ
る。
 食べれます、は、食べられます、だ。
 見れます、は、見られます、である。まことに日本
語が乱れている。という議論には年来少しばかり違和
感があった。子供のころから周囲の大人たちも普通に
ら抜きで喋っていたような記憶もあるし、これは言葉
の乱れとは関係ない、例えば標準語と方言といった問
題ではなかろうか、とずっと思っていた。
 ちょっと朝から蒙が啓いた気がする。

 この先生、最後に今後の予定を聞かれて面白い表現
を使っていた。
「ムカデの悶死、といった状態でしょうか。」
ムカデが動きだそうとして、どの足から出ようか悩む、
そのまま出す足を決められなくて、悶死してしまう。
やるべきことはたくさんあるのだけれど・・・。という
ような時に使うらしい。知らなかったゼ。さすが言語
学者。今度どこかで使ってやろう。

 午前中から少しがんばって、通信指導問題二つ仕上げ
る。
 あと一科目だけれど、そのまま気が緩んで、無為。
 ムカデじゃないけど悶死だな。


稜線を走る電柱数えつつ

2005年05月29日 | Weblog

 ツバメは星新一の読者で、流通している文庫は
渉猟し尽したので、いよいよ絶版モノに進む。
 取り敢えず『ふるほん文庫やさん』に1冊注文、
その後高原書店でも検索して、欲しいというので、
今回はやめて次回を待てということにする。
 気に入った作家を集中して読もうという姿勢に
は感心する。読書の入り口としても星新一はいい
選択だと思うよ。

 午後家族で昔野市のクラフト展へ。
 広い会場に、木工や陶器や織物の展示が一杯。
どれもみな個性的で、手仕事の見事さに好感が持
てる。大量生産、大量消費の一方で、画一化を嫌
う人々も相当数確実に存在するらしい。当然だけ
れど。
 それにしても出品者も観覧者もみんなそれなり
の格好に見えるのは不思議だ。これは逆の意味で
の画一化かしらん。(違うかしらん)
「芸術家は銀行員のような外見でなければいけな
い」というトーマス・マンの言葉をおもいだすけ
れど、これもやはり違うかしらん。

 帰りに冬眠鼠さんが花屋に寄るというので、近
くのコンビニで「週間朝日」を買う。
 彼女を待つ間、車中でパラパラと拾い読み。
 (私たちが出家した理由)という記事があって、
川西蘭のことが出ている。
 最近名前を見ないと思っていたら、坊さんになっ
ていたのね。
 記事の冒頭、川西をその才気はレイモン・ラディ
ゲを彷彿させた、みたいなことが書いてあるけど、
どうなんだこれは。小生の印象では都会的恋愛をマ
スコミ受けしやすく書いていただけのような気がす
るけど。もっとも、ラディゲ自体が三島由紀夫はじ
めたびたび再来するけどな。
 それはそうと、この記事全体の妙な文学調がなん
か鼻につくなあ。記者の名前を見ると以前は日曜版
や文化欄で時々見た名前のような気がするけど、な
ーんか思い入れだけで書かれると、読むほうは鼻白
むだけだぜ。

 夜、通信指導問題2科目。
 やっつけ仕事ってのはこのことだな。
ここ数日でこちらの方はキリをつけたいのだけれど、
さて、さて、いかがなりますことやら。



地を這って振り向きざまに夏に入る

2005年05月28日 | Weblog

 ツバメは振り替え休日。
 昼頃に出かけて六時頃帰って来る。
 ここ数日「反抗期宣言」をして、家出と称して
友人たちと町歩きらしい。
 友人との町歩きは古来青春の特権だ。ただ歩く
だけで楽しいという時期が確かにあるな。
 ツバメは最近知らないうちにパソコン使いになっ
て、気がつけばパソコンの前にいる。これは感心
しない。近年は学校でも積極的にコンピュター学習
を取り入れているらしいが、これが小生きにいらない。
 現代においてコンピュターが必須であることは認め
るとしても、人格形成期に必要以上の影響はかえって
よろしくない。
 若いころは、読むこと、書くこと、話すこと。
そして、見ること、聞くこと、歩くこと。
 何よりも、昨今のコンピューター推進の背後にあから
さまな経済の論理が見え隠れするのがとっても嫌ダナ。

 サッカー、キリン杯UAE戦。
 小野が入ると見違えるようによくなる。流れが軽やか
になって得点の予感が常にする、などと思いながら見て
いたらアッサリ敗戦。ウーム、何たることか。
 で、そのまま「笑いの金曜日」「タイガー&ドラゴン」
と見てしまう。
 クドカンってのは、なかなかウマイな。基本的な手法
は古臭いけど、流れにのせる手腕は確か(ナンテネ)
つまり、今ノッテルてことだろう。

 サッカー敗戦をひきずって、そのまま何にもせずに寝て
しまう。すぐ寝れちゃうもんな。大丈夫かな、もうちょっ
とアセッたほうがイインとちゃうやろか。
                    


青空に少年涙を捨てにゆく

2005年05月27日 | Weblog

 ツバメは昨日から学校行事で一泊のキャンプに
出かけていたが、午後元気に帰ってくる。
 帰ってくるなり遊びに行き暗くなるまで帰らない。
マア、元気なのはいいことですけど。
 
 ぺりかん社より総合図書目録送られてくる。
以前買った本の読者アンケートに答えた結果。
 云うまでも無いことながら、本というのは山ほど
あるなあ。読みたい本だけあげていっても、人生が
三回くらいは必要だ。
 (なんだか今日は特に頭がまわらないのか、出て
くる文言が陳腐すぎるな)

 夜NHKで中村雅俊が司会をしている歌番組を偶然
見たら、大貫妙子がでていた。
 久しぶりに聞いたらこれがなかなかイイの。
 乾いた郷愁。(なんかよくワカランけど)
 どうもちかいうちにまたCDの衝動買いがありそう
な予感。

 えと、なんか今日はホントーに脳細胞が動かない
感じ。
 スンマセンこのくらいにしておいてもらえますか?
                         


燕過ぐ閲覧室のメール音

2005年05月26日 | Weblog
 城跡市へ行ったついでに、図書館に本を返しに。
 カウンターに中学の制服姿の女の子が二人。職業
体験だな。お下げの子が小生の返却した数冊を丁寧
に受け取って、ハイありがとうございます、ぎこち
ないけど初々しい。こういうのはとってもイイナ。
心がホクホクしてくる。
 こちらこそありがとう。

 本だけ返して立ち去るつもりだったけれど、せっか
くなので軽く一巡。
 二階の郷土コーナーで、小崎軍平「夜明けの星 小
説自由大学」を発見。おや、ここにいらっしゃったの
ですか。別に郷土関係でもないから、こんな所にある
とは思ってもいなかった。下畑図書館にあるのはネット
で検索してわかったから、いつか地元の図書館に頼んで
取り寄せて貰うつもりでいたんだけれど。
 ついでながら、その近くで井出孫六「アトラス伝説」
も発見。これなかなかないんだよね。先日神保町で見つ
けたけど、初版15000円つけていてお手上げだった。
 やるな城跡図書館、見直したぜ。
 もっとも今日借り出しても読んでられないので、とり
あえず確認ネ。

 コーナーを出た所に「リサイクル本」と表示された本棚
2つが。そこの本は無料で持ち帰っていいと書いてある。
 さすがリサイクル本だけあってたいしたものはない。殆
どが古くなった実用書の類だが、タダでいいというので、
「河上徹太郎『日本のアウトサイダー』新潮文庫」と「会
田雄次『アーロン収容所』中公文庫」を頂く。
 さらに並びに「奥浩平『青春の墓標』文春文庫」を発見。
うーん、どうしようかな。小生若い頃には、同世代の友人
の書棚には本書と「高野悦子『二十歳の原点』」がたいが
いならんでいたものだったが・・・。
 手に取って頁を繰ってみると、巻末に「学生運動の潮流
と課題」と題して北小路敏が寄稿している。エーッ北小路
敏かよ。ふーん、北小路敏かあ。おまけにこれ文春文庫だ
し。ひょっとして掘り出しモノかなあ。

 ・・・現状に即して、併存している多くの活動家組織の
統一行動を強め、その保障のもとに、何派であるかを問わ
ず、いや何派でもない多数の一般学生自身の組織として、
全学連は再建されなければなりません。
           北小路敏 学生運動の潮流と課題

 記日は(一九六五年十月)とある。奥付では1974年8月
25日第1刷。
 それにしても北小路敏かあ。

 今日はなんとなく相性がよさそうなので急遽城跡ブック
オフへも寄る。
 時間がないので、新書の棚前だけ。反復横跳び的に棚を
上から下へ眺め降ろし、105円で「若宮啓文『忘れられない
国会論戦』中公新書」と「鈴木孝夫『ことばと文化』岩波
新書」を拾う。後者は通信指導問題「言語が文化であること
の論証・・・」に何か役立つかも、というサモシイ思惑から。
多分役立たないだろうけど。

                 


桐の陰宅配便がひとやすみ

2005年05月25日 | Weblog

 このところ概ね寒い。朝晩はコタツがはずせないし、
衣替えが近いのになかなか夏服とはいかない。もっとも
暑いのが苦手の身としてはこのまま夏になってくれれば
とも思うが・・・。
 去年のような猛暑は勘弁願いたいものである。

 通信指導問題、とりあえずヤッツケで出すことにする。
しかし全く日本語にならない和訳は無残だな。翻訳家と
いうのはタイシタものだと思う。
 若いころに語学だけはしっかりやっておくんだった。
 小生最近の語学教育には違和感ばかりだけれど、知性
の基本が言語にあることは間違いない。
 そういえば、「日本文化研究」の通信指導問題は『言
語が文化であることを論評せよ』とかそんなだったな、
さてどうしよう。

 夜中にふいに目覚めて眠れなくなる。
 なにやら胃がムカムカしてきて、冷や汗もでてくるよ
うな・・・。
 暗闇で目覚めていると、ロクでもないことばかり妄想
していけない。
 しらないうちに眠ってしまって、朝になるとなんとも
ない。全体が夢だったのかもしれない。
                        


今朝来れば十薬満ちて地も見えず

2005年05月24日 | Weblog

 再度通信指導問題に取り組む。
 夜八時頃始めるとすぐ眠くなる。この頃すぐ眠く
なるなあ。
 「生涯学習論」のThe Learning Societyの和訳。
冒頭 adult education resounded to the merits
of permanent education,・・・ とあって、この
resounded がもう判らない。
 何が何にresoundしたのか、そもそもresoundって
のは一体どういうことか。
 疲れるなあ。この調子でエンエンと続く。
 まだ1科目も仕上げてないのだから、前途遥遠で
ある。なんだか「解体新書」訳述みたいになってき
たぞ。

 夕暮れ、家族で雲間から満月の出で来るのをしば
し眺める。それで1句モノしようと思ったが、何も
出で来ず諦める。(冬眠鼠さんの句作を待て)
                    


灯を消してカーテン越しのみどり闇

2005年05月23日 | Weblog

 4月のオリエンテーションの際に申告した小生の
メール・アドレスがやはり間違っていて、他の人に
来たメールが小生のところには来ていないことを先
日知ったので、S先生宛に送信。もっとも小生メール
の扱いが未だによくわからないので、専らツグミの
手を煩わせる。
 どうもありがとう。

 「週間文春」によれば、『マスターキートン』が
絶版になっているらしい。
 我が家所蔵のものを大切にいたしましょう。

 午前中何やかやと過ごし、午後サッカー日本対ペルー
戦をテレビで。
 なんともダルイ試合で、途中うたた寝。目覚めたら
直後に失点で敗れる。
 敗戦を確認してまた睡魔が。(昨日の疲れですかね)
目覚めたら四時頃で、放送授業を聞き逃していたこと
には、それからまだ少し経つまで気づかなかった。

 あとは、さしたることもなし。ひさしぶりの休日。
                        


畑にでる賢治のごとく書き置きて(冬眠鼠)

2005年05月22日 | Weblog

 (承前)

 初回Tゼミは、文京学習センターにて。
 センターは茗荷谷の筑波大学東京校地内。という
より旧東京教育大学。キャンパスの一部が「教育の
森公園」になっていて、その一郭に放送大学もある。
 緑多く、都心でありながら若葉の香りが匂いたつ。
 正午に到着。T先生より指導を受ける。
 といっても、こちらにまだ指導を受けられるような
準備もなし、論文執筆にあたっての基本的な注意その
他、碩学にわざわざ出向いていただくのが申し訳ない
ようなもの。
 途中T先生より若い頃恩師の宝月欣二に従って、屡々
城跡市に調査に来たという話がでる。宝月は小生の高
校の大先輩、親しみが増す。

 終了後、集まった「同級生」四氏と近くのファミレ
スで会食。
 甘木Aさん、近世茶道史専攻(ようワカラン)
 甘木Bさん、近世禅宗史専攻(ようワカラン)
 甘木Cさん、ナショナリズム研究(ようワカラン)
 そして小生、近代社会教育思想史(これがもっとも
ワカラン)

 それぞれ大変有意義な話を聞けてよかった。
 殊に甘木Aさんはすでに大学院3年目。論文に専念す
るために卒業を延ばして、ゼミに出てきておられる。
各先生の話や先輩の話、合宿の際の話など貴重な話を
伺う。中でも最大の情報、学割が効く!
 センターに申請すれば旅費などに学割証明書を発行
してくれるという。朗報ですね。そうか、オレ学生だ
もんネ。

 皆さんと別れて(甘木Cさんとは途中まで御一緒)夕
方の特急に乗り、夜帰宅。
 疲れたけれど、楽しい一日。