ツイッター眺めていて面白く、ブログはもういいかな、という気持がだいぶ昂じてきた。日頃廻覧しているブロガーたちがこのところ総じて更新されなくなっているのがよくわかる気がする。ツイッターで充分だし、そっちの方がおもしろいもんな。
というようなことを思ったら、なんか、すべてがメンドくさくドーでもよくなってきた。
先日隣町の大きな新刊本屋へ行ったら、さすがに本がいっぱいで、特に文庫棚が多くて背表紙眺めてるだけでもコーフンしてきた。田舎は駄目だな。本屋なんてどんどんなくなるし、それから都市の小さな本屋も大変だな。ワタクシは応援したいけれども。
と、そんな話ではなくて、みすず書房から野見山暁治の『遠ざかる景色』が再刊された、というのをツイッター情報(!)で知ったので、探したらあって、街に出てきた田舎者の通弊でやたら気が大きくなっていたので、2,800円(+税)もしたのに買ってしまった。
買って、よかったなあ。久しぶりに野見山の美しい文章に酔いしれて、『四百字のデッサン』まで出してきて読んで、どちらも通読してそのあとまた読んで、このところしばらく野見山ワールドに浸って過ごした。
感想をまとめるのはまたの機会としよう。なんだかいろいろ書くといろいろと零れおちてしまう気がする。
このひとは薄い鉛筆を、紙に触れるか触れないかの距離で滑らせていくと、美しい日本語が溢れてくるようになっているのではないかしらん。
巻頭の『夜道』からすでに見事な一篇の掌編小説である。
『四百字・・・』にもでてきたコスモポリタン椎名其二やエトランゼたち、その回想を描いてどうしてこんなにも美しいのか。
「ある鎮魂の旅」に描出された人々への眼差しが読み返すたびに胸に迫る。
椎名其二は秋田角館の人らしい。
一度行ってみたい町の名前だ。