路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

湖底にも波音ありて八月尽

2010年08月31日 | Weblog
 ようやく八月が終わる。
 長かったな。暑いせいだな。殆どブログどころではなかった。
 暑さのせいで、何日もPCに向かう気もしなかった。でもまだ暑いらしい。

 土曜日。暑い暑いと言っていたら、午後四時頃、突然雨降り出す。それがいかに突然かといえば空はまさに晴天のまま、見晴るかすかぎり雲など何もないのに、雨が降り出し、すぐに豪雨となる。晴天のまま。
 やがて、これまた突然東風、しかも突風。
 晴れて明るい中を、雨が幕となって、(ちょうど舞台で幕が引かれるように)、目の前を水の幕が東から西へと激しく(ほんとうに激しく)水平に横切り続ける。
 あんな光景は生れてはじめてである。

                       

 枕元に積んであるツンドク本の一番下から、松本健一『在野の精神』掘り出して読んでみると、これが面白い。
 吉田正春とか常葉金太郎、吉倉汪聖なんて人は名前も知らなかった。
 それにしても松本健一、これらを書いたころはまだ三十代前半だからなあ。

 日曜日、午前中某所より帰宅する途中、我が家の一郭東側の屋根がトタンすっかり剥がれて、半分ほど飛びかけているのを発見する。
 びっくりしたなあ。前日の風、まさに台風ナミだったからなあ。

                      

 さっそく屋根にのぼり、おそるおそる剥げたトタンを折り返しだけはしたけれど、これでは春のそよ風程度で確実に飛ぶ。
 屋根屋さんに頼んで、月曜日さっそく来てもらう。

 その月曜日、さっそく来てくれた屋根屋さんに見てもらって、その直後、病院から連絡があり、年寄りの容態急変を知らされる。
 あわてて駆けつけたのが昼頃で、そのまま緊急手術が決まって、夜八時頃まで、病院に待機する。
 途中ちょっと帰宅して、待ち時間用に、内田百『百鬼園戦後日記』を持ってくる。

                     

 日記だからどこから読んでもいいから待ってるときの読書にはいいだろう、とのヨミ。
 
 年寄りの方はツツガナク手術終わり、切り取った内臓なんぞを見せられて帰ってくる。

 百先生のほうは、最初はテキトーなところから読み出したのだけれど、面白くて最初から読み直し、帰宅してからも読み続く。
 日記だから日常の記録でしかないのに、どうしてこれほど面白いのか。ひとつには昭和二〇年八月から始まるその時期の特異さ、ということがあるだろう。
 それと、やっぱり文章の力、芸の力、ということであるな。
 
 ま、こんなブログ書いてるのが恥ずかしくなるな。

 ということで、八月終わり。

 まだ、猛暑日、とか言ってやがるぜ。

 ほんとに、モウ。




弓形に発熱したる邦土かな

2010年08月27日 | Weblog
 もう言うのはやめようと思う、暑い、などと。

 と、それにしても、暑い。

 ア、ツイ言ってしまうなあ。

                  

 今日は日中、もっとも暑いころに、(ア、ツイね)峠を越して配達。
 どうもクーラー効かせた車内が一番涼しいな。外は見るから暑そうで、実際外に出るとカンゼン焦げる。

 結局本屋にも寄らず直行直帰。

 ほーんと、脳ミソ煮詰まってるからなあ。
 書くことナーンニモ浮かばんぜ。

 ごめんね。





天守閣から積乱雲とアキアカネ

2010年08月26日 | Weblog
 朝は涼しい。八時頃からだな、急激に暑くなる。

                  

 昼に市民病院へ出掛けて、主治医の先生から年寄りの病状を聞く。
 最近のお医者さんは丁寧である。いろいろとあるからな。
 老人は生御霊であるからそれはいろいろあるわけだけど、世の中老人ばかりなのに改めて驚く。なんせ幕末生まれがケッコウいるらしいからな。

 そのあと、ソーシャルワーカー(だっけ?)のひとから話を聞く。
 こちらの人も丁寧である。暑い中申し訳ない、突然に。
 で、介護の話。
 結局は人は死ぬまで金がかかる、のである。もちろん死ぬまで生きねばならぬ、のである。暑いのにな。

                     

 午後所用で法務局へ。
 こちらもお役人親切である。昔よりだいぶ親切である。定年直前まだオカミ意識が抜けませんけど精一杯がんばっております、みたいなお役人が精一杯親切ですぜ、みたいに親切にしてくれる。

 なんだかみんな大変だな。

 暑いのにな。




なにもかもざんばらざんや夏恐ろし

2010年08月25日 | Weblog
 もう何日も更新しないでしまった。
 暑すぎて、ブログどころではないのである。
 ほんとマイッタ。この暑さで暴動おきないのがおかしいのである、とバカの一つ覚えのように呟いていると、ツバメが、そりゃ起きないよ、暑いからね、と言う。御意。

 でもまあ、暑いよ。
 風がカンゼンに死んでるからな。

                        

 この間、まあ、いろいろあって、汗だらけの肉体労働や、ヤッツケ仕事の草むしりや、年寄りの入院や、あれやこれやだけれど、ゼンゼン季節だけは進まずに真夏のマンマだぜ。
 もう、イイッちゅうねん。

 で、本ナンかまるで読めやしないけど、敗北を抱きしめたり、南方熊楠開いて閉じたり、科学者の社会的責任に就いての覚書なんてのを本棚から引っ張り出してきてみたりしたけど、梶井基次郎30数年ぶりによみだして、へえ、ケッコウうまいじゃん、みたいなことになったりしていたりするのですが・・・。

 なにもかも、暑さのせいだな。

                      

 で、今日は夕方から予報どおり夕立、というかゲリラ豪雨で、まさにツンザクような雷ドカドカ。もう、ものすごいありさまになってしまって、その中七時ころツバメを迎えに。
 ワイパー最強で、それでも前が見えなくて、自分の車が跳ね返す水しぶきがまさに車全体を覆い隠すくらいの水量。対向車のライトだけを頼りに道路を見極め、フロントガラス嘗めるように運転したのでしたが、帰りつく頃にはすっかり止んで、満月に虫の音盛んなのでありました。

 ナンダカナア。
 すっかり疲れた。

                   

 それにしても、チリだかで、シェルターのなかに救助を待つ30数人というのは、いったいどういう精神状態なんだろね。

 暑いんだよな、結局。




 

蝉時雨聞いて時々雨宿り

2010年08月17日 | Weblog
 お盆だからってどうということもないのだけれど、終わってみると少し淋しい。どうということもないのだけれど。

                           

 とてもとても暑くて、もうどうでもいいや、という気になる。しかし、この暑さ、尋常ではない。
 夕暮れに畑でササゲの棚越しに落日を見上げたら、そのままクラクラして、倒れそうになりながら帰ってきた。いつもより指先の揮えが止まらなくなって、しばらく、死ぬかと思った。

                         

 冬眠鼠さんはずうっと工作で、ワシはそれを火を焚きながら少し手伝う。

 なんだかゼンゼン調子が出ない。

 午後になって、時々驟雨。
 雨が上がって、西日が紫陽花の葉を透かして辺りを照らすと、向こう側でそれまで燻っていた焚火の煙が垂直に立ち上がった。

 時に、風も死ぬのだ。




懐旧も接続できず夏小菊

2010年08月14日 | Weblog
 お盆だから草取りするぞ、と寝たのに、夜半から雨音。朝起きても、起きたころからまた雨音。
 雨降るとダメだな。なんにもできない。

                       

 それにしても天気予報、昨日くらいからまた猛暑のはずがゼンゼンはずしてやがんの。ま、コッチの方がありがたいですけどね。

 で、図書館へ行く人やら、買い物いく人やらで、ワシだけ特にやることがない。
 一応「敗北を抱きしめて」を抱きしめて、グラグラ、ガラガラ、ゴロゴロ、ガランゴロン、と八月十四日である。

 静かで淋しいお盆。お盆てのはこういうのが正しい、多分。

                      

 ウム、そのようにしてまた続く。

 ナニがだよ。
 ナニかがだな。

 ヨウわからん。




歳月の影に薊の綿毛飛ぶ

2010年08月13日 | Weblog
 
 昨日今日、台風が過ぎ去ってから比較的涼しい。もっとも、お盆の頃というのは、本来こんなものであった。

                       

 今日は地元の夏祭りで、ドンドンカンカン喧しい。
 今年はお盆も関係なく行こう、ということで、午前中墓参りのほかは仕事。午後は腰を入れて草取り、である。

 もう何度目の草取りかわからないが、草、草だらけ、だな。
 草取りすると、体中痒い気がする。

 途中、眼前を綿毛がいくつも飛んでいくから、いったいなんだろうと発生源を探したら、どうやらアザミの綿毛らしい。
 アザミ、でかくなっちまったからな。こうなるとなかなか除去できない。棘、痛いし。

                      

 まあ、お盆といえば本来秋風のはずだけれど、今年はまだ猛暑になるらしい。

 もう概ね夏休みも終わりだし、そろそろ気をユルクしたいのだけれど。

 というわけで、今日は迎え火。




蒼蝉ぶつかりそのまま消えて夏の雨

2010年08月11日 | Weblog
 台風が来ているせいか、昨日今日急に涼しくなった。
 もっとも仕事をしているとやはり汗みずくになって、一日に何度も下着を着替えることになる。

 もうすぐお盆であるが、今年は特にどうということもない。毎年この頃疲労が溜まっていくだけである。

                         

 昨日のことであるが、ツバメが文房具がないというので、本屋に買いにいく。
 実はそこの二階で、本のバーゲンセールをやっているので、それを覗きがてら、ということである。

 去年もこの時期にバーゲンセールをやって、その時は勇んで出かけたのだけれど、殆どが実用書で、期待はずれ、ということがあったので今回は殆ど期待せずに軽く覗く程度。

 で、実際に今年も殆どが実用書。
 ただ、一郭に今年廃業する一草舎のバーゲンと少しの古書が並んでいる。
 で、それらをハイ・スピードで見てまわる。

 で、結論を言いますと、超ハイ・スピードでまわって二冊をピック・アップ。
  長野郷土史研究会機関誌「長野 第68号」(昭和51年) 500円
  京都帝国大学新聞部編『決戦下学生に與ふ』(教育図書 昭和17年) 1000円

 前者は山越脩蔵の論文が載っている、というだけで性懲りもなく。
 後者は何気なく買ってしまったけれど、帰ってから 日本の古本屋 で検索すると、一件ヒットして5000円であった。

 で、『決戦下・・・』であるが、あとがきによれば、昭和16年10月から17年2月までのあいだに、(つまり、開戦をはさんで、ですね。)「京都帝国大学新聞」にのった当時の京大教員たちの「学生に與ふ」文の集積であるらしい。
 執筆者は34名。ざっと眺めたところでも、天野貞祐、澤潟久孝、桑原武夫、高坂正顕、高山岩男、新村出、高田保馬、西谷啓治、蜷川虎三、原随園、湯川秀樹、等々。
 ナンか、ちょっと期待できません?
 今年のお盆はこれで決まり、ということでしょうかネ。

 町の古書展あなどれず。

 ということで、マ、ひとつ。




求めても水流れゆき滲みゆく

2010年08月09日 | Weblog
 昨夜来静かに降り出していた雨が、未明には音立てて落ちる。
 梅雨のころはあんなにも敬遠していた雨が、なにやらひどく心を落ち着かせる。
 ま、雨だから草取りしなくていいからだけどね。

 朝7時ころには雨あがり、日差しも出てきて、ああ今日も暑くなるかと思ったが、実際にはそれほどでもない。むしろ久しぶりに涼しい一日。
 でも、出会う人との会話は、もっぱら今年は暑い、ということばかり。
 この暑さの記憶も、あと二ヵ月もすればすっかり忘れてしまうのだろう。

 今日はメイッパイ忙しかったなあ。
 涼しいけど、汗いっぱいかいたし。
 夕方には、また二人で草刈。草刈も年々しんどくなる。今度の草刈機は馬力がある分震動もすごい、という話は昨日書いたっけ?
 ともかく、ハクロウ病寸前である。

                        

 冬眠鼠さんは、着々と庭園整備計画を進捗させている。

 暑いから、無理しない方がいいと思うけど・・・・・。




草刈って草の匂いの夜となり

2010年08月08日 | Weblog
 朝方曇って、いつもどおり7時頃から暑くなるかと思っていたらそれほどでもない。
 草刈をしなければならないと思い定めてもうだいぶ経つので、今日こそはとそのつもりでいたら、9時過ぎから雨降り出す。
 仕方ないと断念すると、雨やむ。

                           

 
 で、午後から本格的な草刈。
 草刈機を新調したので使い初め。ワシは機械モノは全くダメなので、冬眠鼠さんに説明書を読んでもらって、使えるようにしてもらってから、ワシが使う。
 で、新しい機械は馬力が違う。音も違って、震えも違う。30分以上ヤッテルト右手がカンペキに痺れて握力がなくなる。
 で、ほぼ二時間。
 草刈るときれいになって気持ちがいい。

 あしたも草刈。(たぶん)

                        


 で、一日思ったほど暑くならない。

 久しぶりに窓閉めて寝る。

 夜の秋。

 ホントもう夏おわってもかまわないのだけれど。