朝雨音で目覚める。
ようやく本降りか。
7時頃にはあがる。
ふらんす堂 坪内稔典『子規の一句』
風板引け鉢植の花散る程に
風板(ふうばん)というのは子規の要望で碧梧桐が作ってくれたものらしい。
『病状六尺』をひくと、その六十八に、
この頃の暑さにも堪へ兼て風を起す機械を欲しと言へば、碧梧桐の自ら作りて我が寝床の上に吊りくれたる、仮にこれを名づけて風板といふ。夏の季にもやなるべき。
とある。
明治三十五年七月十九日。死のちょうど二ヵ月前である。
寝床の上に吊った、というのだから団扇みたいなものをとりつけたのだろうか。それを、引いて、使うらしいから、寝ている子規の手元に紐があったのか、傍らの誰かが引いていたのか。誰かが引いていたのならメンドくさかっただろう、直接団扇を扇いだ方がよっぽど楽だったに違いない。新しモノ好きの子規が、死の床で、看護する者(妹の律か)を督促するさまが彷彿される。碧梧桐もメイワクなものを作っちまったものだ、と思わなくもない。
冬眠鼠さんは、夕方二度目の梅捥ぎ。
本日小生はカンペキに見上げるだけの人。
オーイ、気をつけろよー。
彼女は夜遅くまで梅漬けの仕事。小生はサッサと就寝。
夜は涼しくよく眠れる。