路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

人の日の青空暮れてかなしいぞ

2007年01月08日 | Weblog

 一月七日は人日(じんじつ)。一日の鶏から始まって七日で人に至るらしい。
 朝起きてみると、オイオイまたも雪である。
 注連飾りをとって、七草粥を食べて、家を出る頃には吹雪。顔を伏せて歩いてもビュウビュウぶち当たってくる。もう、行くのやめようかと本気で思う。

 列車に乗って、一時間もしないうちに窓外雪は全く消えて、麗らかな春のよう。車窓から富士が美しい。
 東京は曇り。ヤヤ寒い。
 集合時間の一時間前には大学について、正面ロビーでコンビニで買ったアンパンを食べて昼食としていると、中から名古屋のNさんがやってくる。今終わったところだと言う。少し話す。ナントカまとめただけで、提出も締め切りの一日前だった由。謙遜なのかよくわからないけど。

 30分まえに会場の図書館に入ると、面接室の前で、大阪のNさんが待っているのに会う。挨拶してちょっと話そうかと思っていると、中から滋賀のKさんが終わって出てくる。で、ちょっと挨拶。
 部屋の前のストールに座って、中から聞こえてくるNさんの声を聞きながら待っていると、不意に心臓がドキドキしてくる。え、なんで?というくらいドキドキしてきて、おいおいどうしよう、というくらいになる。
 そこへ不意にKさんが現れ、話しかけてくる。聞けばまだ二時間も先の順番だというのにモウ来たと言う。この人はいつもなんか間の悪い登場をするので閉口なのである。いろいろ話しかけてくるけど、こちらはドキドキの最中だからただ聞き流していると、Nさんが終わって出てこられる。
 大阪の中学の先生のNさんはなんかいいカンジで、小生好きなんだけど、コチラの顔を見て微笑んで、「じゃあ交代です。」と言われたら、なんか落ち着きましたです。

 部屋の中では、G先生とS先生が並んでおられて、挨拶をして、S先生が、「それでは、論文の要旨と結論を簡単に仰ってください。」と言われる。
 結論なんて別にないんだけどなあ、と思いながらボソボソと。
 「それでは、あなたの論文で新たに発見された点などありましたら・・・」
 そんなもの特にないんですけど・・・と思いながらボソボソ。
 「では、逆にここが未解決だというようなところがあったら・・・」
 そりゃあ全編そうなんだけど・・・と思いながらボソボソ。
 そのあとG先生が、「なかなかいい文章で・・・」と褒めてくださるのを、文章かよ、と思いながら聞く。
 「もっと書きたいことがあったんじゃあないの?」と言われるのを、そうかもしれない、と思いながら聞く。
 「あなたが金井に仮託する部分がだいぶあるのではないか」と言われるのを、そうかもしれない、と思いながら聞く。
 そのあと両先生から細かな部分の指摘があり、それをホワホワと聞くともなく聞いて、G先生が、あと一部作って送ってください、というのを頭の端のほうで聞く。
 「エーとほらほら、あの先生、誰だっけ、あの専門の先生に見てもらおうと思うから、えーと、ナンだっけ名前。」とG先生が小生を見ながら言われるのを、誰だよ、それ、と思いながら聞き、そのあとで、そんな人に見てもらったらタチマチ化けの皮がはがれちまうぞ、と思い直す。
 で、そのあと少しだけボソボソ話して、終り掛けに、あ、そうそう、年賀状どうもありがとう、いえいえこちらこそと言いながら立ち上がり、あれ、こっちは年賀状貰ってネエゾ、と思いながら退出する。
 出てきたら、Kさんがいて何か話したそうだったのを、無視して図書館をあとにする。

 なんだかトロトロと歩いて、もう二度と来ることのないであろう学び舎を出る。
 小生関わった学校の中で、もっとも思い入れのあるものとなった放送大学に心より感謝する。
 帰りの電車はソコソコ混んでいて、なんだか腑抜けのようになって座って、窓外に広がる青空を見ていた。
 そこに、母子らしい二人が座って、中国語で話し出し、その質朴なカンジが好ましく、不覚にも泣きそうになる。しばらくすると、中学生らしきそのニキビの男の子が前に立った老人に無言で立って席を譲り、またしばらくしたら母親のほうも同じように席を立って、そのさまにまたも泣きそうになる。

 お茶の水で降りて、さてどうしようかと思ったけれど、これが最後と神保町へ。
 日曜日で殆どの店は休みで、幾つか入った店でもナンカ心が虚ろで、書名もうまく目に入らない。
 少し散策して、また駅に向かう。
 駿河台の坂を上る頃、ちょうど夕暮れで、青空が少しずつ濃くなっていくのを見上げながらまた泣きそうになる。

 新宿まで来たら、雪と強風のため電車は大幅に遅れるという。
 寒風のホームで震えながら待っていると、ホントに凍えそうになる。
 帰り着いたら、そこは全くの雪の世界であった。一日降り続いた雪で、冬眠鼠さん以下家族は大変だったらしい。ほんとうにすんませんでした。
 ともかくも、これでオシマイ。
 そのような雪の日をもって、このブログも終了。
 また新たな旅立ちを期して、では。


叫べども吐息なれども雪のみぞ

2007年01月07日 | Weblog

 深夜目覚めて室内のほの明るさにモシヤと思う。
 6時に目覚めてまさしく、すでにあたり一面雪である。サンダル履きで外に出るとたちどころに冷たい。
 雪が来ると予定したものは何も出来ない。
 小止みになったら雪かきせねば、と思っていたが、一向に止む気配もない。仕方なく10時頃皆で雪かきに入る。それでも雪はドンドン降って、かいた端から積もってゆく。
 毎年のコトながら雪はキライである。
 昼食を挟んで、思い腰をイヤイヤあげる。午前中かいた所はもうすっかり雪の原である。
 それでも暗くなりかける頃には小止みになって、結局あたり一面真っ白に埋まってしまった。
 ヘトヘトである。
 子供たちは元気で、知らない間にデッカイ雪だるまと、身長程度の橇すべりゲレンデが出来上がっていた。
 明日はいよいよ口頭試問に出かけねばならないが、雪かきで疲れたせいか、なんかメンドくさくなって、ドーデもよくなってきたな。
 明日は晴れるといいのだけれど。


真っ青な虚空よ僕の生きる道

2007年01月06日 | Weblog

 本格的な仕事開始。
 例年と違い、晴れて暖かい。やはり暖かいのはありがたい。

 思想家列伝、スミスまで行って了とする。カント・ヘーゲル・マルクスとなるといささか手に負えぬ。で、できたとこまで甥にFAX送信。
 冬眠鼠さんが読んで、イエスのところはナンだかワカラン、という。確かに読み直してみると書いた本人が殆ど理解できない。それにしてもそんなに笑わなくても、というくらい笑われる。そんなに笑わなくても・・・・。

 遅まきながら本日家族で書初め。
 小生は、「節約」と書く。
 本当に今年は節約しないと。本は買わない。歩いて行ける所は車は使わない。間食はやめる。(ダイエットにもなるし)勿論コンビニは入らない。等々できる限り節約していかないとナ。
 あとは何よりも、時間を節約、毎日を有意義に過ごして行かないと。

 明日あたりから天気は崩れるらしい。


白々と冬満月や虚に祈る

2007年01月05日 | Weblog

 動き出す。
 取りあえず銀行へ。そのあと郵便局。
 郵便局は大変な混み様である。大変な混み様であるのにも拘らず、窓口の幾つかは閉じられていて、その向こうで何人かの職員が客のことなど興味なさげに何かをしている。
 開いている窓口に、払い込みの旨伝えると、座ってお待ちくださいという。座って待ちたいところが、椅子は全てふさがっている。立ったままイライラして待つと、だいぶ経ったころに呼ばれて、払い込みはいくらだと聞かれる。金額を言うと、ではもうしばらくお待ちください、となる。
 疲れたので開いている椅子になんとか腰掛ける。まえの三人掛けの椅子には七十代らしき女性が三人座っていて、知人らしく話しをしている。聞くともなくきいていると、遅くなって悪かったみたいな話で、どうやら郵便局に用事があったわけではなく、ここを待ち合わせ場所にしていたらしき様子。そのまま延々と世間話が続いている。なんなんだよ、と思う。思ってまたイライラする。
 窓口では胸に研修中の名札を付けた職員が、悠揚迫らざる様子で金を数えたりしている。一向に名前を呼ばれないので、精一杯睨み付けてやるが、こっちを見ることもない。一回数えた札束をひっくりかえして数えたり、証書らしきものをゆっくり読んだり。その間も隣の窓口は閉まっていて、他の職員は客の様子に気を留めるでもない。
 もう地球が数十回自転したかと思われるくらいにようやく呼ばれて、頭に来ていたので殆ど口もきかずに窓口を後にしてやったが、研修中の若いニイチャンは全然平気だよ、みたいでした。

 町は麗らか。小生の前を犬の散歩をさせている若者がいて、しばらく前後に歩いて行くと、角から若い女の子が出てきて、アラッ、みたいなカンジでそれから二人ならんで歩きだしたのでしたが、その女の子の笑顔がハツラツとして気持ちよく、すっかりコチラの気持ちもホクホクしてきたのでありました。
 今年はいいことがあるといいな。

 夜は相変わらず思想家列伝。ホッブス、ロック、ルソーと進む。
 そろそろ頑張るか。


枯葉道青空道と歩き初む

2007年01月04日 | Weblog

 完全な寝正月。箱根駅伝やらヴァラエティやら見ながら例年の如く過ぎていく。
 夜になって、放送大学のテキストをまたも引っ張り出して、思想家の思想についてまとめる。
 実は一昨日甥に大学のレポート下書きを頼まれたのであるが、これが面白い。深夜二時頃まで、イエス、プラトン、アリストテレスについてそれぞれ2000字にまとめる。右腕がパンパンになるが久しぶりに楽しい。イエスについては少々主題から離れてしまったキライがあるが、まあ許してもらおう。

 もう正月も終りだな。


橋ごとに富士を横目に元旦は

2007年01月02日 | Weblog

 2007年の年明けは、穏やかに晴れて始まる。
 お参りの後、年賀状を確認して昼頃実家へ。皆久しぶりの再会、甥や姪の成長をまた確認する。
 なにやら正月らしく打ち興じ、夜10時近くに帰宅する。

 今年も新たな良い出会いがあるといい。
 額に汗して働き、腰を低くして人と付き合い、背筋をのばして正道をあるけますよう。
 家族の恙ない1年を心より願うのみ。