神田川 「まる歩き」 しちゃいます!!

ー神田川水系、支流はもちろん、旧水路、廃水路、全部 「まる歩き」ー

桃園川

2015-05-18 06:51:30 | 千川用水2

 桃園川は弁天池など天沼周辺の湧水を源に、阿佐ヶ谷を流れ、馬橋、高円寺、中野を経由して神田川に注ぎ込む、南の善福寺川と北の妙正寺川とに挟まれた、神田川水系の一支流です。江戸時代から明治にかけては農業用水として利用されましたが、天水頼りのため水不足は慢性的で、青梅街道沿いの七ヶ村分水の助水が不可欠でした。むしろその水が最大の水源といえ、独立の〇〇川というよりも、千川用水の一部の扱いで、千川用水、多摩川上水の分水、あるいは単に田用水と呼ばれることが多く、中野付近では石神井川、石神川、宮園川、中野川などもありました。

 

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    ・ 「江戸名所絵図 / 桃園春興」  高台は現在の中野駅南口、中野マルイ裏付近で、背景には桃園川が流れています。源氏雲の陰に桃園橋も架かっているはずですが、当時そう呼んだかどうかは疑問で、本文では「岡の前を流るゝ小川に架せる橋を石神橋と唱ふ」としています。

 大震災後から昭和10年代にかけて、宅地化に伴い区画整理事業が行われ、複雑、多岐な流路は一本化されますが、それまでの田園風景は失われ、水質悪化と大雨時の氾濫に悩まされることになります。昭和42年(1967年)、長年の課題だった暗渠化に成功、地下は「桃園川下水幹線」、地表は「桃園川緑道」になり現在に至っています。桃園川というのはその区画整理後の呼称で、現中野駅近くにあった(八代将軍ゆかりの)桃園、桃園橋からの命名です。

 

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    ・ けやき公園  阿佐谷駅から高円寺方向に400m弱のところにあります。杉並口からの用水は公園の前で、左手に車止めの見える桃園川本流と合流し、右手に流れてJR中央線を越えていました。

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    ・ 桃園川緑道  けやき公園の先、JR中央線の南側にある桃園川緑道の起点です。末広橋で神田川と合流するまで、およそ4.5kmを途切れることなく続きます。神田川水系の中では最長の、かつ最も整備された緑道です。