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「老いのシンプル節約生活」 安部絢子 

2018-12-19 | 読書

基町クレド広場2017年12月。


著者は70代前半の生活評論家、薬剤師の資格も持つ。結婚歴のない一人暮らしで、ごきょうだいも皆さん結婚していないらしい。

そういう立場の人の老いの暮らしと終活ですが、私のように家族がいてまだいろいろな用事のある者にも参考になることがたくさんあり、面白く読めました。

賛同したことをピックアップしてみます。

普段の生活はシンプルで質素に。でも脳にとって贅沢な暮らしをしましょうと。それはお金を使うことではなく、人に会う、本を読む、新しいことに挑戦するなどお金を掛けずに脳に栄養を与えること。

ひとり暮らしで大切なことは「ひとり力」。

それは一人で一日家にいられる。一人で旅行したり、街を歩いて楽しめる。お正月やGWでも一人で過ごせられる。お金がたくさんなくても工夫して楽しく暮らせる。など。

私は長い休みに一人でいた経験がないので寂しいかもしれないけど、他のことはもう実践しているので「ひとり力」はだいぶあると思う。

著者は一人で外食してお酒も飲むそうです。しかし女一人、だらだらと店にいないで1時間以内に引き上げるというのも潔い態度。

お金を掛けずに楽しむ能力を身に着ける。おひとり様で楽しむ京都などのツアーに参加しない。お金を掛けずに、わざわざイベントを入れなくても暮らしの中に楽しさを見つける。なるほど。

著者は一人旅が大好きなんだそうで、深く共感。というか、私も一人で行動するのが好きなので、協調性のない偏屈な人間ではないかと多少気にしていたけど、同好の人がいたので心強い。

そうです、旅行では好きなもの見て、好きなもの食べたい。人に合わせて消化不良の気持ちのままで旅を終えたくない。ましてや、何の準備もしていない人をツアーガイドよろしく連れ歩くのは大変に負担。感動も一人で味わえば十分、人と分かち合わなくてもいい。

でも著者もたまには人と旅行するそうで、そういう時は初めから人と合わすと決めているそうです。私もそうですね。今回はしっかり話をするつもりのときは、同行者がいるのは楽しい。

15ねんくらい前は日帰りバスツアーも一人で参加してましたが、最近は行きません。安くて効率よく回るけど、あまり感動もなかったので。もちろん、一人で来ている他の方と楽しく話しましたが。

家の中を心地よくすると、気持ちが落ち着き、要らないもの買ったり、外食したりしないようになる。それはそうかもしれませんね。そこへ友達呼んで食事したりお茶したら、ゆっくりできるしお金もそう掛からず。今からの社交はこうありたいものです。

でも家は家の中だけではなく、周りの環境も大切。著者は駅に近いことと買い物に便利なことを優先していますが、歳とるとやはりそれは大切だと思う。病院に近いことも大切。

おいしいパン屋、和菓子屋、ケーキ屋も徒歩圏内にあればいいけれど、我が家に限って言えば、それはちょっと残念。郊外のいい感じの住宅街に近い駅前などにはあるのでしょうか。

生活環境で言うと我が家付近は庶民の街。マンションも分譲、賃貸含めて大変多い。もう少し広くてゆったりしたところへ行きたいと、姑様も言ってたけど、便利は何物にも代えがたく、今に至っています。

私は…この先どこで暮らすかな。夫も10年先には仕事していないと思うし、どこへ行ってもいいんですけど。

それから使ったら物は定位置に。それだけで、片付け、掃除の手間がだいぶ省ける。ついでに私が付け加えるなら、汚したときはすぐに簡単な掃除。

巻末には大根など、よくある食材を使い切る料理のいろいろなどの紹介。

著者は評論家としての収入が減り、薬剤師として70歳過ぎて仕事を再開、さしあたりのお金の心配は遠のいたとか。稼ぎに追いつく貧乏なし、いい決断をされたと思います。

家族がいてもいなくてもシンプルで楽な生活をするのは老いの理想。そのヒントのたくさん詰まった本でした。はなまる。


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