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「春を恨んだりしない」震災をめぐって考えたこと 池澤夏樹

2019-12-10 | 読書

 クリックで拡大 アマゾンの中古本は1円から

夫が姑様の本をせっせとヤフオクで売っている。売れる前にと拝借して読んだ。

アマゾンで1円なら、たぶん入札はないと思う。

どうするのかなあ~。とりあえず早く目が醒めたので寝床の中で読了。考えてみたら、私が本を読むのはベッドか、どこかへ行く往復の電車バスの中。もう長い間、机に向かって姿勢正して本読んだことない。

遠い(近い?)将来、介護施設でお世話になれば、一日中、好きな本読んで過ごそう。読めなくなるまで。


この本は東北大震災の年の半年後、出されている。あちこちに書いた短文をもとに、新しく一つの本として書きなおしたもの。

著者は何度も東北に足を運び、時にはボランティアもしながら、被災の現状を見て、被災者の話に耳を傾け、この大きな大災害の後、日本人はどう進むべきかを思索している。



 

わおう、勝手にケイ線が入った。なぜか消せない。続けます。

決して情緒に流されないのがこの人の特徴。身内を訪ねて三月中に仙台へ行く。その時見た被災の様子をカメラで写すように正確に伝えようとする。津波の来た高さの残る小学校で、二階まで逃げきれなかった人のことを想像する。テレビでは決して映ることのなかった、たくさんの御遺体が津波の後に残されたことに言及する。

高台に逃れ、逃げてくる人を助けたり、助けられずに波にのまれるのを見るしかなかった体験も紹介されている。

日本列島は災害列島、そこから闘うのではなく、諦めて新しく一歩を踏み出す習性が身に着いたのではとの考察。そうだけど、過去の災害から防災はしなければいけないと思う。

首都直下型地震が恐れられているそうですが、地方に住む者は東京へ行かない。私の防災はそれです。知らない土地で、どこへどう逃げたらいいか分からない。


作者は大学で物理学を納めたそうで、原子力発電や高速増殖炉が、理論的には可能でも結局は素材の問題、そこに無理があると言う。

発電所や増殖炉は結局はポンプと配管、継ぎ目も多数。異常に高温の物質を安定的に閉じ込める素材は存在しない。もんじゅのナトリウム漏れも当然予測できたことなのに、まだ中止の段階らしい。

そこから再生可能エネルギーの各種を紹介している。リチウム電池はこの不安定なエネルギーの安定供給に道を開いたと言われている。今からはそれに期待していいんだろうか。

奇しくも本日はノーベル賞の授賞式の日。先日山へ一緒に行った人は大学で同窓だったそうで、大変穏やかな人だったと話していた。知り合いを知っているだけで、(知り合いの知り合いというだけで)、自分も少しだけ偉くなったと錯覚する。ノーベル賞の効果、偉大なり。

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