片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

企業情報システム50年 データ入力今昔

2015年09月14日 | 企業情報システムの50年
今は、入力中のデータでも過去に入力したデータでも、見ようと思えばいつでも端末から見える。
多くの人の目で見ていると間違いに気付く人がいて訂正の機会に恵まれる。
コンピューターの黎明期はそうではなかった。一度取り込まれたデータをそのままの形で人が見ることはまずなかった。もし間違いデータが取り込まれてしまったら発見することはほとんど不可能だった。そのために最初にデータを投入するときの慎重さには異常なまでの注意を払った。

社員番号などには末尾に必ずチェックディジットを付けた。コードを読み違えて書いてもチェックディジットとの照合ではじくためだ。伝票をキーパンチに回してカードにパンチしたときキーパンチャーがパンチミスを犯すこともある。だから必ずベリファイと言って別な人がもう一度伝票を打って照合した。水際作戦だ。

入力データを入力しながら人事マスターから氏名を持ってきて画面で目視できるようになって、これまでの苦労は不要になった。逆にいつでも見えるから、入力時の慎重なチェックシステムをあまり考えなくなった。

企業情報システムはデータが命。100%正確でなければならない。これをどう担保するかは今も昔も同じはずだが、国家プロジェクトなどではメルトダウンも見られる。ゆゆしき問題。

企業情報システム50年 製造業と金融業の違い

2015年09月14日 | 企業情報システムの50年
それまで勤務していた製造業からソフトウェア開発会社に転職したころの話。

最初に与えられた仕事が銀行の夜間バッチシステムの再構築。
日中に起こったすべての取引データを元にマスターを更新する仕事だ。
結局ありとあらゆる取引について知ることとなった。

とにかく驚いたのは製造業とは全く発想が異なっていること。
製造業は、すべて理詰めで、縦に一本筋が通っている。とにかくこれが本筋で、例外をどうするを突き詰める必要があった。
しかし金融業では、いわば何でもありで、さまざまな取引が考えられる、新しい取引形態も発明される。複雑怪奇魑魅魍魎だと最初思った。

理系文系という言葉が日本にはあるが、製造業は理系頭で考えた仕組み。金融業は文系頭で考えた仕組みだと思った。モノを扱う仕事と情報を扱う仕事の違いということもある。もったいないなと思ったのは、どちらにも素晴らしい発想がある。垂直思考で考える人と水平思考で考える人の組み合わせで企業を考えたら面白い会社ができるだろうなと思った。

昔は仕事があって、そのデータをコンピューターで処理した。昨今のベンチャー企業には、コンピューターやネットワークがあって初めて存在しうる種類の会社が増えてきた。理系的発想と文系的発想の融合が、こういう会社では生きてくるだろうなと思う今日この頃。