【歌人】和歌は此国の風俗として神代よりおこれり。仮名の三十一字をつらねて仏神の感応にもあづかり、目にみえぬ鬼をもかたぶくる事歌に過たるものなし。鬼神人物大に和(やわらぐ)の理をもて日本を和国とも号せり。和歌に六義有、風賦比興雅頌これ也。又長歌、短歌、旋頭、混本、折句、沓冠、俳諧等の姿有。神祇、釈教、恋、無常、天地、山川、草木、鳥獣等のうへにいたるまでも、こゝろを種としてつらねずといふ事なく、物にたいして情を述る器也。
(「人倫訓蒙図彙」)
最新の画像[もっと見る]
- 辞書は大小を超越する宇宙書物である 9年前
- ラブクラフトが夢想した『コンゴ王国』 14年前
- 乱歩「孤島の鬼」は西日を浴びて読む 16年前
「瓶詰の古本」カテゴリの最新記事
- 文事・宣伝に通じたえらい人達がちゃちな話の種を大ごとに仕立てて商売などしてい...
- 「國民字典」おくがき(日下部重太郎)
- 現実と隔てる磨りガラスの向こうに怪異の世界を見透す小説家にとっては、心理遺伝...
- 小説を書くほどの者にとって、真の芸術家が悪人であるはずはなかった(カロリーヌ...
- 講談版「二刀流」、秘術燕返しとの決闘(榎本進一郎)
- スヴィドリガイロフは夢の中から現われ、実在の裏口から夢の中へ戻って行った最も...
- 世界中の作家が『ドン・キホーテ』を愛するのは、小説の根本にあるべき徹底した善...
- 着飾った凡庸を自ら意識している人であれば、無知で醜悪な人物に共感を覚えずには...
- 自分の好きなポオの作品(佐藤春夫)
- 類稀な小説家の夢想(モーパッサン)