先月(4月)上旬のこと、さる所で、
『いつも目標達成している人の 勉強術』福田稔(明日香出版社、2008年10月7日初版発行、2008年12月17日第12刷発行)
という本を手にする機会がありました。9年前に書かれた内容で、いま読むべきか少し迷いながらパラパラ見ていったところ、本書の半ばを過ぎた辺りで、
「試験にはせっかちで大雑把だけどこまめな人のほうが向いている」
という見出しが目に入り、コンディションがよい時の自分と近いものを感じたので、やはり自己点検のつもりで拝読してみよう!! と決め、手に入れることにしました。
著者、福田稔氏は、宅地建物取引主任者の資格に一発合格を目指して挑戦すると宣言した当時、開校したばかりの会計専門学校に勤務し、連日夜9時過ぎまで仕事をする日々が続いていたといいます。ここも、しろねこの勤労状況と似ています。
本書は、
はじめに
第1章 試験を受ける前の心構え
第2章 勉強時間はこうすれば確保できる
第3章 勉強はどうやるか
第4章 計画の正しい立て方
第5章 やる気を高め、維持する方法
第6章 悔いの残らない試験直前対策
第7章 これから受験する人へ
付録 笑いながら身につく勉強術
おわりに
という構成ですが、「はじめに」のはじめっから、本書を執筆するに至ったエピソードなどを語り出すのではなくて、
「あなたが試験に挑戦しようと思いたったとき、一番最初にすることは何ですか?」
という質問を皮切りに、早速実用的なお話がすいすい展開されていきます。第1章、始まってたんだっけ? と見返したら、まだ「はじめに」でした(笑)。あー、欲しいと思う情報を、読者が欲しいと自覚する前に単刀直入に提供してくれるこの攻めの姿勢、流石、無駄が無い!
当時、福田氏の勤務先の生徒さんには、やる気の感じられない受験生が多くいたみたいです。本書を手に取ろうとする中にも、誰にでも簡単には叶えられない高い目標を持つわりに、めちゃくちゃのんびり屋な人もいたことでしょう。それを、きっちり目を覚まさせてくれる実質的なお話で、整理された情報を、無理なく分かりやすくテンポよく教示してくれる姿勢には、見習いたい要素も多々伺えます。読者に全く媚びていない例示とアドバイスながら、やわらかく、読後感すっきり、です。
そして、本書は総頁数209ですが、読むのが遅いしろねこでも、隙間時間を使って2日で済みました(しろねことしてはかなり早いほう)。人によっては、数時間あれば読破できることでしょう。本の大きさは、ゆったりしていますがギリギリ持ち歩きやすい重さで、頁の紙の厚さもちょうど捲りやすく、活字の書体や余白の間隔も、目に入ってきやすいのです。
以下、しろねこが共感・再確認した一部をご紹介します。
・教材にこだわるくらいなら、勉強のやり方にこそこだわるべき
・合格するという「思い」が先で、「やり方」は後から
・「わかる」が先で、「覚える」は後
・合格者の多くは、三回以上テキストを読んでいる
・一冊のテキストに情報を圧縮付加していく
・暗記科目の勉強はできるだけ早く着手する
・復習の一番大切な目的は、後から行う暗記の時間を節約すること
・テキストの目次の項目から思い出すことをできるだけ紙に書いていく
(→ 漢検なら、分野別に勉強法、対策、代表的な出題傾向などを書き連ねる、ってことですかね。)
・最初は質より量を重視する → テキストは一冊でも、問題集は数冊あっていい
・あなただけのオリジナルの「気づきノート」を作る
・似たような科目を続けて学習していると、飽きてくるだけでなく、覚えにくく、知識が混乱しやすくなる。異質なものを組み合わせたほうが気持ちの切り替えもでき、記憶の定着もよくなる。
(→リピーターで慢性疲労を起こしている人などは、工夫のしどころかも。)
・試験に落ちる人ほど神経質なくらい完璧主義
・習慣化された勉強に、例外を絶対に作らないこと
・テキストをたまに後ろから読む、ランダムに読むことで気分を変える
・気が散らない程度の音楽なら、かえってリラックスして勉強がはかどる
・図書館、電車、喫茶店で勉強が進むのは、周囲に「人がいる」から
・努力は直線、成果は曲線
・結局、伸び悩みを克服するには、勉強するのが一番。「仕事の報酬は仕事」「勉強の報酬も勉強」
・本試験より一週間前に仮の試験日を自分で設定する
・最後の一週間は、試験の全範囲をカバーできるよう、一日に複数の科目を高速回転させ、たとえ短時間でも勉強するよう計画
・試験会場で、絶対に途中退室しない
・「エピソード記憶」の力に頼る――勉強している人の非日常 = 自分が学んだことを友人や家族に話す(教える)という体験で、覚えたいことの記憶を定着させる
・資格取得の意義(3つ目) = 合格という「目標」に向け、本試験という「期限」までに段取り良く計画を立て、目標を達成できる力の証明
(← 1つ目と2つ目は割愛)
――しろねこは検定マニアではないのですが、本書は今後も働きながら勉強を続ける上で、ある程度参考になりました。上記以外に、まだまだ実践的なノウハウが書かれてあり、目を通すだけでもよいトレーニングになるので、検定受検なさる皆さんには、もしお時間と機会があるのでしたら、是非ともセルフチェックの意味でのご一読をお勧めします。
『いつも目標達成している人の 勉強術』福田稔(明日香出版社、2008年10月7日初版発行、2008年12月17日第12刷発行)
という本を手にする機会がありました。9年前に書かれた内容で、いま読むべきか少し迷いながらパラパラ見ていったところ、本書の半ばを過ぎた辺りで、
「試験にはせっかちで大雑把だけどこまめな人のほうが向いている」
という見出しが目に入り、コンディションがよい時の自分と近いものを感じたので、やはり自己点検のつもりで拝読してみよう!! と決め、手に入れることにしました。
著者、福田稔氏は、宅地建物取引主任者の資格に一発合格を目指して挑戦すると宣言した当時、開校したばかりの会計専門学校に勤務し、連日夜9時過ぎまで仕事をする日々が続いていたといいます。ここも、しろねこの勤労状況と似ています。
本書は、
はじめに
第1章 試験を受ける前の心構え
第2章 勉強時間はこうすれば確保できる
第3章 勉強はどうやるか
第4章 計画の正しい立て方
第5章 やる気を高め、維持する方法
第6章 悔いの残らない試験直前対策
第7章 これから受験する人へ
付録 笑いながら身につく勉強術
おわりに
という構成ですが、「はじめに」のはじめっから、本書を執筆するに至ったエピソードなどを語り出すのではなくて、
「あなたが試験に挑戦しようと思いたったとき、一番最初にすることは何ですか?」
という質問を皮切りに、早速実用的なお話がすいすい展開されていきます。第1章、始まってたんだっけ? と見返したら、まだ「はじめに」でした(笑)。あー、欲しいと思う情報を、読者が欲しいと自覚する前に単刀直入に提供してくれるこの攻めの姿勢、流石、無駄が無い!
当時、福田氏の勤務先の生徒さんには、やる気の感じられない受験生が多くいたみたいです。本書を手に取ろうとする中にも、誰にでも簡単には叶えられない高い目標を持つわりに、めちゃくちゃのんびり屋な人もいたことでしょう。それを、きっちり目を覚まさせてくれる実質的なお話で、整理された情報を、無理なく分かりやすくテンポよく教示してくれる姿勢には、見習いたい要素も多々伺えます。読者に全く媚びていない例示とアドバイスながら、やわらかく、読後感すっきり、です。
そして、本書は総頁数209ですが、読むのが遅いしろねこでも、隙間時間を使って2日で済みました(しろねことしてはかなり早いほう)。人によっては、数時間あれば読破できることでしょう。本の大きさは、ゆったりしていますがギリギリ持ち歩きやすい重さで、頁の紙の厚さもちょうど捲りやすく、活字の書体や余白の間隔も、目に入ってきやすいのです。
以下、しろねこが共感・再確認した一部をご紹介します。
・教材にこだわるくらいなら、勉強のやり方にこそこだわるべき
・合格するという「思い」が先で、「やり方」は後から
・「わかる」が先で、「覚える」は後
・合格者の多くは、三回以上テキストを読んでいる
・一冊のテキストに情報を圧縮付加していく
・暗記科目の勉強はできるだけ早く着手する
・復習の一番大切な目的は、後から行う暗記の時間を節約すること
・テキストの目次の項目から思い出すことをできるだけ紙に書いていく
(→ 漢検なら、分野別に勉強法、対策、代表的な出題傾向などを書き連ねる、ってことですかね。)
・最初は質より量を重視する → テキストは一冊でも、問題集は数冊あっていい
・あなただけのオリジナルの「気づきノート」を作る
・似たような科目を続けて学習していると、飽きてくるだけでなく、覚えにくく、知識が混乱しやすくなる。異質なものを組み合わせたほうが気持ちの切り替えもでき、記憶の定着もよくなる。
(→リピーターで慢性疲労を起こしている人などは、工夫のしどころかも。)
・試験に落ちる人ほど神経質なくらい完璧主義
・習慣化された勉強に、例外を絶対に作らないこと
・テキストをたまに後ろから読む、ランダムに読むことで気分を変える
・気が散らない程度の音楽なら、かえってリラックスして勉強がはかどる
・図書館、電車、喫茶店で勉強が進むのは、周囲に「人がいる」から
・努力は直線、成果は曲線
・結局、伸び悩みを克服するには、勉強するのが一番。「仕事の報酬は仕事」「勉強の報酬も勉強」
・本試験より一週間前に仮の試験日を自分で設定する
・最後の一週間は、試験の全範囲をカバーできるよう、一日に複数の科目を高速回転させ、たとえ短時間でも勉強するよう計画
・試験会場で、絶対に途中退室しない
・「エピソード記憶」の力に頼る――勉強している人の非日常 = 自分が学んだことを友人や家族に話す(教える)という体験で、覚えたいことの記憶を定着させる
・資格取得の意義(3つ目) = 合格という「目標」に向け、本試験という「期限」までに段取り良く計画を立て、目標を達成できる力の証明
(← 1つ目と2つ目は割愛)
――しろねこは検定マニアではないのですが、本書は今後も働きながら勉強を続ける上で、ある程度参考になりました。上記以外に、まだまだ実践的なノウハウが書かれてあり、目を通すだけでもよいトレーニングになるので、検定受検なさる皆さんには、もしお時間と機会があるのでしたら、是非ともセルフチェックの意味でのご一読をお勧めします。