男体山の帰りに、日光湯元温泉に寄った。登山の帰りは、風呂に入り、おいしいものを食べて、山小屋と違って、伸び伸びとぐっすり眠る、これが楽しみだ。
日光湯元温泉は初めてではないが、前回は子供が小さ方頃だ。今回は夫婦二人。旧盆でなかなか予約が取れなかったが、何とか予約できた小さな宿に入る。この温泉は、白濁していて、露天風呂などはいかにも温泉という感じ。温泉ソムリエ&温泉分析所マスターとしては、この泉質、調べないと気が済まないな。
温泉法だと、「温泉」は泉温は25℃以上か、特殊成分が一定以上入っていることが条件になる。そして「療養泉」となると、条件はもっと厳しい。この温泉は、泉温は71.4℃と高く、また特殊成分は硫化水素の規定値が2mg以上のところ、なんと10mg以上も入っている。正真正銘の療養泉である。
成分表には、知覚的試験の結果は、「無色透明で強硫化水素臭及び苦み、後にえぐ味を有する」とある。「えぐ味」とは、初めて聞く言葉だが、ネットで調べると、野菜や山菜を食べた後に感じる「苦み」だそうだ。その正体は、「灰汁(あく)」。
いい温泉は昔から「湯治」療養に使われていた。その証拠に、この温泉には温泉寺がある。これは昔、重い病気で湯治に来た方が、残念ながら治らず、死んでしまった場合に供養するお寺である。
そして湯上りには、温泉の炭酸ガスが入った、ミニサイズのサイダーをいただく。結構なお湯でした。また来たいな。