昨年、お城巡りの時にこの映画のポスターを見た。日曜にその映画、「峠」を観た。公開は、コロナの影響だろう、丸1年伸びたようだ。長岡城が舞台だ、シナリオは例によって、ネタバレになるので書かない。感想だけを書く。
司馬遼太郎の小説「峠」は、文庫本で全3巻だ。ところが、映画になったのは、小説の最後の部分だった。河井の江戸留学時代や、福沢諭吉との出会い、長岡藩の改革などは、入っていない。従って、河井の成長を表すストーリーはなく、最後の家老になってからのスタートだ。おやおや、と言う感じだ。まあ、2時間程度の限られた時間で表現するのだから、しょうがないと言えばしょうがない。
それに河井の「中立」という藩の進むべき方向、当時の新政府軍の勢いから言って、果たしてそれが現実的だったんだろうかねえ。
演出だろうか、映画のサブタイトル「最後のサムライ」が強調されていた。「常在戦場」の額は有名だが、役所広司さんの、最後のサムライの印象が強い。小説ではそんなサブタイトルはない。別に最後のサムライは、印象受けなかったけどね。
結論を言うと、先に映画を見てから、小説をじっくり読んだ方が、楽しめるね。