
タクシーで虹橋路駅まで移動し、そこで地下鉄に乗り換える。
3号線。地下鉄というよりは大阪でいえば環状線にあたる。なにしろ地下を走って
いないし、4号線に分岐したりする。
電車の色で違いをわけて、3号線を走る車両に乗ってみる。
行き先は復旦大学付属中学。国際部があるというのでその見学にいくのだ。
万博を迎えて、上海の地下鉄は文字通りお上品になった。
携帯で大声で話すお作法は相変わらずだけれど 、車両をずーっと通り抜ける
新聞売りやら、物乞いはいなくなった。
それがいいことなのか、そもそもそんな人たちはどこに行ってしまったのか
心配になるほどだった。
でもこの路線は違った。ちゃんとどっちもいたのだ…
朝から物乞いをするひとたち。なにか胡弓を弾きながら歩く盲目の男性と
それを先導し缶をもつ年配の男性。
昔はそこに「もののあはれ」的なものを見出していたのだけれど
地下鉄から一掃されて、その光景はある種懐かしさとかたくましさみたいな
ものすら感じるようだった。
3号線。
ここはまだ旧来の姿が残っている。
電車で化粧をしている女性をとやかく言う日本では考えられないだろうが
ここでは出勤途中の女性がローソンで買った麺を車内で食べている。
そう。出勤途中ですませる必要があるからだろう。
それから仕入なのか売りに向かうのか、衣料かなにかの商品をつめた
大きなナイロン製の袋をどんと床において座る男性。
そんな姿をみると、やっぱ上海はこうでなくちゃとすら思ってしまうのは…
だめなのかなあ
新聞売り子が通り過ぎて、その切れ端の新聞が床にほったらかしにされている
ぼくらの車両で、そんなことを考えてみたけれど
RinNonがそんなのになったら、ちょっと困ってしまうし
KYOKOさんなら車両で麺を食べそうだから…やっぱり3号線には乗らないでほしいな
とか、そんなことを考えて座席に座って揺られていた。