Pのlog ( 大阪と上海のChouChou)

通称P。shushu(照れちゃう)ような稚拙きわまりない文面で、上海や大阪のchouchouを綴ります。よしなに。

外国語ということ(その2)

2005年08月29日 | 中国つれづれ。

  日曜日はTOEICの試験でした。今回初めて中国で受験を
しましたが先日受験した中国語の試験とは異なり、非常に大人数
でした。中国人の英語への取り組み意識を感じます。中国では
TOEICは2002年に 初めて実施されたということですから、それに
しては一気に広がったかのように感じられます。

 日本にいる頃には、たいてい会社の中での受験のため、一般
受験をしたことがなく(考えてみれば幸せというかぬるま湯というか)
単純に比較はできないのですが、受験者はやはり若者が目立ち
ます。といっても学生というにはおとなしい格好の男女が多く、
carrier upをめざす会社員が多いということかもしれません。

 受験者は日・中・韓それぞれが混じっていますので、試験用紙も
外国人(緑)と中国人(赤)と異なっています。IDカードの桁数その
他 記載項目が異なるために変えているのでしょうか。面白いのは
受験番号が15桁もあることです。いったい何人受験することを想定
しているのか不思議になりました。番号を正しく書き込むのに苦労
しました。
  当日、教室に入室するときから、中国らしさを感じました。小さな
講堂のようなテスト会場だったのですが入が狭い一箇所しかなく、
30分前には受験者が集中しました。中国人の特性として当然並ん
で待つなどということはありませんから、押し合いの中ようやく入る
ことができました。説明は構内のどこかで操作しているパソコンを
各教室のディスプレイで表示し、説明も音声ファイルから流して
います。今は日本もそうなっているのかもしれませんが、中国の
新しいもの好きな点を表現していて面白いところです。しかし、この
音声が音が割れていて聞き取れない時間が長く不快な点があった
のがトラブルの始まり。テスト開始時にはシステムがダウンし、
15分以上開始時間が遅れてしまうなどリスク管理に弱い点は、
いつもと同じだなと苦笑しました。
 トラブル対応にも弱く、監視官の指示が二転三転しました。
「用紙を開かないで待て」「readingから始めておいて」・・・何度も
問題用紙を開いては閉じて・・・を繰り返していると、テスト問題を
読める幸運よりも煩わしさが先にでてしまい、こういうところはどこ
も同じなのだなと感じました。

 久しぶりのTOEIC受験で改めて自分の不勉強さを感じました。
終了後、若い受験生の親らしき人たちが子供にどうだった?と
確認しているのをみて、中国の教育意識の高さを感じます。
「レストランでの注文や新聞を読むだけでは上達しないな」と自分
自身でも反省しましたので、家に帰って子供たちに聞いてみま
した。(彼女たちは、幼稚園で中国語と英語の両方の授業を
受けています)

 「中国語と英語の授業どっちがすき?」
 「うーん、中国語かな。でも日本語でいいや。。。」

まあ、たいてい親の心なんて子供には通じないものです。 


七夕(8月11日)情人節・・・?

2005年08月22日 | こんなことがあるんだ。へえ

 なんでも旧暦(こちらでは農暦と呼びますが)で節目の
お祝いをする中国では、当然七夕も旧暦で今年は8月11日でした。
もともと、織姫・彦星の話は中国からきていますので、こちらでも
その話はありますが、この日に笹の葉がさらさらしたり、お願いを
ぶらさげたりする習慣はありません。「情人節快楽(おめでとう)」と
いうmailが中国語の先生から来なければきっと気づかなかったと
思います。先生に質問しましたが、確かにそのような風習はなく、
男性と女性が食事をする程度、とのことでした。
 ?情人節ってどこかで聞いたなあと思ったら、Valentine's dayも
そう呼んでいました。当然こちらのほうが七夕より歴史が浅く、HPを
みるともともと台湾などでは「西洋情人節」として紹介されたのが
始まりとのこと。中国のValentine's dayは、日本とは違って女性が
男性に物を贈る習慣はありません。男性が女性に花を贈ったり、
豪華な食事に連れていく、といった形式です。中国語の先生が
「たいした日ではないですよ」と言っていたのは女性の目からみた
話で、男性には大きな出費の日のようです。

 Valentine's dayが日本と逆で「男性が女性に告白する日」と
思っていましたが、そうではなくもともと、この習慣は七夕のとき
からだそうですので、どちらの「情人節」も男性が女性に食事を
ごちそうするということになってしまいます。つまり年2回の大出費。
台湾で、1回の情人節で男性が使う平均金額は日本円で2万円
相当という噂があります。きっとバブルの中国でしかも女性上位の
上海においては、そう変わりがないでしょう。年2回!、しかもだん
だんChristmasも盛んになってくれば年3回という日も遠くないかも
しれません。
 会社のある宴会で、ある女性社員が「中国は男性の数が多いん
だから、男性が幸せになりたければがんばらないといけないのは
当然でしょう」と笑顔で話していたのを思い出しました。
 Raymond Chandlerがかつて、「男はタフでなければ生きていけ
ない」と言いましたが、中国では全く異なる種類のタフさが必要
です。


8年ぶりの・・・

2005年08月08日 | 中国つれづれ。

 日本には石垣島など沖縄南部には被害がでたものの、
北上しなかったため、あまり話題にならなかった台風9号は、
なぜかそのまま北上し、上海を直撃しました。
 上海を大型台風が直撃するのは1997年以来8年ぶりとの
ことです。飛行機も国内線、国際線とも軒並み欠航しており、
そろそろ夏休みで帰国しようとしていた方々に大きな影響がでて
います。中国名で「マッツァ」と呼ぶこの台風、速度が遅いため、
土曜日から日曜日の午前まで私の生活にも影響がありました。
 土曜日に、食事をして帰宅した直後、家のある古北地区の
ほぼ全ての道路で冠水が発生しました。夜中の2時には完全に
家から出られなくなる状態になってしまいました。およそ50cm
近くの深さまで水がたまり、街路樹も何本か倒れて道路をふさぐ
状態になり、夜中でも行動している上海人があたふたしている
様子は朝まで続きました。朝になっても水はなかなかひかず、
私も食事や買い物のために外灘の黄浦江のような色の川と
化した道を歩いて行くはめになり、予定していた中国語の授業も
取りやめにせざるを得ませんでした。
 
 8年ぶりということで、ふだん台風が来ることを想定していなかっ
たことが原因なのか、単なる水はけの問題なのか。、とにかく
災害に弱い街であることが露呈してしまいました。私の部屋も窓
の付近から雨漏りが起こるなど、建築上の構造も問題がありそう
です。そもそも災害が多く準備をいろいろしているであろう日本
ですら、大都市は雪や台風ですぐにマヒ状態となります。上海は
普通に雨が降っただけで、taxiもなくなり日常の移動・帰宅すら
満足にできなくなります。災害対策として、建築上の留意が整備
されていたり、災害時の行動要領の定まっていないであろう上海
なら、もっとひどい事態になることは、充分あるかもしれません。
 そういえば、避難場所の提示といった看板を見たことがあり
ません。こういうことは個々人の問題なのでしょう。

 朝、まだ水がひかず周囲の状況を確認するために、外に出て
みると私の住むマンションの地下からポンプが伸びていました。
少しでも水が早くひくように水を吸い取ってあげているのか、と
中国の人のよさみたいなものを見たようで感心して近寄ってみる
と、なんと自分のマンションに漏れてきた水を道路に戻している
のでした。おかげで道路の水はそこだけ増加していました。上海
の人はこういうときでもしたたかだと思いました。


7・21突然の切り上げ

2005年08月01日 | 中国つれづれ。

 中国に駐在はしていても、やはり為替というのは気になります。
今年に入って特にG8、あるいはグリーンスパン議長の発言などで
元の切り上げについて様々な圧力があるたびに、びくびくしていま
した。

 元は、ドルへのペグ(ここではドルに対して相場を固定していると
いう意味です)を採用していて1$=8.3RMB(元)でした。これが、
現実的な元の力を表現していないため、過度の中国輸出振興に
つながっているというのが各国の批判の的でした。特に既に貿易
赤字のうち25%が対中国になっている米国は、強硬派の関税策も
でるなど批判が大きい状況です。
 また、一方で中国国内の富裕層はもっと海外製品を安く購入
したいという要請が高いらしく、内外両面から元の切り上げと変動
相場制への移行を要求され、輸出偏重型の経済を当面維持した
い胡錦涛政権にとって、いつ実施するかが大きな課題となってい
ました。昨年、中国・韓国はドル基軸ではなく、円・ユーロなど他の
通貨の動きも見据えたバスケット型の為替管理制への移行を
提唱し、ドル偏重をやめる動きを見せました。そのときは日本の
反対で実施は見送りになっています。
もしこれが実施されると、元の切り上げ時には大量のドルが放出
されることになります。
 ドル放出に必要な米国長期国債を最も多く保有しているのは、
日中韓の3国と言われています。もしこれらの国々がバスケット
制に移行した場合、ドルは大暴落するだろうというのが各方面
の観測だったのです。
 元の切り上げは実施せざるを得ないがよく見極めて実施する
との政府関係者の発言もあり6月だとか8月だとか言われてきま
した。 

 おそらく90年代後半のIMFショック以降だと思うのですが、中国
駐在者の給与はドル+元の2本立てでもらっています。地域通貨
の暴落による給与の為替損益による大幅目減りを防ぐ対策だと
想定されます。
 ところが、逆に今回はこれが足かせになります。暴落するくらい
なら、事前に自分の判断で少し貯まっていたドルをすべて元に
変更しておかないといけないなということでいつになるかの見極め
のためにずっと気にしていたわけです。

 ところが、その日は突然やってきました。7月21日の夜に、中国
は元を2%切り上げ「ました」と発表、しかも今後はバスケット管理
によりコントロールするということです。あまりに突然で事後報告
でどうしようもできませんでした。
 現在のところは、予想に反して為替は安定しています。8.11元と
いう現在のレートについては、それほど私の生活を脅かすものではありま
せん。中国がバスケットの中身が何か(どの通貨をどの割合で
管理するのか)をblack boxにしていることと、米国が今回の施策に
概ね歓迎しているからと思われます。政治的な理由で(6カ国協議の
推進内容だとか中国のアフリカでのenergy確保の黙認とかを交換
条件にしたなどまことしやかに書いてありますが)かどうかはとも
かく、為替はとりあえず安定してくれました。
 ただ、日々0.3%は変動するよう管理するとのことですので、半年と
いった期間では上昇するかもしれませんし、年内には再度切り上げ
もありえるかもしれません。

 今回、突然の発表は日本では通常ありえませんし、非常に中国
的です。用意周到ではあるけれど発表は突然かつ迅速。突然と
いうのはよくないことですが、仕事のspeedとしては見習いたいと
思います。
 為替の動きを注視していくなんて国内勤務のときは考えもして
いなかったことで、外国駐在ならではと感謝しています。為替・経済
についても付け焼刃ながらよく勉強したなと思います。とりあえず
今回は私のささやかな給料は守られました。かといって妻がほめて
くれるわけではありませんが。

今回は付け焼刃受け売りでも現地でなんとかしようとあがく
駐在員の話でした。。