Pのlog ( 大阪と上海のChouChou)

通称P。shushu(照れちゃう)ような稚拙きわまりない文面で、上海や大阪のchouchouを綴ります。よしなに。

消える襄陽

2006年07月17日 | 上海chouchou(みる・くらす)

 偽物市場として有名な襄陽(しゃんやん)市場がついに
6月30日に閉鎖されました。以前より中国においてはコピー商品
の蔓延と国外流出が問題となっており、国際的な問題となって
いただけに閉鎖は時間の問題といわれ続けていたので、感覚的
には「ようやく閉鎖か」といったところです。
 市場は、日韓欧米を問わず常に旅行者とおぼしき集団でにぎ
わっていました。商売の方法はいたってシンプルで、まず非常に
高い値段をふっかけ(この時点で買うと下手をすると本物より
高くなります)、その後交渉によって下げていく。この下げ幅は
交渉力に依存します。駐在者の奥様方だと、その交渉力で尊敬
される人もいるそうですから、その技術も非常にさまざまなものが
あるようです。平均して10%から20%程度の希望額を述べ、最終的
には当初の言い値の30%程度の価格で折り合いをつけるといった
ところです。「トモダチ、トモダチ(僕とあなたはもう友人だから
既に特別価格なんだよ⇒もう値下げできないよ)」という店員と
激烈な交渉をするのは私は好きではなく、最近はほとんど近寄っ
ていませんでした。
 また、実は本物がそれほど価格交渉もせずに安く買うことが
できる店もあるのだとわかると、みんなそちらに行くようになり
ます。しかし、いざ閉鎖となると(偽物が蔓延するのはよくないこと
なので当然かもしれませんが)なんだか名物が消えたようで残念
な気がします。

 中国においては、値札の額といったものが本当に信用され
ません。まず値下げする交渉から始まります。これは偽物に
限らずすべての商品でそうなっています。大阪の人も値下げ
交渉を必ずしますが、あれは挨拶のようなもので下がらなくても
特に気にしないものですが、中国の場合は下がらないとなんだか
だまされたかのような気になります。これは商品の品質に対する
信頼(ブランド性がない、すぐつぶれるから安いほうがいい、ブラ
ンドものかどうかはわからない)といったことが根底にあるから
かもしれません。以前秋葉原の電気店が中国の観光客の急増
に対して、日本では値下げはほとんどないことをご理解いただく
ために苦労しているという話をテレビで見ましたが、確かに値札
の信頼性が全然違うということなのです。

 さて、私の家のすぐ前にあるマンションの地下駐車場が突然
市場になりました。服飾やかばん、雑貨・おもちゃなどが主です。
ここのかばん屋さんに家族で行ったときに、そこの店員が「トモ
ダチ」と言いはじめたのです。聞けば襄陽市場から引越ししてきた
ということ。そういえば市場閉鎖後二つほど大きな市場があり
(七浦路、浦東に一件建設中)、そこに移転する店が多いだろう
があとはいろんな場所に散るだろうとニュースで言っていたことを
思い出しました。中国の人はどこでもたくましくて強いものだと
感心しました。私の住んでいる古北地区は日本人が非常に多く、
あとは欧米系が少しと中国人の中間層です。従来の売り方で
通じるかと思いましたが、そこはうちの妻がすごい剣幕で「古北では
そんな商売は通じない。そもそも自分の売り値を最初に言わないと
ここでは信用されない。今すぐやり方を変更しなさい」と説教し始め、
結局自分に都合のいい価格で購入していました。一番たくましいの
はきっとこの人だと思いました。

*写真は最近(2007.2)撮ったものです。季節感があわない風景に
 なっててすみません。でもいまの襄陽はこんな感じです。。