Pのlog ( 大阪と上海のChouChou)

通称P。shushu(照れちゃう)ような稚拙きわまりない文面で、上海や大阪のchouchouを綴ります。よしなに。

ベンツタクシー

2005年05月30日 | 中国つれづれ。

 上海でも北京でも、中国での移動手段はたいていtaxiです。
奥様方はbusの活用が多いそうですが、未だに車掌が多く、行き先
と値段の確認を多くの乗客をかいくぐってする煩わしさもあり、我々
はたいていtaxiを使ってしまいます。初乗り10元(約150円弱)という
手軽さもあり、ついつい多用しては肥満のもとになったと反省もして
います。

 悪名高き北京と違い、上海のtaxiは車の広さといい運転手の愛想
といい、全く問題のないlevelです。「大衆」「強生」「巴士」といった
有名な会社の車はまず間違いがなく安全です。多い車種はVWの
サンタナですが、ごく稀にベンツに出会うことができます。今回はこの
ベンツの話です。

 2004年に強生との激しい占有率争いの中、大衆はベンツE200を
50台投入することを発表。その後100台投入するとの計画を発表した
ようですが、じつは今でもベンツを見ることはごく稀です。私も一年の
赴任期間で乗ることができたのは2回だけです。
 このベンツ、日本でいえば「小ベンツ」といわれるような小さなもの
ですが、私のような庶民にとって乗るだけでうれしいものです。車体が
高いのもそうですが、運転手のほうも大変です。大衆の1.6万人の
運転手の中から160人を選抜し、さらに最終的に50人だけが乗る栄誉
にあずかったそうです。しかし、月のノルマは通常よりも2,000元高い
12,000元、ガソリン代も自分もちで高く、部品配置部署も上海に一箇
所だけでメンテも大変と大変過酷な状況におかれるそうです。

 しかし大衆の予約電話にはベンツの指定もあるとのこと、中にはつて
を頼ってどうしても乗りたいという人もいるようです。運転手は非常に
愛想がよいですし、確かに売上には問題がないようです。
 大衆はもともとが他社の差別化を図るideaが豊富らしく、今では普通
になった乗車時の「welcome to dazhong taxi」のannounceもここが
最初ということです。日本の会社のサービスを研究し、中国ではパイオ
ニアとも言うべき研究度合いとのことです。そういえば、最近下車時に
「忘れ物のないようにね」と中国語で必ず言ってくれるようになりま
した。これもアイデアのひとつなのでしょう。中国全土に有名になったと
いうことのようですし、上海株式市場における大衆の評価もずっと
高位置とのことですから、やはりサービスの重要性というものを感じ
ました。

 さて、この日曜日。私の家族(妻と子供)は野生動物園に出かけると
言って朝早くから弁当だお菓子だと騒いでいました。8時半になると
「taxiが家の前に着いたって携帯にmailがきた!!」と喜んで家を
でました。中国語の授業のため、一緒に家をでた私の前で家族3人は
さっそうとベンツタクシーに乗って出かけていきました。
 上海滞在3ヶ月で中国語で予約電話をして見事getしてしまうヴァイ
タリティ。こういう人のためにベンツタクシーは今日も満員なのかも
しれません。


途中でも・・・

2005年05月23日 | 中国つれづれ。

  昨年静安寺という地区に、そごうがopenしました。香港法人
のため 商標問題があったのか、実際には「久光」という名前で
営業している のですが、日本人はみなそごうと呼んでいます。上海
にきて初めてなじみのある百貨店のopenなのですぐに行ったときに
驚いたのを覚えています。
 中国は、全部のフロアが完成していなくてもopenします。完成して
いないフロア(このときは上層階でしたが)の部分にベニヤ板でふた
をしていたのが非常に驚きでした。そのときに初めてsoft openという
(悪い言い方をするとダラダラと始まっていくということですが)素敵な
言い方に似合わない言葉を知りました。その後も量販店や食堂でも
soft openの場によく出くわします。
 全体の姿が確定してさえいれば、途中経過で少しずつopenしても
全体の評価がぶれるものではないという考え方なのだと思っていま
したが、どうも最近違う気がします。

 ある現地の人に聞いた話です。中国ではマンションを購入すると
部屋の内装は別途業者に依頼して工事することになります。
(スケルトンでの購入と呼ぶようですが)
 投資目的でなく、実際に入居するとなると先に入居した人は大変
騒音に悩まされるそうです。それぞれの部屋で工事が始まるから
だけでなく、外装だけとりあえず完了したマンション業者が、まだ
内部の工事が終わらないまま入居OKを出すからです。全体の姿が
見えていてもスケジュールは個々の入居者都合ですから、これは
全く先に入居した人の丸損ということです。ここには、全体最適とか
あるべき姿というものは感じられません。

 上海市の2004年のGDP伸び率は当初計画を上方修正したうえ、
13.6%という中国の中でもさらに飛びぬけ数字をたたき出しています。
 この波を見て乗り遅れないように慌ててことを進めることも大事です
が、足元をもっと固めて、仕事のやり方から変えていくこと、今年も
めげずにそう主張しつづけないといけないと思います。


今度は布市場

2005年05月16日 | 上海chouchou(みる・くらす)

 単身で生活している頃は、よく襄陽市場に行っていました。
にせものですが、まずまずの品質のbrand衣料が安く買えます。
こちらにきて自分でもかなり着る服が若返った感じがします。中国語
で値切りながら買う面白さを知ったのもここでした。どこかで生産して
いるcopy商品を、大量に運搬し陳列しているのが早朝の襄陽市場
の風景で、休日の中国語の授業の前によくぼーっと眺めていたもの
です。
 6月にはcopy禁止のあおりでしょうか、どこかへ移転するという噂
です。ちょっと残念ですが、あれほど有名になってはしょうがないかも
しれません。

 さて、今日は襄陽ではなく董家渡服飾市場というところです。外灘の
南にある南浦大橋のそばにあります。董家渡というのはその名の
とおり対岸の浦東への渡し舟の発着点なのですが、浦西側は現地の
人たちの衣料、布、ハギレなどの一大市場になっています。その中で
市場として整備され、多くの店舗が入った屋内市場が董家渡服飾
市場です。

 中に入ると、本当に多くの店舗があります。男性用のスーツと婦人
服が大半で、あとはクッションなど雑貨品のカバーといったもの、
あるいはボタンなどです。それぞれの店舗では同じような生地を
売っていて、そこで買って、オーダーメイド店に持っていくもよし、
そのまま市場でオーダーすることも可能です。店はそれぞれデザイ
ナー兼製作者を確保していて、どんな服を作りたいかを交渉します。
値段は生地業者とデザイナーの個別交渉です。服は、雑誌の切り
抜きでもいいですしイメージ図からでもOKです。私は自分のスーツ
を渡して完全コピーを依頼しました。スーツの場合は、(既存では
サイズがあわないのか)欧米人の姿が非常に多く目立ちます。

 さて、市場内に本当に多くの競合店があるのに、客はどうやって
決めていくのでしょうか?生地でまず選ぶ場合もありますが、
そもそも生地だけで素人が「どんな出来栄えになるか」想定するの
は難しいものがあります。
 答えは「口コミで出来栄えのよい店が噂になる」のです。うちの
奥さんの場合、雑誌で何番の店(入り口に番号が貼ってあります)
が日本人向けのデザイン服が上手かという情報を仕入れていて、
そこを重点的にまわって決定していました。

 なにしろ客はimage図やらへたくそな絵で説明しにかかります。
うまくできるこつはknowledgeの蓄積、つまり型紙の蓄積の数にある
ようです。妻の服は雑誌の切り抜きでしたが既に先駆者がいた
らしく、同じものを作ることができました。(ただ若干デザインが変な
箇所があったらしく不満はあったようですが。それでも3,000円も
しない価格でスプリングコートができあがりです)

 中国人と日本人では服の趣味はかなり異なります。色使いや流行
のスピードだけではないので、少々リスクはあってもターゲティング
しないと選択される店にはなれないということになります。

 p.s.私はスーツの機能に思い入れがいろいろあって、完全copyを
   指示しましたが、特に留意事項として下記のものを念押しし
   ました。

  )パンツのタックは内向きにすること  
  )sampleは4つ釦だが、機能性(と生地の弱さ)を考慮して
    5つに
  )肩幅と襟はできるだけ小さく
   結局)は対応しておらず作り直し、)はできないとのこと
   でした。7,500円でスーツが作れたという事実でとりあえず
   満足することにしました。それほどデザインにうるさいという
   方は専門店に行ったほうがよいかもしれません。

 


よってこや

2005年05月09日 | 上海chouchou(たべる)

 一週間の労働節があり、偶然にも日本のGWと同時期に
休暇をとることができました。少し心配していた反日デモも予想
通り問題はなく、家の近所の総領事館のコンテナと武装警官の
列がなんだか暇そうに見えるほどでした。

 国慶節、春節と今回の労働節と3回の大型連休をすべて経験
することができたわけですが、前2回と比較してもそれほど大規模
な国中あげての移動が発生するわけでもなく、比較的おだやかな
休暇だったと思います。(中国人もこの時期は帰省しない人も多い
ようです)
 但し、それでも上海にはたくさんの旅行客がいるようで、いつも
よりたくさんの人が繁華街にあふれていました。贋物ブランド市場
として有名な襄陽市場も欧米人、中国人であふれかえり私たちは
買い物を断念せざるを得ないほどでした。
 結局デモとは関係のない原因で家にいることが多く、食事と少し
の買い物以外はコンサート(雅楽の東儀秀樹と上海の民族音楽
集団のコラボというものでしたが)で繁華街にでた程度でした。

 さて、今回は外食の話です。食事ですが、普段の週末でも家族
で外食をする機会はかなりあります。日本と比べて安いということ
もありますし、特に子どもには中華料理や他国の料理を食べる
機会を多くしたいという思いもあるからです。しかし、日本の料理を
食べたいと思うときも多いのが事実です。
 デモの際に破壊されたような居酒屋風な店だけでなく、上海でも
日本のfast food店はわりとたくさん出展するようになっています。
ミスド、モスバ、山崎パン、さらにはCoco壱番屋なども出店して
います。
 さらにラーメン屋さんもいくつか出ています。一瞬本場の中国に
ラーメン屋が通用するか?という感覚がありますが、実際の食事情
から考えるとこちらのラーメン(に近い麺)と日本のラーメンはかなり
異なる食べ物と言えます。実際すごくラーメンが食べたくなる時間と
いうのが存在しています。上海では、「味千ラーメン」というのが主
たるchain店ですが、熊本の一風堂が「78一番ラーメン」chainを展開
して猛追している印象です。
関西出身者としては、ここに王将が展開したらやっていけるのだろう
か?というのをいつも感じていました。

 その状況で、4月に上海に「よってこや」ができました。当初の私の
想定していた京都王将ではなく、大阪王将のchainですがまぎれも
なく関西発の店です。私も日本でもよく世話になった店なだけに先日
すぐに行ってきました。デモのあった総領事館に近い虹橋上海城に
位置し、openも少し延期したそうですが、現時点では非常にきれいな
店内(日本よりきれいですね)で、味についても中国人風なmenuも
多くありますが、スタンダードなラーメンと餃子は日本とまったく同じ味
でした。かなり油こくてしつこい感じもあるラーメンが多い中、成功しそ
うな感じをうけ関西人としてがんばって欲しいと応援したい気分になり
ました。

 *chain店がすべて同じ味というのは日本人にとって当然と受け止め
  がちですが、こちらにきてそれはMcDonald'sの編み出した個性
  なのだと改めて思うようになりました。「ミスド」「モスバ」ともこちら
  の商品は味はかろうじて同じですが見た目は違和感があります。
  中国のレストランのchainに至っては店によって味も見た目も
  かなり異なります。
  中国人というのはmanual化とかその遵守といったことは「総論
  遵守で各論個人主義」なのだなと改めて思います。その意味でも
  よってこやにはなんとかこの味をkeepして欲しいものです。
 


海南島!

2005年05月06日 | 旅行は楽し(海南島)

 海南島は、中国大陸の南端に隣接する大きな島です。
大きさは九州と同等、「中国では台湾に次ぎ二番目に大きな島」
とあります。(台湾をここでどう位置づけるかはノーコメントです。
奇しくも連戦、宋楚兪と野党指導者、というより旧国民党指導者
層(宋楚兪も元国民党です)による歴史的にどう位置づくかよく
わからない大陸訪問で大騒ぎがあったばかりですが)

 さて、海南です。中国では唯一熱帯に位置しており、年中20度
を越える気温があり日照時間もハワイを超えるほど晴天が多い
地区です。

 1988年に31番目の省として昇格し、同年省都の海口も含めて
中国第五番目の経済特別区に認定されました。
 海口は、人口約65万人。経済特別区といいながらも他の都市
と異なり工業の発展はあるものの(昨年も2桁成長のようですが)、
現在でも第一次産業あるいは観光業への比重が高い状態です。
また第2の都市である三亜は人口45万、国家プロジェクトとして
観光を進めているとの看板が林立しています。確かに国内資本・
外資系ともたくさんのリゾートホテルが立ち並んでいます。

 私たち家族はその三亜のMariottに宿泊しました。上海にも
6つのhotelをもち、広州では当社の分公司が入居しているなど、
中国でもたくさんチェーン展開をしているMariottですが、日本語
の公式サイトでrezortの部分を検索しても三亜はでてきません
(さすがに英語だと出てきますが)。まだまだ認知度が低い場所
なのでしょう。今年ようやく関空から海南航空の直行便が就航
したばかりです。

 但し、現地の様子は非常に高度なサービスとインフラです。
服務員はほとんど英語と中国語を話しますし、またたいていの
要求にも対応してくれます。景色はジャマイカやモルジブ、サイ
パンにまったくひけをとりません。(私の行ったことのある全部の
resort、という意味です。すみません。この程度なのですがその
中でも最高に分類されました)
 夜22時まで泳ぐことのできるプールと適度な勢いの波がある
private beach、さらにそれらを最大限まで活用した景観は、辛口
なうちの奥さんが「repeaterになりたい」とエステで綺麗になった
(のであろう)顔でつぶやいたことで評価できると思います。

 砂浜にヤシを植えていく、あるいは山間部に温泉を整備して
いく、など全体としての景観も国家プロジェクトならではの推進を
おこなっています。
 また「アジア経済フォーラム(ダボス会議のアジア版)」のような
官民一体となった大規模な会議の招聘もおこなっており、官民
挙げて観光立地として、よい方向に進んでいることを感じます。
(海口では大規模な汚職事件があったようですが)

 もちろん環境にも配慮しているそうで、その調査員が300人
以上いるそうです(一体どんな調査を実施しているかはともかく)。
客層はロシア人が最も多く、ついで裕福なのであろう中国人、
あとは日本人と韓国人といったところです。日本人が思った以上
に少ないので、その点を重視される方はますますオススメの場所
と言えます。

 今回の反日運動によりキャンセルも多く打撃を受けたこととは
思いますがこういう観光立地も国際的に有名になっていって
ほしいなと思いました。
 空港ではアロハの上下(!なぜ上下なのでしょうか。ここは
どうしても不可解なのですが、普段からpajamaで出歩くことの
できる中国人には普通にできるのかもしれません)を着ている
ツアー客を見ると、ここは中国での沖縄やhawaiiなのだなあと
改めて感じました。

 ただ第3次産業はまだまだ整備というには程遠い状況で、
町並みも東南アジアの郊外といった感じでshoppingにはまだ
事欠く状態です。(海口は行っていないのでよくわかりませんが)
このため、仕事で来ることはなさそうな省であることは確実で、
その点は少し残念なところでした。