成田空港の入管で、入管を拒否して立ち止まったまま、空港にもう1か月も
滞在している…というか住んでいる中国人がいるらしい。
★IZA(イザ)2009.12.02の記事から(写真も転載)
★SERCHINA 2009.12.03の記事
馮正虎さん。天安門事件の際に大学の職をはずされ、民間の仕事をしていた
その後、その関係で逮捕・起訴されている。一部の記事ではそれは冤罪だと
いう。他の記事ではあくどいしたたかな人のような表現もある。
けれど、事実として明らかなことは
①建国60周年を前に当局からそれとなく国外で過ごすよう指示された。
②式典後、後日入国しようと試みるも拒否されること4度。関空や中部に
送り返され、4度目の今回成田に送り返されたことでついにぶちきれた。
③浦東で拒否されたあと、暴れた彼は当局とANAの職員に押さえられて
強制的に成田まで戻された
(国際法上、入管拒否された乗客をきちんと元の空港まで戻す責務が
航空会社にはあるらしい)
勝手知ったる東京に送り返されて心細さがなくなったせいか、あるいは
4度目だったせいか、ついにぶちきれて「おれは入管手続きなんかしない」
となったらしい。
当局と強制帰国させたANAに謝罪を要求。逆にANAのほうはそんなのは
矛先を変えているだけと、応じない構えでいる。なにしろ法的には遵守して
いるのでなんとも変化がないのだ。
当初は入管の手前で、鞄に入っているものだけで「籠城」していた彼に
そのうち噂を聞いた中国人が東京に戻るおりに食べ物やいろんなこまごました
ものを渡すようになったらしい ああ、同胞精神
でもポットまで差し入れられた 彼は「そこまではできない」と拒否。盗電とも
言われかねない居候的籠城は拒否しているようだ。
(それでもここ数日の寒さで使い始めたという情報もある)
どんな様子か、入り方・物語のトリガーはよくわからないけれど、この記事は
まさに映画の "Terminal' そのままだ。映画は国そのものがなくなって足止め
を余儀なくされる男の主人公だった。
今回の中国人の彼は、その映画を見たことがあるんだろうか?
トム・ハンクスが中東ロシア系の国の人間をうまく演じている。
今回は自分と当局の行動と、その場合の規則にANAが巻き込まれたと
いうことだ。
どこの記事にも書いているが、こういうときに人道的対応をとるべきか
国際法に乗っ取った毅然とした態度で強制的に入国させるのか。
日本はこういう外交対策が本当に苦手なのだ。
それが証拠にネットにはこの記事は多くでているのだけれど、新聞関連
やテレビには全くといっていいが報道されない。
立てこもり1か月を超えてこの状態なのだ。
日本のマスコミは、自分でコメントを出すのが苦手なのだ。
自分で線を引いている。戦前のマスコミは政府から報道管制を敷かされて
国民は本当のことを知ることが難しかった。
いまはマスコミの成熟していない報道力のおかげで、来るべき情報が
著しく制限されている。日本人はよく考えるべきだ。
ここに一か月、空港に住んでいる人がいるというのに。
ぼくは中国当局が彼を入管させないことにコメントしない。
それにはきっと事情があるだろうし、報道の情報ではあまりに少ない。
彼が女性関係にルーズで問題を起こしてきたという記事もあるけれど
それで入国できないなら、石田純一は一生中国旅行はできないだろう
(ぼくが中国駐在中に、彼はちゃんと北京に仕事できていた。真冬極寒の
北京で靴下をはいていなかったらしい。鑑ともいえる )
The Terminal - Movie Trailer
映画ではキャサリン・ゼタ・ジョーンズがでてくる。でも実はぼくはこの映画を
よく知らないのだ。ちゃんと最後までみていないというほうが正しい。
上海に赴任して初めて、そのあたりの路上のDVDやさんで買ったDVDは
この映画だった。プレイヤーでみたその字幕は別の映画のそれであった
らしく、トム・ハンクスと受付の男性の会話が愛を語りあうセリフで表示
されていた。
それ以来見ていないのだ。なにがきっかけになるかわからないものだ。
彼はいつ動き出すのだろう?もし年末年始を超え、春節にまで達したら
ひょいと案外中国当局の指示で浦東から入管できるかもしれない。
でもそのときは春節明けにまた成田に戻っているような気がする。
一時休戦の余裕をみせる。 なんだかありそうな話でしょう?
政治色はきっと思ったより薄そうなはずの、この彼はきょうも成田の入管の
手前で座っているのだろうか。