Pのlog ( 大阪と上海のChouChou)

通称P。shushu(照れちゃう)ような稚拙きわまりない文面で、上海や大阪のchouchouを綴ります。よしなに。

上海の中学校

2011年01月12日 | 上海chouchou(みる・くらす)

復旦大学の付属中学はそれなりに面白かった。
   国際部は、欧米人と中国人がほどよくミックスされて英語ですてきなスクールライフ、
   というような学校生活をしていたけれど、そもそも英語学校だったうえに  欧米への
   留学を目指すというので校風があまりに離れている。

   ついでというわけではないが、国内部のほうに行くとこれがまた一段と古風で
   受付の眼鏡をかけたおじいさん然とした男性は取りつくしまもなし

   KYOKOさんが国際部から推薦されてここに見に来たんだぞと力説すると、なんと
   そのまま校長室に通してくれた。

   さすがコネ社会 袖すりあうも多生の縁ってこういうことを言うのだと感服。

   そしてこういうときKYOKOさんの押しの強さはさすがだった。
   校長室で懇談した帽子のおじさんが、最初ぼくらは校長先生だとは気づかなかった。
   しかし話し方を聞けば、その自信のよさはやっぱり中国によくあるそれだった。
   そして教育者たる自信にあふれていた。

       ああ、私のところに連れてきたら面接してあげる。うちの学校で
        できるかどうかなんて、私が見ればすぐにわかる。

       え?試験しないんですか
       ああ、わかるよ。うちの生徒は復旦の教師の息子か、もともと英才教育の
        生徒だから本当に厳しいよ。ついていけるかどうかは私が面接したら
        わかるんだよ。今度連れて来てみなさい

   ぼくは「へえ  」と感心し、KYOKOさんは「うわー 」という感じに気圧されている。
   面白いことこのうえない。復旦付属中学でやっていければ復旦大学までそのまま
   エスカレータで入学できてしまうのだ。そんな重要なことが校長先生の面談だけで
   決まってしまうのだ。ある意味すごくわかりよい。才能さえあれば入れてやるという
   ことなんだろう。

   悪く言うとコネにすぎないのだけれど、それでもこんなちょっとしたつながりだけで
   よければ採用しちゃうのは、ある意味すごいシステムだ。

   なにもかも すっ飛ばすそのしくみに、RinNonは対応できるだろうか?
   もしかしたらRinは順応して勉強を好きになるかもしれないなとちょっと思ったのだ
  けれど、Nonは勉強は苦手だし苦痛になるかもしれないなと思うと…

   一長一短だと判断した次第…

   結局、復旦の大きな街のようなその場所で、ぼくはカメラを一度も取り出さなかった。
   なんだか怒られそうな気がしたし、それになんだか気圧され続けて撮る瞬間を逸して
   しまった気分だった。でも不思議と残念な気もしなかったのだけれど。

       

   次はタクシーで移動し、日ごろなじんでいる長楽路に向かう。そんな都会にも中学校が
   あるのだ。タクシーが着くと、KYOKOさんは気にせずそのまま車道を無人であるかの
   ように横切っていく。


                                          

   向明中学国際部。

   そう書いてある。訪問2軒目の学校は、瑞金路をはさんで錦江飯店とほぼ向かい合わせと
   いう、すごい中心部にあった。

   そこは国際部だった。昼食時間らしく しばらく待たされたあと、担当の先生がやってきた。
   その先生は日本語が流暢で、ぼくらはすごく助かったのだけれどそのおかげでこの学校の
   しくみはとてもよく理解できた。

   国際部より国内部のほうがみんな優秀であること、日本人もいっぱい入学していて、高校も
   優秀にすごせば大阪大学に国費留学生になれる。日本人もそれ狙いで来ている人だって
   いっぱいいるんだよ

   たしかにおもしろい話だったし、さっきの復旦もいいけれどここならRinNonも過ごせそうな
   気がした。

       日本人の生徒は全員優秀だよ。

   息子も日本の企業に就職して日本にいるという先生は、笑顔を崩さないでこう語った。
   日本の一流大学に無料で留学できるしくみを活用する日本人家族がいる。
   そのことはいろんな意味で興味深かった。

   個人としてみれば、その日本人の人たちはとても熱心で、しかも野心的ともいえる
   積極性は評価されてしかるべきだろう。
   でも大きな目でみれば、中国のしくみを利用するということは日本にはそんな素敵な
   しくみがないから、ということもできる。

   硬直化した日本の視線の限界というのがあるのかもしれないのが少し悲しい

     

       部屋に入ってきた生徒が何事か先生にぼそぼそと中国語で話し
       先生がプリントを渡す。けっこうほがらかに話し、ぼくらにもにこっと笑って
       去っていった男の子の後ろ姿を見ながら先生が言う

           あの子も日本人だよ
           えー  すごく流暢でしたよ。中国人だと思った。

       RinNonですら全くかなわないほど流暢になじんでいた生徒をみて
       ここですごすのも有効なのはホントなんだと思いなおす。


                  

              校舎のほう、少しみていきませんか?

     笑顔の先生が、少し歩いたところにある校舎に案内するという
     国内部は別の場所にあるのだ。

     5~10分歩くと、戦前ふうのきれいな建物の校舎が現れた。前にはタクシーや高級車が
     ばんばん停まる。なんだなんだ?

                  きょうは昼から授業開始なんです。その関係で、いま登校してくるために
            子どもを送ってくる生徒とか、自分でタクシーに乗ってくる生徒なんです。
           自分で
           そうだよ。中学生になったらタクシーくらい自分で乗れるでしょ?

     RinNonもタクシーに乗れるようになるかなあ…  なんだかやっぱり上海は
     みんなたくましくなる。

 
                                 

     校門に入っていくと、狭いながら校庭があって、バスケに興じる生徒がたくさんいる。


                         

   その向こうのきれいな建物は戦前は有名なマフィアの別邸だったという。
   いまはこうして学校に使われることになったわけだが、建物自身はなんだかその立場のほうが
   しっくりくるみたいで、生徒の歓声とか、まわりの建物とか緑とかそんなものとの親和性がすごく
   高かった。

      建物の中にも案内してくれた。ちょうど昼休みの時間で(というより授業開始前というか)
      まだ生徒が廊下にもあふれかえっている。ぼくらに少し遠慮気味ながら笑顔で脇を駆け
      抜けていった。
      その様子は、RinNonのいる東展小学とよく似ていて連続性を感じる。

     

      校庭に戻ってくると、まだバスケの少年たちは遊んでいる。
      日本はよくわからないけど、ゲームとか携帯に興じているのを思えばこれは
      昔ながらのいい風景だと思える。

      先生にお礼を言って、ぼくらは校門でお別れをする。
      道にはまだまだタクシーが停まって生徒が降りて来て、高級車が停まって
      お母さんと生徒が降りてくる。

      その圧倒的な風景は、ここはちょっと上海的なのだった


                                   

             では昼ごはんを食べよう。
       KYOKOさんが行きたい店が2つ。ぼくは彼女の挙げた2つの店のうち、浦東ではなく
       ここから近いほうの店を選ぶ。

       KYOKOさんがタクシーに乗り込むのに続いてぼくも乗り込み、とりあえず学校探しは
       終了となった。


★向明中学
上海市盧湾区瑞金一路151号



上海市向明中学校


   youtubeに、同じ案内してくれた先生がうつっている画像があがっていることを発見。
   きっと同じようなことを言って、みんなにやさしく説明しているのだろうと思ったら
   果たしてそのとおりでした。

   きれいな学校で、みんな楽しそうだった…   



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