Pのlog ( 大阪と上海のChouChou)

通称P。shushu(照れちゃう)ような稚拙きわまりない文面で、上海や大阪のchouchouを綴ります。よしなに。

靭公園 【意外にけっこう咲いている】

2011年04月02日 | 大阪chouchou(堀江・新町・船場・本町)

 靭公園は意外に花が咲いていた。
     季節は、気がつけば隣に座っているかの如く春になってきているのかもしれない。

     ブルーのシートを敷いて、いつもよりちょっと呑みたい気分を抑えて。
     そんな笑顔はいつもと違って、少し深くてやさしいもので、いつもと違う春ですとみんなが
     知っているような、そんな説明口調だった。

     

     靭公園の南側にあるパン屋さんは確かにあったけれど、それはこんなに行列ができていた。
     いったい何がそんなにすごいパンなんだろう…

     ぼくたちは列の折り返しがあって、パンを挟むトングみたいな形をした行列のそのすきまに
     入って、そっと背伸びして中を覗きこんでみるとショーウィンドウ越しにみえるパンは普通な
     感じだった。なにか違うんだろうか?

         うーん…でも並んでまで確認はしたくないなあ…
         そうだね。並ぶの面倒だし…すきじゃないもの。
         いや…ぼくはきみのせいで並ばされたことがある。

     ぼくは友人との賭けにまけて、心斎橋で早朝にKrispy Kreme Donuts に並ばされたことを
     持ち出すと、何を言ってるんだとばかりに

         あれはドーナツでしょう
        
     まるで「ひつまぶし」と「ひまつぶし」の違いもわからないの?くらいの勢いで不思議な顔で反論してきた。
     友人の中ではパンとドーナツに、なにかDNAレベルでの決定的な違いがあるんだろうか?

     それでもまあ、悪い思い出でもないのでぼくはにこにこ笑って受け流していた。
     あのとき、心斎橋の行列の中にいた、ぼくの目の前のビルの屋上には、W杯のCMのC.Ronaldoがいて
     肩幅いからせていた。いまでもC.RonaldoはREALで活躍しているし、ぼくはこうして無事にひまつぶしも
     できている。そして友人はサッカーになんの興味ももっていない。

     1年でそんなに変わらないのだ。そのほうがありがたいのだから。

     まあそういうことなのだろう。この季節に行列を並ばなくていいのは、春に対するぼくの特権なのかもしれない
     

   

     ぼくらは公園の中に戻り、運動不足を露呈してきてどこかに座ろうと探す。
     いやいや。公園のベンチで読書をするんだよ、と友人が言う。

     視点の違い、あるいは積極性。ぼくに、これからのぼくらに必要な資質であるかもしれない。
     
     ところがベンチはなかなか見つからず、結局ベンチをしつらえたエリアの周囲をくるりと
     4分の3ほど歩いてやっと見つかった。

        並んで座ったぼくらの前を散歩連れの奥様らしき2人が、お互いの犬がじゃれあうのを見るとは
        なしに見ながらお話に興じている。

        そこをちびっこな男子が、勇敢に石の上にのりながら下のほうに降りていこうとして
        はしゃいじゃだめだよとママにたしなめられながら移動していく。

        春の初めの教科書のような週末の過ごし方だ。

        あまりそういう過ごし方に慣れていないぼくらは、ベンチに座ると本を取りだす。

        ぼくはちょっと考え事をしながらも浅田次郎を。友人はカバーがかかっているのでよくわからないけど、
        司馬遼太郎の本を読んでいるらしい。

            何読んでるの?
            土佐のお話。いまは主人公が長宗我部だよ。

        元親か盛親か。よく聞かなかったけど、きっと夏草の賦か戦雲の夢なのだろう。
        この前は山内家だったような気がする。その前は燃えよ剣だったし。
        かなり司馬史観の虜になっているのだろうか。

           ぼくが浅田次郎のまだ少し読んだくらいで、犬がキライと言って友人が
           立ち上がる。オバQかよ… とか思いながらぼくも好きではないし
           同行する。階段を下りたところのベンチに座ると、また犬の散歩は続き
 

                             

            そうしてぼくらは、苦笑いしながらカフェにいくことにした。

            案外公園で静かに読書ってのも難しいものなのだ。                 
            でもその間も桜は公園のそこかしこで開き始めて、ぼくらの頭上にあった。
            それも悪くはない一日なのだ。
            曇りであっても「花曇り」とたとえれば、それですてきな日だと感じてしまうように。




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