山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

農業への企業参入~できないのか、しようとしないのか?

2014-08-25 | 農業

 世間では農業への企業参入が困難であると思われております。このような趣旨の報道は、それこそ溢れてかえっております。それらを見聞きすれば、そのように考えるのも無理からぬことであると思います。
 私は臍曲がりゆえ、それが常識であるといわれてもハイそうですかと頷くことができません。この農業への参入障壁なるものを私なりに疑ってみようと思います。この論点については既に「なぜ農業従事者数が減少したのか?」でも書いておりますので、一部重複するかとは思いますが、改めて別の視点から眺めてみたいと思います。
 さて、大企業が本気で参入したいといった意思を持ったとしたら、あらゆる手段を用いて障害を排除し、その目的を達することでしょう。しかしながら、そのような意欲は感じられません。農地法によって企業の農地取得ができないことが槍玉に挙げられることがありますが、これとて農地を借りることができますので、そんなに大きな障害とも思えません。これ以外の障壁といえるべきものが報道されているのを見聞きしたことがありません。
 企業の参入例や成功事例が報道されることはあります。農業が企業にとってそんなに魅力的で儲かる対象であれば、それこそ続々と参入していると報道されていなければなりません。このようなところに違和感を覚えます。
 また、兼業農家や零細農家が農地を手放さないとの指摘もなされております。そして、その原因として補助金が支給されているからとされております。一方で耕作放棄地が増加しているといわれております。補助金が目当てとすれば、耕作放棄地が増えることと矛盾しませんか?
 多くの企業が参入して、良い条件で農地を貸すことができるならば、兼業農家は喜んで農地を提供すると思いますし、耕作放棄地などはたちどころに無くなってしまうのではないですか。
 要は、現状では企業が農業に参入しても、思わしい成果が上がらないと考えているからなのではないかと私は考えております。つまり、参入できないから参入しないのではなく、参入する旨味がないから参入しないものと考えます。

 ではなぜ農家たたき報道が行われるかです。これは報道で指摘されている農業の問題点が企業に有利になったときのことを想像してみれば容易に理解できるでしょう。すなわち、将来的に農地法が改正され企業の農地取得が可能となり、兼業農家や零細農家が絶滅したとしましょう。当然のこととして、これら農家が生産していた作物は生産されなくなり、農地も宙に浮いてきます。そこが企業の参入チャンスとなります。現状では生産過剰であった作物も供給が逼迫します。つまり兼業農家や零細農家が生産していたものの分け前に与れることになります。結局は、兼業農家や零細農家が企業にとって替わるだけの話なのです。

 さて、これが消費者にとって幸いするのか、それとも不幸なこととなるのか、それは消費者の皆さんが考えることです。

<参考> 「なぜ兼業農家を続けるのか(1)」~「なぜ兼業農家を続けるのか(8)」、「TPPについて(14)-農業への新規参入の難しさ」、「TPPについて(15)-農業への参入障壁とは?」、「TPPについて(20)-強いものが生き残るのか、生き残ったものが強いのか?」、「TPPについて(17)-農業の経営規模拡大の行き着く果ては?」「農地の集約化と生産性向上の限界」、「スマートアグリについて」、「スマートアグリについて(2)」、「スマートアグリについて(3)」、「植物工場(野菜工場)


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