山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

植物工場(野菜工場)

2011-08-16 | 農業

 植物工場とは、野菜などの植物を管理された閉鎖環境の下、計画的に生産することを指すようです。温湿度の管理は言うに及ばず、閉鎖された環境ですから病害虫の発生もありません。まさに理想環境により、作物が育成されるとのことです。また、一般的には土壌は使用しないようです。

 私の父も30年以上前でしたか、カイワレダイコンの水耕栽培をやってました。水耕栽培は筑波の科学万博で、1本の木から1万数千個のトマトが収穫できたと話題となりました。これも一種の植物工場です。

 別に植物工場がけしからんという議論をする心算はありません。将来の食料不足のためには農業の工業化(?)も必要なのかも知れません。ここでは植物工場を省エネの観点でみてみたいと思います。

 植物工場では植物の理想的な生育に必要な温湿度条件を作る必要があります。屋内の閉鎖された空間でこれを実現するためには、膨大なエネルギーを必要とするでしょう。また閉鎖した空間ですから換気も重要です。動物の場合と違って、二酸化炭素を取り入れる必要があります。外気をそのまま取り入れると害虫やら菌類が入ってきますので、クリーンルームに近い設備が必要でしょう。これも相当なエネルギーになりそうです。

 農薬を使用することは無いでしょうから、この点は安心できます。しかし完全なる化学肥料に頼ることになります。この化学肥料の製造にも多量のエネルギーを要します。

 光合成のための光エネルギーですが、これは太陽光を取り入る場合以外では、別途エネルギーが必要となります。特定の波長の光を用いると生育が早くなるという研究結果があるそうです。このためにLED照明を利用しているとかいうことです。いくら低消費電力といえどもエネルギーを使うことは間違いありません。

 このようにしてみると植物工場で生産された植物(野菜)は、エネルギーの塊といえます。さぞかし栄養価が高いものでしょうね?

 少々古い資料で恐縮ですが「農業と省エネルギー」で、水稲栽培における投入/産出エネルギー比の資料を引用しております。これによれば、太陽の恵みを利用する農業ですら投入エネルギーが大きくなってしまっております。

 産出エネルギーより投入エネルギーを小さくする農業の取り組みの一つが「自然農法」です。この自然農法の実現が私の当面の目標なのですが、これがどうしてなかなか難しいのであります。