眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

スクール・イン・マイ・ルーム

2019-12-05 21:54:00 | 夢追い
 生まれてから今まで、いくつかの家に住んでいた。時々、昔住んでいた家のことを思い出す。家の近所の店、町並み、隣人……。そのすべてがおぼろげだ。「本当に住んでいたのだろうか」自分の記憶に疑念が生じる。もしかしてそれは自分が住んでいた家ではなく何度か遊びに行ったことがある友達の家。物語の中に見た家。現実の家ではなく強い印象を残した夢に現れた家なのではないか……。時々奇妙な家が記憶の中によみがえって、その度にいつも混乱してしまう。



 ゴールネットは前面にもネットが張られ、キーパーの怪我にも配慮した最新型だ。引っ越し先の新しい部屋と、引っ越し前の古い部屋。そのどちらもまだ僕の部屋のままで、古い方がちょうどフットサル・スクールの練習場に使われていた。散らかったままの部屋の中。捨てそびれた服や雑誌が、ピッチを狭くしてみんなに迷惑をかけている。早く片づけなきゃな……。(早く引っ越しを完了しないと)そう思いながら、ずるずるとしている。ゲームの再開が遅いぞ。何やってんだ。コーチはどこ行った? 赤はどこ行った? 緑はどこに行った? 

 集合してもゲームは始まらない。ピッチサイドでコーチが語るのは主に精神論だった。今更何だ。コーチ質問! まとまりかけた流れに水を差すのはどこのどいつだ? 現代サッカーの歴史について脱線が加速していく。サイドバック論に移行して、そのまま時間切れになった。一旦解散。次の予約が入っていなければ、そのまま延長戦ということもあり得る。僕は自分の部屋に残っている。未練のある本のタイトルがまた一つ見つかる。
「少しずつ少しずつ捨てていくか」

コメント
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