眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

【小説じゃなかった】

2019-12-01 10:41:00 | フェイク・コラム
「夢と現実の区別がつきますか?」
 そう言われた時、あなたはどう思うだろうか。
「そんなの当たり前じゃないですか」
 胸を張ってそう答えることができるだろうか。
 ここが現実の世界で向こう側が夢だとあなたは言うかもしれない。では、あなたは夢の中で街頭インタビューを受けたことはないのだろうか。その時のあなたは自分のいる世界が現実と反対の夢の方だと正しく把握できているのだろうか。

 緩やかなスロープを進んでいる内に気がつくと階段を上がっていたということはないか。布団の端っこを探っている内に魚の鰭をつかんでしまい、空を飛んでいることはないか。鰭だったはずが翼になっていた。口笛を吹いていただけなのに飛行機雲を描いてしまった。雲をつかむ内に寿司を握っている。わさびを利かす内にギターを握っている。フェスに飛び入りすると夏の真ん中で、夜が更けるとジャズが入り交じり、盆踊りへと続いていく。晩夏にとどまる内に雪がかたまって転がる内に雪だるまができてピアノソロの終わりにもつれた糸が見えている。糸を引くと鈴が鳴ってそこは昭和の喫茶店でマスターは獣の頭をつけて骨董品屋を兼ねている。激しい旅路をちょっと外れるとそこはもう獣道に変わっているが、それはまた飛行機雲のようでもあり、無意識になって歩く頃には男の花道になっているではないか。夢であろうと生きているものが実際に見ているのであり、それもまた一つの現実ではないか。

 そのような気持ちで私はまた自分の中で「小説」だと歌う書き物をこの世界に向けて投じるのだが……。他人の尺度はいつも自分とはかなり違っていることを知って凹んでしまうことも多々ある。
 今日もまた誠に残念な知らせが届いた。


『カテゴリー落選の知らせ』

 あなたのお書きになったものは、「小説」と認定することができませんでした。また同様に「ポエム」「コラム」「エッセイ」「音楽」「ビジネス」「テクノロジー」に認定するに足りる理由をみるには及びませんでした。つきましては、「つぶやき」「長いつぶやき」カテゴリーにての掲載となりますのでご確認の程をよろしくお願い致します。
 今後ともあなた様のクリエイティブな活動を願っております。

                       (運営一同)
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