眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

キリマンジャロ・ライブ

2019-07-05 09:09:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
約束のキリマンジャロをともにして打ち終わらない歩のアンコール
(折句「焼き豆腐」短歌)
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空友

2019-07-05 03:53:27 | 自分探しの迷子
 とっくに中身を飲んでしまったカップを持って行くところが見当たらない。仕方なく僕は空っぽのカップを持ったまましばらくの間、歩くことになるのだ。しばらくの間……。3分でも20年でもそんな概念はどうにでもなる。僕はそれなりの忍耐力は持っている。行き場のないカップはずっと手にくっついている。どこかにゴミ箱はないかな。ゴミ箱はどこにもない。僕がそれを探し求めているからだ。僕の体を温めて少し甘くした後のカップはとても軽い。その存在を忘れてしまいそうになるほど軽かった。カップはそれでいていつも僕の手と共にあった。何かを持ち上げようとするとき、何かを操ろうとする時、ふとその存在に気づかされるのだ。使い捨てのマイカップ。捨てたくても捨てることができない。空っぽのカップは、まだ私の手の中にあるようでした。
 
 控えめな態度で私の手の中にそれとなく収まっているのを、私はまだ捨てることができずにいました。私がゴミ箱を探し始めてからしばらく経ったはずですが、それはまだ私の目の前に姿を現してはくれません。しばらくというものは、ほんの15分を指すこともあれば、人類が誕生してから今この瞬間を指して言うことも可能で、使われ方にはなかなかの幅があるものです。私がゴミ箱を見つけようと努力しているのは、私の手を煩わせるこのカップが、既に本来の役目を終えてゴミになったからだと言うことができます。しばらくしても見つからないのは、この街の治安のよしあしが少しは影響していると言えそうです。僕はまだゴミ箱を見つけ出すことができない。
 
 その辺にポイ捨てできないのは、僕がモラルある人間だからだ。あるいは、わしはかっこつけているのかもしれんな。優しい自分に酔っていたいジェネレーションなんかもしれん。わしは何時でも熱い飲み物を望んでおるんじゃ。「見つからなくてもいい」次第に僕はそう思うようになっていた。道行く人が恋人やギターやチワワをつれているように、それぞれの相棒と共に歩んでいくように。僕にとってはこの空っぽのこのカップが……。握りつぶさないように僕はカップを強く握りしめた。膝を叩いてリズムを取る。その時、俺はお前を見つけたんだ。
 
「お前はゴミじゃない!」
 俺はもうゴミ箱を見ていない。すぐ目の前をゴミ箱の群が通り過ぎたとしても、俺はそれを見ない。しばらくの間、お前は俺の相棒だ。俺からはお前を捨てない。俺は傷み、老い、だんだん物忘れが酷くなっていく。その分、俺は優しくなるんだ。だから心配するな。先に燃え尽きるのは、俺の方に決まっている。そうだ。名前をつけよう。俺から贈る友情の証。お前は、かっちゃんだ!
「なあ、かっちゃん。次はどこへ行く?」
 
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コーナーキック・イノベーション

2019-07-05 03:02:48 | フェイク・コラム
 まずコーナーキックからの失点である。
 これは長年に渡り日本チームが悩まされてきた弱点とも言える。
 印象的には、日本は10本蹴って1点、5本蹴られると1点。それが強豪国と戦った時にみえるコーナーの景色だ。更に、蹴ったところからカウンターをあびる場面も多く見られる。
 
「コーナーフラッグが見つめるかなしい現実」
 
 セットプレーの多くはやむを得ぬファール、必死のクリアによって与えられる。そこからぽーんと放り込まれてズドンとダイレクトで決まってしまうのは、最も恐れているからこそ残念にも思う。崩された気はしないのに。ぽーん、ズドン。タイミングと高さだけで、持って行かれるなんて……。
 
「よーいドンでは負けてしまう。求められる工夫は」
 
 その時、得点者の打点は頭一つ抜き出ている。
 言ってみればそれはモグラ叩きだ。
 ならばゴール前の密集の中で必要となるのはハンマーだ。
 頭一つ高いなら狙いを定めるのも容易だ。
 
「出られるものなら出るがよい」
 
 みんなモグラ対策のハンマーを持って待ちかまえているぞ。痛いぜ。キュッキュッ言うぜ。ああ恐ろしい。モグラになったらやられちゃう。そう思わせることができれば相当なものだ。
 飛ぶのは危険だな。滞空時間控えめにしようかな。打点は低めにしようかな。目立つのやめようかな。あいつら持ってるからな。そこまで思わせたらなかなかのものだ。
 その場で相手が恐れを抱くようになったとしたら、コーナー付近の事情は少し変わってくるかもしれない。
 
 しかしながら、そのようなハンマーを持った選手はまだ現れてはいないようだ。課題は育成にも及ぶ。現在のゲームの主流と言えば、eスポーツを中心としたサッカーゲームだ。そこには当然ながらモグラもハンマーも存在しない。そうなるとモグラ叩きをイメージすること自体が難しくなっている。
 町の憩いの場として存在したゲームセンターは、今また新しい価値観の元で再生を待たれているのである。
 
 
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触れるだけ

2019-07-05 00:44:28 | 【創作note】
鹿のように歩み寄ってはこない
犬のようにふさふさもしていない
pomeraにただ触れているのがいい
その形、その重さ、その音、
いつも僕の知っているpomeraだ
 
pomeraに触れている時の自分が好き
 
それでどうなるというものでもない
特別な何かが生み出されるわけでもない
だけど触れずにいると
壊れてしまうのは僕の方だ
 
膝の上に乗ったpomeraが
抜群な角度でこちらを向いている
その角っこに僕の指が触れる
 
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