眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

コーナーキック・イノベーション

2019-07-05 03:02:48 | フェイク・コラム
 まずコーナーキックからの失点である。
 これは長年に渡り日本チームが悩まされてきた弱点とも言える。
 印象的には、日本は10本蹴って1点、5本蹴られると1点。それが強豪国と戦った時にみえるコーナーの景色だ。更に、蹴ったところからカウンターをあびる場面も多く見られる。
 
「コーナーフラッグが見つめるかなしい現実」
 
 セットプレーの多くはやむを得ぬファール、必死のクリアによって与えられる。そこからぽーんと放り込まれてズドンとダイレクトで決まってしまうのは、最も恐れているからこそ残念にも思う。崩された気はしないのに。ぽーん、ズドン。タイミングと高さだけで、持って行かれるなんて……。
 
「よーいドンでは負けてしまう。求められる工夫は」
 
 その時、得点者の打点は頭一つ抜き出ている。
 言ってみればそれはモグラ叩きだ。
 ならばゴール前の密集の中で必要となるのはハンマーだ。
 頭一つ高いなら狙いを定めるのも容易だ。
 
「出られるものなら出るがよい」
 
 みんなモグラ対策のハンマーを持って待ちかまえているぞ。痛いぜ。キュッキュッ言うぜ。ああ恐ろしい。モグラになったらやられちゃう。そう思わせることができれば相当なものだ。
 飛ぶのは危険だな。滞空時間控えめにしようかな。打点は低めにしようかな。目立つのやめようかな。あいつら持ってるからな。そこまで思わせたらなかなかのものだ。
 その場で相手が恐れを抱くようになったとしたら、コーナー付近の事情は少し変わってくるかもしれない。
 
 しかしながら、そのようなハンマーを持った選手はまだ現れてはいないようだ。課題は育成にも及ぶ。現在のゲームの主流と言えば、eスポーツを中心としたサッカーゲームだ。そこには当然ながらモグラもハンマーも存在しない。そうなるとモグラ叩きをイメージすること自体が難しくなっている。
 町の憩いの場として存在したゲームセンターは、今また新しい価値観の元で再生を待たれているのである。
 
 

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