先日1人で道を歩いておりますと雨が降ってきました。傘を差しました。雨はすぐに上がりました。傘を閉じました。雨が降り出しました。傘を差しました。雨が上がりました。傘を閉じました。そういうことが色々とあって私は道に迷っていたのでした。昔あったはずの郵便局やスーパーが見当たらないし、そればかりか道までがなくなっているのでした。迷い歩く内に、昔何度か遊びに行った友達の家の前を通ったり、何度かお見舞いに足を運んだことのある病院の前を通っていたのでした。長い迷いの道を経て、いつの間にか私はあるカフェの中にいました。
「サイズはどうしましょう?」
コーヒーにサイズがあるとは思わなかった私は口を開けたまま固まっていました。あちらをご覧、と店の人が指す先には何万光年はあろうかという星々が広がっており、私は遠い宇宙の広がりと今自分がこの場所に立っているのだというちっぽけな奇跡を思ったのでした。
「いいえ、こちらを」
ほんの数センチのところにサイズの違うカップが並んでいました。
トールを選びながら、次のような歌が浮かんできました。それはクリスマスの折句でした。
くじ引きで
領土を決めた
水曜の
マッククルーが
ストローを刺す
階段を上りながら、浮かんだままに口ずさんでみました。
「サイズはどうしましょう?」
コーヒーにサイズがあるとは思わなかった私は口を開けたまま固まっていました。あちらをご覧、と店の人が指す先には何万光年はあろうかという星々が広がっており、私は遠い宇宙の広がりと今自分がこの場所に立っているのだというちっぽけな奇跡を思ったのでした。
「いいえ、こちらを」
ほんの数センチのところにサイズの違うカップが並んでいました。
トールを選びながら、次のような歌が浮かんできました。それはクリスマスの折句でした。
くじ引きで
領土を決めた
水曜の
マッククルーが
ストローを刺す
階段を上りながら、浮かんだままに口ずさんでみました。