中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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本を読まないことが意味することは・・・

2013年07月01日 | コンサルティング

華氏451という映画を観たのは中学生の頃だったと思います。かなり地味なSF映画でしたが、画像が妙にきれいだったので、いくつかの場面とセリフをかなり鮮明に憶えています。原作のレイ・ブラッドベリの本は小学生の頃からよく読んでいたので、この映画の奇妙な雰囲気にすぐに馴染めました。

ストーリーは近未来の話ですが、いわゆるディストピアもの(ユートピアの逆、つまり暗い未来)です。そこは書物を読むことが禁じられた社会で、本を見つけては焼却する消防士が主人公です。消防自動車が出動して、本を隠している家に踏み込み、消火ホース(?)を向けるとそこから炎が噴出し本を焼き払います。

ストーリーは比較的シンプルで、話は淡々と進みます。最近のアメリカのSF映画のような刺激は全くありません。観ているとすこし退屈な部分もあるのですが、私は今まで観た映画の中ではベスト3に入るほどすばらしい作品だと思っています。

この映画の中で、通勤電車の中の情景が描かれてる場面があります。特に変わったことをしているわけでもないのですが・・・通勤者の様子が・・・なんとなく変なのです。

最近は電車の中で本を読む人がだんだんと減ってきて、携帯でゲームをしている人が増えてきました。毎日通勤電車に乗っている私には、なんとなく現実がこの映画に似てきたような感じを受けてしまいます。

もしかすると、本を読まない人たちはある意味徐々に本を焼いているのかもしれません。

「華氏451」(DVD)イギリス映画、フランソワ・トリュフォー監督、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン、2004年(1966年)

(人材育成社)